引っ越しをしてからまもなく2ヶ月。娘との同居生活はなんとか順調である。あーだこーだと毎日よもやま話に花を咲かせている。
一人暮らしではなくなったことで家事の作業が軽減されるかと思ったが、ナゼか相変わらず私がマメにこなしている。
元々せっかちで自分流を貫きたい私の性格のせいもある。野菜たっぷりのヘルシースムージーを作ってくれる娘の姿を見ると他の家事はとっととやってしまおうという気になる。
実際には毎週来てくれる家政婦さんの活躍がわが家を綺麗に保っているのが現実だ。娘も大学の対面授業が増えバイトもあるので常に家にいるわけではないが、同居になれていない私は娘のためになるべく家にいてやろうなどと余計なお節介モードになっている。すっかりマイホームパパみたいだ。
勉強に励む娘の部屋におにぎりを運ぶような甲斐甲斐しさはさすがにないが、何かと気になって部屋を覗くので娘にとってはきっと迷惑だろう。そろそろ子離れしてマイペースに過ごし始めないと私にとっても良くない。ちょっと意識を変えたいと思う。
さて、大学生の娘と一緒だと若者的な時間?を過ごすことも多い。シーシャに凝っている娘に付き合ってシーシャバーに行ったり、オジサマ族にはあまり縁がないような店で食事をすることも増えた。
徒歩圏に評判の良いハンバーガーショップがある。「do」という店だ。私一人では入りにくい店構えの店だが若者と一緒なら平気だ。もともとハンバーガーが好きだからゲバラのTシャツを着た娘に渋々付き合わされたような顔をしながら過ごす。でも内心ウキウキである。
ハンバーガーという食べものをマックによって知った昭和の子供の成れの果てである私はバーガー専門店の値段にたじろぐことが多いが、たじろぎながらも本格バーガーのウマさにはいつも悶絶する。
若者時代にこういう店がアチコチにあったら頻繁に通ったと思う。本当は1度に3つぐらい食べたいのだが、オトナの自尊心が邪魔をして1個で我慢する。オトナも大変だ。
タイ料理も嫌いではないが鯛料理のほうがこの歳になると惹かれる。でも近所にいつも賑わっているカジュアルなタイ料理屋があるのでこれまた娘と共に行ってみた。「バンコクポニー食堂」という小さな店。
タイには何度も出かけているのでタイ料理はそこそこ詳しい。ヤムウンセンをつまみにビールを流し込むのは最高だ。これからの季節にはこういう組み合わせはアリだろう。
一品料理メニューがかなり豊富だったので飲み屋的使い方にも適していそうだ。無難にガイヤーンあたりでやはりビールをグビグビ。タイの調味料をぶりぶり付けて気分はバンコクである。
タイの家庭料理という注釈付きでインスタント麺の炒めものがメニューにあった。間違いなくウマそうだったのだが、この日は無難にパッタイとトムヤムクン風味のチャーハンを注文する。
寿司、焼鳥の他、ウナギなどをローテーションのように食べている私には妙に新鮮だった。時にはこういう刺激的なものを食べるのも悪くない。脳ミソまで斬新な感じにリフレッシュする気がする。
別な日、近所にあるイタリアンというかバルみたいな店にも訪問。「イルバッカ」という店。カウンターで一人で飲み食いしているオジサンもいたから若者専用の店ではないようだ。
大衆酒場のカウンターも良いが、時にはこういう店でトリッパあたりをつまみに一人飲みに励むのも面白いかも知れない。
私の場合、固定観念が強すぎるせいもあって一人飲みの際は和食路線ばかりだ。ワインバーあたりでしっぽり過ごすような変化球も身につけてみたくなった。たぶん無理だと思う。
トリッパにからすみパスタ、ウニクリームパスタである。イタリアンというよりカジュアルバーみたいな雰囲気の味だったが、いちいち本格的な感じを求めるよりこういう路線をホッコリと味わうのもアリだろう。
いずれにしても若者を同行してアレコレ世間話をしながら過ごす時間は自分の嗜好や思考がずいぶんと硬直化していることを実感する時間でもある。
老け込もうと思えばいとも簡単に老け込める歳になった今、こういう刺激はなかなか有難い。無理に若作りしたりアンチエイジングとやらに励むのはゴメンだが適度な柔軟性は維持したい。
女子大生との共同生活は案外私にとって役に立つ効能がたくさんあるのかもしれない。
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