2023年8月21日月曜日

ブヨッチョとかマヨとか


常にドカ食いの息子と一緒の時は普段行くようなお寿司屋さんには行かない。破産しそうだから迷わず回転寿司やカジュアルな店に出かける。

 

ウン十年に渡って寿司の修行(客として)に精進してきた私だが、最近はカジュアルで大衆的なお寿司屋さんに感心させられることが増えた。

 

怪しいネタ、クサいネタ、マズいネタが中心だったのも今や昔、今では気取った個人店も真っ青なウマいネタや工夫をこらした邪道系?のネタが百花繚乱で一つのジャンルとして確立されている。

 



人気チェーン店なら仕入れ面のスケールメリットが大きいからヘタな高級店より鮮度の良いモノも珍しくない。いつだったか、カジュアル系の人気店である「すしざんまい」がやっている回転寿司屋で出てきたマグロの赤身の美味しさに感激したことがある。個人店とは違う仕入れパワーの強さを痛感した。

 

回転寿司やカジュアル系の店で私が好んで食べるのはコーンマヨである。邪道の極みだ。もはや魚のカケラも無い。寿司ネタだか何だか意味不明の食べ物である。当然、普通の寿司屋で食べることは不可能である。

 

コーンマヨを3皿か4皿も食べてしまう。価格的には最も安い部類だから店の人にはきっと私は貧乏な人だと思われているはずだ。

 

初めて食べたのは20年ぐらい前だと思う。「何じゃコレ、こんなもん寿司じゃねえよ」と間違いなくつぶやきながら口に入れたはずだ。そのぐらい「邪道系」を毛嫌いしていたのに今では大ファンである。


加齢とともに中途半端な知識やこだわり、思い入れがどんどん崩壊して今やウマけりゃ何でもアリである。ずいぶんとオトナになった?ものである。

 

他にも「サーモンマヨ」だの「ツナ軍艦」だの「海鮮サラダ巻」などをガツガツ食べてしまう。考えてみればすべてマヨネーズ系である。マヨラーを自認するほど普段はマヨネーズを食べない私だが、本当は毎食でもマヨの世話になりたいのが本音だ。

 

でも本能的に控えてしまう。洋食屋さんのタルタルソースも大好きだし、時々はツナ缶にマヨネーズをぶりぶり入れて醤油を垂らしてガッツくこともあるが、健康を考えてなるべくマヨさんのことは見て見ぬフリをして暮らしている。そんな欲求不満が回転寿司の世界で爆発してしまうのだろう。

 



さてさて、こちらは正しいエンガワの握りだ。普通のお寿司屋さんでは好んで注文するが、回転系の店の「インチキエンガワ」も最近は大好きである。言わずと知れた謎の深海魚?が回転寿司で出てくるエンガワの正体だ。あのブヨっとしてちょっと水っぽい変な味が妙に美味しく感じる。

 

「ブヨっとしてちょっと水っぽい変な味」である。こんな最低な表現をしているくせにそれを美味しく感じるのだから私の味覚なんてテキトーである。

 

もちろん、本物のエンガワのほうが好きだし、そっちのほうが遥かに旨味もあって食感も良い。本来、“謎エンガワ”と比べるようなものではない。違う名前にしてくれたほうが世間の誤解をとくにも良いと思うのだが、的確なネーミングはないものだろうか。

 

「エンガワモドキ」ではあんまりだし「ブヨッチョ」とか「アブラシロミ」とか「ジャンクエンガワ」などはどうだろう。それじゃあちっとも売れないか。

 

褒めているのかケナしているのか分からない書き方になってしまったが、私があの“ブヨッチョ”の大ファンであることは間違いない。その証拠にネット通販で見つけて買ってしまったほどである。

 




私が息子を連れて何度も訪ねた「がってん寿司」という回転寿司チェーンがあの謎のエンガワを冷凍便で届けてくれた。これさえあればウッシッシである。自宅で寿司飯を作れば延々とアイツを味わうことが出来る。

 

届いてから数週間経つのだが、私にとっては貴重品である。もったいなくてまだ食べていない。独り占めするためには同居する娘がいない時にコッソリと秘密の寿司会を開催しないとならない。

 

その日を思うと今からヨダレが出てしまう。

 

 

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