2023年4月3日月曜日

カツカレーの悩み

カレー愛好家、とんかつ愛好家は多い。いずれも好みの味を求めて食べ歩く。よりウマい逸品を求めて終わりなき旅を続ける。大げさか。

 

そんなマニアから重視されることがないのがカツカレーである。主役がどちらかわからない謎めいた料理である。マニアには軽視されがちだが国民が大好きな一品でもある。

 


カツカレーの元祖には諸説あるそうだが、銀座にある洋食「スイス」における「千葉茂発祥説」が有名だ。昭和の名選手・千葉茂は長嶋茂雄の前に巨人の背番号3を背負った名選手である。

 

現役時代のあだ名は「猛牛」。千葉さんが監督の時に「近鉄バファローズ」が誕生しその名称は今のオリックスバファローズに受け継がれている。いわばレジェンド中のレジェンドである。

 



そんな千葉さんが面倒がって?カツとカレーを一緒に盛ってくれと店に注文したのがカツカレー誕生のきっかけだという。

 

私もこの店には時々出かけるが、なかなかカツカレーに手が出ない。すこぶるウマいハヤシライスやベシャメルソースが濃厚なグラタン、タルタルソースも抜群なエビフライなどを優先してしまう。

 

カツカレーってそういう立ち位置なんだと思う。つまり優先順位が低くなりがちだ。大食いサラリーマンが昼時に10分ぐらいで食べきる“やっつけメシ”みたいな印象がある。

 

のんびり優雅に?洋食屋さんで過ごしたい私としてはついつい頼みそびれる。カツかカレーか主役不明の曖昧さも私のオーダー時の決断を鈍らせる。

 


 

先日この店で3人で会食する機会があった。これはアレコレ注文するチャンスである。当然、名物のカツカレーにもありつけた。

 

カツカレーのエラいところは外さないところに尽きる。国民食であるカレーととんかつが融合しているわけだから反則ワザで勝つような話である。

 

個人的にカツカレーに関して思うことは「ソースを使うべきかどうか」である。いつも明確な結論を出せないまま食べ終わってしまう。一般的にはソースなど使わない人が多いのだろうか。

 

ソースに思い入れがない人やトンカツを塩で食べても平気な人ならこの問題に悩む必要はない。カレー自体がソースの役割を果たしているからその混ざり合いを楽しく味わえば済む。

 

私は根っからの「ソースマン」である(http://fugoh-kisya.blogspot.com/2019/11/blog-post_11.html)。鶏のから揚げもマカロニサラダにもソースをかけたくなる。トンカツを「塩でどうぞ」と言われてイラつかなかったことはない。ひょっとするとソースを味わいたくてトンカツを食べている可能性もある。

 



こちらは銀座1丁目の「矢場とん」で食べたカツカレーだ。味噌カツの人気店だからさすがに味噌ダレをカツに垂らしながら食べたくなる。でも結局は普通のソースを使って正しいトンカツ味に仕上げてからカレーとともに味わう。

 

思えばカツが乗っていない普通のカレーライスにもソースをかける人はいる。聞くところによるとどの世代にも10%程度の人は「カレーにソース派」だとか。

 

そう考えるとカツカレーにソースはちっとも邪道ではないという話になる。私の場合、甘みを感じるカレーにはソース無し、それ以外だと迷わずソースをかけるのが基本パターンだ。いや、甘めのカレーの時も結局最後にはカツをソースまみれにしている。

 

相変わらずどうでもいい話ではあるが書いているうちに無性にカツカレーが食べたくなってきた。






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