2024年5月24日金曜日

居酒屋エレジー


 

このブログではいっぱしの店でウマいものをシコタマ食べている書きぶりだが、大衆酒場も私にとっては憩いの場所だ。ホッピーとモツ焼きなどはオヤジ晩酌の殿堂入りメニューだと思う。

 

居酒屋に行けば居酒屋的なものが欲しくなる。オニオンスライスや梅きゅうといった野菜だって勢いで食べる。冷や奴もウチで食べる気にならないのに居酒屋だと美味しく感じる

 

マカロニサラダもあれば必ず注文したくなる。不思議なものでオッサンならみんな大好きなのに普通のレストランでメニューに用意されていることはない。居酒屋ならではの一品といえよう。

 

先日、ふらっと人形町の某人気モツ焼き屋に出かけた。目的はその店の妙にウマいマカロニサラダだったのだが、何とその日は品切れだった。途方に暮れた。仕方なくモツ焼きをそそくさと食べてホッピーをガブ飲みして30分ほどで出た。

 

居酒屋は気軽な分、あまりドカドカと飯を食べないのが普通だ。ちょろちょろとツマミを楽しんでホロ酔いになって終わり。問題はその後でやたらと空腹を覚えることだ。酒を飲んだ後は肝臓が忙しく働き始めるから脳みそが空腹状態だと錯覚するらしい。

 

飲んだ後にラーメン屋に入りたくなるのは人として当然の行動というわけだ。満腹中枢がおかしくなっているからラーメン大盛りだって食べられちゃう。私の場合、牛丼屋で特盛プラス牛皿という勇ましい注文を平気でしてしまう。

 

これは由々しき問題だと思う。私にとっても「ホロ酔い後の空腹」は今後の人生を健康で暮らせるかどうかの大きな問題である。何らかの解決策を考えないといけない。

 

で、無い知恵を絞って考えてみたのだが、バカな私の結論は実に単純だった。「居酒屋でしっかり食べる」。当たり前だが、ついついおろそかにしてきたそんな行動に励めば酔った後の大食いは避けられるはずである。

 

「居酒屋でメシをしっかり食べる」。これって一定年齢以上の中高年には案外ピンとこない話だ。思い当たる人は多いはずだ。酒をあまり飲まない若者だと居酒屋でも場違いのようにガツガツ食べるが、古い世代はツマミはちょろっとで酒が中心になる。

 

最近、友人との飲み会がいくつかあったのだが、やはり習慣とは怖いもので一軒目の居酒屋ではツマミをちょこちょこ食べるだけで終わってしまった。というわけで2件目の居酒屋で心を入れ替えて頑張ってみた。

 



某日、この日のメンバーは3人。八重洲某所の居酒屋でチャーハンを2種類と焼きそばを頼んでみた。アッという間に食べた。やはり“オッサン症候群”で一軒目はたいして食べていなかったせいである。

 

考えてみれば2軒目で炭水化物攻めをするなら、シメのラーメンを食べたのと同じだ。でも、2軒目でもいつものように枝豆だのポテトだので終わらせたらきっと3軒目としてラーメン屋か牛丼屋に入っただろうからこれはこれで正解である。

 

別な日、今度は4人での飲み会。人形町の魚のウマい居酒屋でしっかり飲む。刺し身をはじめそこそこ注文してしっかり飲む。繁盛店だったから時間制限があって追い出されて2軒目を探す。喫煙者に優しい店を思い出したのでそこに直行。

 

「肉十八番屋」という店がそこ。一服しながら飲み直し。ここでまた軽いツマミだけで済ますのは危険だからしっかりアレコレとオーダーした。

 



肉をウリにする居酒屋だから盛り合わせの肉を注文。ホロ酔いの2軒目としては見た目はちょっと重い。でも還暦が近いおっさん4人で何となく食べ切る。

 

肝心なのはその後のラーメン屋防止作戦である。というわけで、この店で肉盛り合わせ以外にソース焼きそばと塩焼きそばとガーリック肉チャーハンなるヘビーな締めメニューを注文してみた。

 

客層の中心は当然我々より若い層が中心だ。だから出てくる料理は良くも悪くもアブラギッシュ系が多い。焼きそばもチャーハンも油をしっかり使った仕上がりだった。

 



思えば30年ぐらい前ならどんなに油っぽい料理が出てこようが美味しくむさぼった。油っぽいということをネガティブに意識したことなど皆無だった。今では皆すっかり歳を取って出てくる料理の油にブツブツ言ってしまう。

 

端的にいえば焼きそばもチャーハンも「アヒージョ」みたいだった。でも酔っているせいでブツクサいいながら残すことなく食べきった。隣の席の客が食べていたタコライスがとてもウマそうに見えたが、さすがにそれを追加注文するほどのパワーはなかった。

 

で、楽しくワイワイと騒いで終了となったわけだが、“アヒージョ的炭水化物効果”でその後にラーメン屋に向かうことはなかった。でも帰宅後には太田胃散を大盛りで飲むハメになった。

 

やはりシメをしっかり食べるとしてもお茶漬けや焼きおにぎりみたいな王道を選択すべきだったのだろうか。理屈ではそうすべきと分かっているのだが、そんなシメだと結局は最後に余計なラーメン屋に足が向かいそうな気もする。

 

とりあえず今後も居酒屋では最後の「重いシメ」に重点を置いて過ごしてみようと思う。

 

 

 

 

 

2 件のコメント:

  1. 写真を見るだけで胸やけしそう。お腹いっぱいというより胸一杯?

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  2. ゆうこ様 コメントありがとうございます!

    はい、太田胃散はもはやサプリみたいに愛用してます。

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