東京出身。富豪になりたい中年男。幼稚園から高校まで私立一貫校に通い、大学卒業後、財務系マスコミ事業に従事。霞ヶ関担当記者、編集局長等を経て現在は副社長。適度に偏屈。スタイリッシュより地味で上質を求め、流行より伝統に心が動く。アマノジャクこそ美徳が信条。趣味は酒器集め、水中写真撮影、ひとり旅、葉巻、オヤジバンドではボーカル担当。ブログ更新は祭日以外の月曜、水曜、金曜。 ★★★スマホでご覧頂いている場合には画面下の「ウェブバージョンを表示」をクリックしてウェブ画面に飛ぶと下側右にカテゴリー別の過去掲載記事が表示されますので、そちらもご利用ください。
2008年3月12日水曜日
セリーヌ・ディオン
セリーヌ・ディオンを聴きに東京ドームに行ってきた。想像以上のショーに圧倒された。
たいていのものを、つい斜に構えて論評したくなる悪い癖がある私だが、この日のライブはただただ感心。降参。白旗。
少なくとも、私の知り合いの誰よりも歌がうまい(当たり前だ)。あそこまで歌がうまい人は、希少価値という意味で世界的な保護対象にすべきだと感じたほど。
ショーアップされたステージで結構激しく動き回りながらでも、声の乱れは一切なし。あの歌声は楽器以上であり、機械以上の精度と表現していいかも。
声量、声の伸び、表現力すべてが完璧。おまけに「いっぱいいっぱい」ではなく、声の出し方に充分な余裕、余力すら感じられるのに圧倒的なパワーで聴衆を魅了する。
日本向けの企画として若い女性歌手とのデュエット曲を発表している関係で、その曲の時だけ伊藤由奈という歌手がゲストで登場。ちょっと気の毒な気がした。
この伊藤さん、一般的には上手だと思うが相手が格上すぎ。私には横綱相手にわんぱく相撲の少年が闘っている感じに見えてしまった。日本ツアーでの見せ場なのだろうが、この部分だけ違和感。
昨年まで5年近くにわたって、ラスベガス・シーザーズパレスと専属契約を結び、ライブコンサートいうより、エンターティナーショーを展開してきたセリーヌ・ディオン。今回のツアーもショー的要素が多く、見る者を飽きさせない。
ラスベガスのショーは、年間30億円とかの専属契約で話題を呼び、専用のスタジアムまで建設された。結局、合計300万枚のチケットを売り切ったほどの盛況。契約金が安かったという評判まで出るほどビックビジネスとして成功した。
この伝説的なショー、昨年発売された2枚組DVDにその全貌が収録されている。今回の来日コンサート、いまさら行けない人にも、このDVDはオススメ。
ラスベガスでのショーの内容をそのまま収録しただけでなく、舞台裏のドキュメントが非常に面白い。本場のショービジネスの迫力と熱気が垣間見える。
100人近くいるであろうダンサーやパントマイムのスタッフ、そのほかにミュージシャンや大道具、小道具、衣装係、メイク係、誘導担当などにいたるまで想像以上の人数が舞台裏でそれぞれの仕事を緊張感と高揚感の中でこなしている。そこにカメラが密着。セリーヌ・ディオンの動きと共に慌ただしく展開する各セクションを追っかける。
持ち場、持ち場でその道のプロがひとつの目的に向かってキッチリ働いてる姿は無条件に美しい。まさに職場の鏡だ。
それぞれのプロ意識が高い次元で融合して最高レベルの仕事が組立てられていく過程は、そこらへんのドキュメント映画を見るよりも面白く、また数々の示唆に富んでいる。
このドキュメントDVDは、ある日の1日を時系列に追うのだが、それこそセリーヌ・ディオンが自宅を出発して帰宅するまで密着しているため、豪邸なんかもチラチラ見られて楽しい。
ショーに出発するクルマは、当然のようにマイバッハ。前後をリムジンクラスで固められて格好いい。車中では、声帯をしめらす人工呼吸器のようなマスクを装着するなどプロの苦労も垣間見える。ほぼ全裸みたいな衣装早着替えの現場なんかも収録されており、そこまで撮影をさせるプロ根性にもビックリ。
東京ドームに話を戻そう。根っからのファンではない私が魅了されたのだから、コアなファンには堪らない内容だった様子。
しっとり、かつ後半に爆発的に盛り上がっていく独特のセリーヌ節が炸裂するバラードの間は、ハンカチで涙をぬぐっている女性陣がやたらと目に付いたのが印象的だった。
ひとことで表現するなら、まさに圧倒的という言葉しか見あたらなかった。
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