今年はやたらと野球にハマった年だった。これも「オジサンあるある」の一種だとしたらちょっとイヤだが、何かに熱中できることは幸せだから良しとしよう。
大谷翔平サマの活躍を見るために超重役出勤状態になったことも数知れずだ。まあ還暦近いベテランだから許してもらおうと思う。それだけでなく、人生初のナマ甲子園観戦にも出かけた。暑くて死にそうだったが真夏の甲子園で躍動する高校生を眺めた時間はとても楽しかった。
大学野球にも妙にハマった。東京六大学の春のリーグ戦をひょんなことで観戦して以来、ハツラツとプレーする学生のひたむきさに胸を打たれた感じである。
今年初めて観たのが東大戦だった。球場がガラガラだろうと見込んで出かけてみた。ほぼワンサイドゲームになる東大戦だから案の定、空席だらけでイニングごとにいろんな角度から楽しむために好き勝手に席を移動して楽しんだ。
その後の全日本大学選手権にも行った。聞いたことがなかった地方の大学野球部の奮戦ぶりに目を見張った。全国に26もの大学リーグがあると知って老後の趣味は各地への観戦旅行に決めた。秋のリーグ戦が終われば明治神宮大会が待っている。これまた楽しみである。
この秋の東京六大学のリーグ戦もまめに観戦している。時期的にドラフト候補生たちが最後のシーズンに気合を入れているから試合自体も面白い。春の甲子園より夏の甲子園のほうが盛り上がるのと同じで「引退」がかかっているからそのあたりのドラマも楽しめる。
大学野球の生観戦は学生応援席の盛り上がりを眺めることも楽しみの一つだ。ムサ苦しい学ラン姿の応援団の必死な感じ、それを横目に華やかに跳ね回るチアリーダー、吹奏楽部のはっちゃけた演奏ぶりは見応えがある。
年寄りくさい書き方になるが、あの応援席を眺めているだけで若いエネルギーを分けてもらっているような気持ちにさえなる。ほぼワンサイドで負ける東大だって応援席の面々は最後まで必死に頑張っている。
必死に勉強して東大にまで入って野球の応援に青春を賭けている若者ってなかなかのものだろう。チアリーダーや学ラン姿の硬派っぽい応援団員も案外大勢いるし、賢そうな顔付きの吹奏楽部の面々も弾けながら頑張っている。
絶対に勝てない試合展開でも声を枯らして応援する姿はかなり感動モノである。判官贔屓で東大のユニフォームを着て東大の応援タオルを振って一緒に応援したい気持ちになるが、さすがにそれは我慢している。
万一、近隣の席の人に「東大の何年卒ですか?」とか聞かれたら恥ずかしい以外の何モノでもない。「東大に憧れているヘンテコなオッサン」と思われたらシャクだ。
あくまで常に劣勢のチームを応援したいだけの気持ちなのだが、東大という看板が看板だけに大っぴらに応援できないのが残念だ。隠れキリシタンみたいなものかもしれない。
東大に限らず各大学の応援席ではそれぞれの校歌や応援歌がいろんなパターンで使われ実に賑やかだ。チアリーダーはアクロバチックな動きまで披露してくれるし、時代遅れ丸出しの学ランの男たちも必死に腕を振っている。
この歳になるとチアリーダーたちの躍動する姿が素直に清々しく格好良いものに見える。エロ盗撮するようなオタクみたいな心理ではなく、ハツラツとした若さが眩しく見えて一緒になって手拍子したくなる。
失礼な言い方になるが、ちょっと遠目に見ていると学生さんの顔立ちまでは分からないから皆さん可愛く見える。実際に熱中して頑張っている表情はきっと輝いているのだろう。
先日は、秋の優勝がかかった早稲田対明治の試合を観に行った。いつもより大勢の観客が詰めかけていた。確実に昭和のパ・リーグのプロ野球よりも混雑していた。
試合はどちらも譲らず延長線に突入。照明も点灯してナイター状態に。それにしても延長線の攻防が両校気合十分で見応えがあった。結果は4時間半もかかったのに引き分け。
14時頃にプレーボール。気持ち良い快晴の下での試合だったのだが、気づけば夕方から夜になり風が冷たくなって観ている側はやたらと寒いし肩は凝るしかなり疲れた。でも非常に楽しい時間だった。
明日はドラフト会議だ。今年私がナマ観戦した甲子園や大学野球で活躍した何人もの選手が上位指名候補に名を連ねている。プロに行って活躍できる保証は無い。でもその中から未来の侍JAPANメンバーが生まれるかもしれない。
アマチュア時代から観ていた選手が未来のWBCで活躍してくれたら…。そんなことを想像するだけで大いに興奮する。そんな観点から学生野球を観戦するのも面白いと思う。
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