2008年3月14日金曜日

酒場との付き合い方


知り合いに北新地の達人がいる。大阪で夜遊びした際、その移動の早さにビックリした。

次から次にお店を変える。本人曰く、大阪ではそうすることが珍しくないとか。店によっては、ものの10分程度で、「はい、次いこか!」。

一晩で大げさでなく10件くらい行った記憶がある。一緒にいた某代議士センセイは、ある店のママさんからサイン色紙を頼まれ、丁寧に名前以外に書だか詩を書き込んでいたら、一度も顔を上げずにお店を後にしたとボヤクほど。

ちょっとしたお土産を持たせてくれるお店が多かったが、北新地の達人である知人は、それを見越して、もらったお土産を持ち運ばせる係まで待機させて飲み歩く。

夜も更けた頃、女性のいない静かな店に一同で落ち着いた。すると、その晩行ったいくつものお店から、アフターの女性が次々に駆け付ける。それぞれ違うお店の女性陣だが、勝手知ったる仲のようで、知人の歌うカラオケにあわせて全員が共通の踊りと合いの手を披露。衝撃的な体験だった。

夜遊び、クラブ活動といっても、彼の豪快さに比べ、私の動きは、まさに、しんみりまったり。とてもマネできない。

大体、私の場合、夕食をとって酒場に繰り出しても、2件も行けば眠くなってしまう。チョットだらしない。

いわゆる同伴にも積極的ではないし、担当さんがいなくなれば、店客のまま微妙なポジションをキープしようとするし、あまり上等な客ではない。

それならなぜ行くのかと突っ込まれそうだが、あの濃厚な気配に身を置くことが妙に好きなんだと思う。

先日、銀座の「M」でちょっと面白い時間を過ごした。たまたまお客さんが一斉に集中したようで、普段なら混雑時でも使用されない飾りのようなカウンターにもお客さんが座っている。

店の出入り口付近にある小さなソファに座らされた。このソファ、どう考えても装飾用。苦笑。でもここがある意味特等席。まさに出入口に座っているため、一気に引きはじめたお客さんの様子があからさまに見える。

酒場をあとにする男の姿って完全に2種類に別れる。まっとうな店なら、スマートに颯爽と帰って行く男が多い。この「M」なんかは颯爽系が多いが、なかにはトホホな男も結構いる。

意味不明なダジャレをガハハハ叫んでいる男、つまらない文句ブチブチ言っている男、甘えん坊将軍になってダラダラとホステスさんの手を握り続ける男・・・。

店の帰り際ってこんなに差が出るものかと、我が身を思い返しながらとても勉強になった。

シラフの黒服さんや女性陣にアノ姿を見られているのかと思うとコワイコワイ。

やっぱり、飲み終えて長い1日が「一丁上がり」になる瞬間、男の鎧兜は脱げちゃうのだろう。気をつけたい。

酒場との付き合い方を書いていたつもりが脱線した。まあいいか。

特選画像に免じてご容赦!

2 件のコメント:

  1. やっぱり、飲み終えて長い1日が「一丁上がり」になる瞬間、男の鎧兜は脱げちゃうのだろう。気をつけたい。

    心に染みるそして凍みる一文でした。

    鎧兜を脱いじゃったとき、貧相な禿オヤジになっていない自分であろうと、その為にもいい仕事をしていようと・・・そんな気持ちになりました。

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  2. その昔、銀座の某老舗のママ(テレビに登場していたちょっとした有名人)がVIPらしいオヤジを見送りに出ていたのに遭遇。それはそれはかわいい笑顔としなで黒塗りが角を曲がるのを見送り、こちらに振り返った時、隣にいた若いホステスに何か呟き、怖い目をして舌打ちをした。どうも気に喰わない客だったらしい。
    銀座って面白い。

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