ハロウィンで街は騒いでいるが、今は栗の季節だ。カボチャのお化けよりもモンブランこそ今の季節の風物詩だろう。私は栗が好きではないがモンブランとなると話は別だ。
あのゲジゲジみたいなモンブラン特有のクリームが大好きである。子供の頃、シュークリームよりもショートケーキよりもモンブランには特別感があった。
その昔、駅頭でよく見かけた甘栗屋の前を通っても引き寄せられなかったのにケーキ屋のモンブランには胸がときめいた、今もその気持は一緒だ。
ホテルニューオータニに3千円を超える値付けのモンブランがあると聞けばわざわざ出かけ、秋に京都を旅した際も旬の和栗モンブランとやらをうやうやしく食べた。
ここ数年増えてきた本格派?のモンブランは栗感が強めだ。それはそれで評価は高いのだろうが、個人的には昔のベタなモンブランのほうが好みである。栗っぽさは無いがネットリ甘く官能的な味がした。
イマドキの高級モンブランは品があり過ぎて昔のような攻撃的な甘さがちょっと足りないような気がする。私の味覚が子供っぽいせいもあるのだろう。
先日、京橋にある「トシ・ヨロイヅカ東京」まで足を運んでモンブランを2つ買ってきた。この店は1階のケーキ売り場とカフェの他に2階にスイーツのコースを提供するサロンまである。
職場から歩いていけるので持ち帰りにして職場の個室を締め切ってじっくりうっとり味わった。コンビニスイーツなら2つぐらいペロっと食べられるが、さすがに高級な本格スイーツとなると一つ一つが重い。きっと凄いカロリーを瞬時に摂取したはずだ。
通常のモンブランと期間限定のモンブランだった。どちらもちゃんと美味しかったが、やはり私が好んだ昭和のベタなモンブランとは異質だ。片方はやたらとブランデーか何かの香りが強く子供だったら酔っ払いそうだった。
でも、コンビニスイーツとは別次元のこういう高級ケーキも時々食べると気分が上がるのは確かだ。つかの間の一息にコーヒー片手にこんなモンブランを突っついていると流れる時間がちょっぴりゆったり感じて落ち着く。スイーツの効能だと思う。
モンブランつながりで紹介する次のスイーツはなかなか画期的なシロモノである。日本橋のコレド室町地下にある「栗りん」という店の商品だ。
名古屋発祥の和菓子版のモンブラン専門店である。東京には日本橋だけなので自宅が近い私にとっては気軽に買えるのが有難い。上の画像は「栗千本」という大福の上に栗ペーストがどっさり載った一品である。
モンブランと言えば栗クリームの下はスポンジケーキなのが普通だが、あの部分はたいていどうでもいい味がする。その昔、子供の私もモンブランの上だけを食べてスポンジを残して親に怒られたことがある。
上も下も楽しめたほうが良いに決まっている。女性と同衾した際に「上だけにしてね」などと言われたら絶望の淵に追いやられる。それと同じだ。いや、何が同じなのかわからない…。
この栗千本なら上の楽しみと下の楽しみが堪能できる。男心をくすぐる。実に素敵だ。これがまた上も下も美味しいからぶったまげる。栗クリームの下はもちもち大福だ。軽めの食感の大福だから上とセットで食べても重すぎないのが嬉しい。
先日買ってきたのは「芋千本」という紅芋クリームバージョンである。もはやモンブランとは言えない商品だが、これまたクセになる味わいである。美味しく煎茶と合わせれば至福という言葉以外出てこないレベルだ。
紅芋クリームの下には小ぶりの大福が9個隠れている。週末散歩ついでに買ってきたのだが、ダイエット中の娘は1個しか食べなかったので、残り8個は私が土日で平らげてしまった。それはそれで幸せだった。
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