学生時代から始めたダイビングのおかげで。世界中の海を覗いてきた。いま思えばエジプトやカリブ・中米方面などにも行ったのに、大半の時間を水中探索に費やしていたことが悔やまれる。陸上の記憶が少ないのが残念。
10年以上前、世界の航空会社が次々に全面禁煙にしていくなかで、最後まで喫煙OKだったのが、アジア路線。そのせいで、東南アジア方面に出かけることが多くなり、なかでもバリ島には、妙に惹かれて、数え切れないくらい出かけた。
「アジアンリゾート」という表現がすっかり定着したように、バリでもリゾートの快適指数は高い。以前、このブログでもアマンダリとアマンキラのことを書いたが、それ以外のリゾートホテルをいくつか紹介したい。
「トゥグ・バリ」。ここはバリ島の西側、夕日で有名なタナロット寺院に近いチャングービーチというエリア。インドネシアのアンティーク好きな富豪が作ったブティックホテル。アチコチにインドネシア周辺の骨董品が並べられ、ガイドブックでは、美術館などという形容詞が使われているが、実際に泊まってみると、おばけ屋敷チックな印象が強い。ホテル内に決まったレストランは無い代わりに、ホテル中のどこにいても本格的な食事を提供してくれる。客室以外のスペースがどこも絵になる作りなので、こうした試みは面白い。アフタヌーンティーのサービスも、豊富な種類の紅茶が用意され、お菓子も毎日さまざまなものがバイキング形式で並び、結構優雅な気分になる。でも霊感が強い人ならきっと敬遠しそうなホテルだ。
「SACRED MOUNTAIN SANCTUARY RESORT」。ここは異色。島の中央部山岳地帯にある不気味なリゾート。プライベートプール付きの2階建て一戸建てコテージが1泊150ドルぐらいだったので、ダイビングの移動の際に試しに泊まった。
コテージは高床式住居風、屋根と壁の間は構造上すき間が空いており、竹で組まれた床も、ところどころ地面が覗いている。エアコンは無い。夜はやることがないので天蓋付きのベッドの蚊帳の中で、本を読んで過ごした。気付いたら蚊帳の外側は読書灯を目指してきた虫で一面おおわれている。蛾やカナブン、カミキリ系の見知った顔ぶれ以外に、日本の図鑑には載ってなさそうな得体の知れない虫が変な羽音を立てながら「蚊帳の中に入れろ」とばかりにうごめいている。一晩中、ベッドから出られなかったことは言うまでもない。
明け方、寒くて目が覚めた。虫はだいぶ減っていたが、枕やベッドがぐっしょり濡れている。原因は朝露。川のそばの森にほとんど野ざらしでいるわけだから、朝露攻撃も半端ではない。二度寝は出来ずに薄ぼんやりとした明け方の森を眺めていたら、神秘的な光景に出会った。一本の大木から真っ白な鷺のような鳥が次々と飛び立っていく。活動開始の時間なのだろうが、一斉に飛び立つのではなく、一羽ずつ規則正しく同じ方向に飛んでいく。3~4分ぐらい続いただろうか、すべてが飛び立った後は、すっかり朝日が昇っていた。
大きめで快適なメインプールにも人はいないので昼間の時間帯は、虫や朝露のことも忘れてくつろげる。ただ。想像以上に標高が高く、物凄く早く日焼けしてしまって困った記憶がある。
チェックアウトの際、ホテルのマネージャーに客層を尋ねてみた。ヨーロッパからのヨガ愛好家が中心だという。それもいわゆるスピリチュアル系らしい。話の種としては画期的なホテルだった。
お次は「バリハイアット」。国策としてリゾートエリア開発が行われたヌサドゥア地区にグランドハイアットが存在する関係で、サヌール地区にある老舗「バリハイアット」は、日本人観光客に見逃されている。
バリの大型リゾートは施設内の樹木や花の彩りが素晴らしいが、バリハイアットのそれは、長い年月がもたらした熟成という点で、他のリゾートよりも格段に勝っている。
旅行ガイドなどは、新規オープンのリゾートこそ最高といったノリで取り上げるが、熟成こそがホテルの質を決めると思っている私にとって、「古くても随時リノベートされている老舗」は非常に魅力的。バリハイアットはまさしくそんな感じ。ホテルスタッフもベテランのオジサンが多く、イケメンビーチボーイ風のウェイターとかは皆無。私にとってここは「バリの中の熱海・大観荘」である。
通常の客室は、古いだけに専有面積が狭い。スイートを選べば最先端リゾートのそれより遙かに安いので、バリのリピーターにはとくにオススメ。
そして、「リッツカールトン・バリ」。南部エリアを代表する大型高級リゾート。日本人が大好きなホテルであり、間違いのない快適さ。リゾート内のどこにいても高級感があって絵になる。ホテル内物価は高いが飲食店のレベルは高い。総合力ではトップクラスだろう。今回つけた写真はリッツカールトンバリのメインプール。
長くなったので次回に続編を書くことにする。
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