2023年3月6日月曜日

入院と絶食

 人生初の絶食を体験してきた。検査入院で朝昼晩ともにメシ抜きというシャバダバな一日を過ごした。食い意地大魔神みたいな私としてはそれが原因で危篤になるかと思ったが案外平気だった。



すい臓に見つかった3〜4ミリの怪しい影の正体を突き止めるために2泊の入院である。実に退屈だった。なんてったって禁煙である。そのツラさのせいでこれまた危篤になりそうだった。


ルール違反ではあるが匂いの無いプルームテックがこの世にあることに助けられた。これが無かったら血圧も心拍も異常な状態になったはずだ。


超音波内視鏡の先についた針ですい臓の怪しい部分を採取するのが入院の目的。実際にはわずか15分ぐらいの作業である。ただ、朝の9時ぐらいからの検査だったのでそれまでにコロナの陰性確認が必要だとかで前日に入院するハメになった。


検査当日はさすがに内蔵に針を刺すわけだから万一の出血などに備えて泊まるのも分かる。でもまるで元気ハツラツなのに前泊するのはコロナ禍の厄介さである。


個室を手配したのだが、2泊だと3日分の個室料が必要なことをチェックアウト、いや、退院の際に知った。近場の海外旅行に余裕で行けるほど高くついた。大損害である。




検査自体は鎮静剤で落とされているうちに終わったが、今回はクスリが効きすぎたようでフラフラ感がずっと消えず、朝の10時前には検査が終わったのに夜の7時ぐらいまで断続的に寝続けた。おかげで絶食がキツく感じたのは夜の間だけで済んだ。


翌朝は6時過ぎに起こされたので買い置きしてあった賞味期限切れのおにぎりや大福をとっとと食べた。その後8時に出されたやたらマズそうな朝飯は手をつけずにいそいそと退院した。


時間は前後するが、検査前日の昼と夜はなかなかウマい食事が出た。昼は和風カレー。もちろんニンジンはすべて除けたのでそれ以外はなかなかの味。夜の白身魚はネギソースが妙に美味しくて感心した。病院食には珍しく白米が硬めだったことに拍手を送りたくなった。





コロナのせいでウロウロと売店に行くのも制限されたので本や雑誌をたくさん持ち込んだ。寝ていた時間が長かったから読めたのは1冊だけ。何年も前に買ったまま読まずにいた浅田次郎の「赤猫異聞」だ。


これがまた今まで読んだ小説の中でベスト3には入るかと思えるほど面白かった。夢中になっていたおかげで入院していることを忘れるほど。それだけが入院して良かったことだ。


今回は某大学病院の消化器内科でお世話になったのだが、私の中高の同級生がたまたまここの脳外科で教授を努めている関係で、それこそドサクサ?で脳ドッグ的な検査予約も入ってしまった。


今回の入院とはまったく関係ないのだが、すい臓の検体検査の結果を聞きに行く日に、ついでだからと脳のMRIを受けることになったわけだ。


もし、すい臓の結果が悪性だと言われてしまったら、その直後に頭をすっぼり覆われて閉塞感バリバリのMRI検査に耐えられるかビミョーである。いよいよ発狂しちゃうかもしれない。


肝心の検査結果は2週間後である。まな板の鯉状態だ。発狂しないためにも無事を願っている。





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