2023年12月11日月曜日

イケ好かない言葉


何となくイケ好かない言葉について書いてみる。偏屈な私のことだから例を上げたらキリがないのだが、今日は2つに絞って書いてみたい。

 

「◯△で涙が止まらない」。ネットの動画でよく見かける言葉だ。でも一つとして涙のかけらすら出たことがない。中途半端な美談を押し付けられると何となくイラつくのは私だけだろうか。

 

そんなことを書くといかにも自分が心の狭いダメ人間みたいだ。昔ハヤった「一杯のかけそば」みたいな話がどうにも苦手だ。どこか裏があるようなウソ臭さをすぐに探したくなる。長年に渡って物事を斜めから眺めるような仕事をしてきたせいで根性がひん曲がってしまったのかもしれない。

 

映画の予告編でよく見かけた「全米が泣いた!」とかいう怪しげな宣伝文句と同じようなニオイを感じる。あざとく泣かせようとする仕掛けめいた企みがどうにも好きになれない。

 

そうは言っても、ちゃちい作りの若者向け恋愛映画を見るとすぐに泣いてしまうのが私の弱点でもある。泣いてしまうと何かに負けた気がするから、きっと私の負けじ魂が本能的に拒絶しちゃうのだろう。

 

あんまりこれを書くと自分が非道な人間みたいだから話題を移す。

 



「〇〇好きに悪い人はいない」。これも凄く違和感がある。そんな言い方をされるとその〇〇自体をあえて嫌いたくなる。これまた私がヒネクレ者だからだろうか。

 

犬好きだって猫好きだって泥棒もすれば人殺しもする。絶対にそんなことはしないとは言い切れない。ちなみに私は犬も猫も好きではないから、こんなフレーズを使う人々から見れば悪人に分類されてしまう。

 

〇〇の部分が「動物好き」「昆虫好き」と言われちゃうと何だかズルい。対象が広すぎる。サソリやコブラやゴキブリだって含まれるのだろうか。タランチュラ好きの人なんて何となく悪い人が多そうな気がする。

 

「星が好き」「山が好き」「海が好き」「釣り好き」などそれっぽい〇〇好きな人は確かに一見良い人にも思えるが、全員が全員善人であるはずもない。“プラネタリウム殺人事件”とかだって世界の推理小説を探せば出てくるはずだ。

 

「女好き」「パチンコ好き」「酒好き」あたりだとさすがに「悪い人はいない」とは言われない。でもそんな面々の中にもガンジーさんやマザーテレサを凌ぐほどの良い人だっているはずだ。女好きの私だって物凄く善人だと自分では思っている。

 

〇〇に「ボランティア」だの「寄付」だのそもそもの善行を当てはめればさすがに納得もできる。「サザエさん好き」やら「笑点好き」あたりも当てはまりそうだ。ホノボノ系なら何とか大丈夫そうだが、やはり趣味性の高いものはさすがに怪しい。

 

ちなみに「アニメ好き」にも悪い人いないと聞いたことがあるが、だったら京アニ事件やら幼女誘拐殺人みたいな鬼畜な事件は起きないという話になる。「子供好き」だって同じだ。

 

とかく世の中は人をカタにハメたがり、何らかのカテゴリーに分類したがる。〇〇好きに悪い人がいないという論法もそうした画一的な押し付けみたいで気持ち悪い考え方だと思う。

 

まあ、そんなことを真面目にブツクサ言ったところで始まらない。聞き流せば済む話。でも、そうしたレッテルの押し付けを大真面目に真顔で語られるのはゾっとする。そんなことを真剣に考えるような人が変な宗教に感化されて怪しい道に進むのだと思う。あくまでイメージの話だから笑い話の延長で充分だろう。

 

ちなみに私は「女好き」の他に「タバコ好き」「スイーツ好き」「旅行好き」「豚肉好き」「鰻好き」「温泉好き」「欧州車好き」「靴好き」「歴史好き」などいくつものカテゴリーに分類される。「悪い人はいない」とまで美化されるようなジャンルではない。残念だ。でも決して悪い人ではないと思います。

 

 

 

 

 

 

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