2008年6月10日火曜日

玄海の水炊き

久しぶりに新宿にある水炊き専門店「玄海」に行った。ここの水炊きが物凄く好きで、一時期は割と頻繁に足を運んだが、わざわざ新宿に行くのがおっくうで大分ご無沙汰だ。

ここの水炊きの特徴はなんといっても「野菜がないこと」。これは大きい。子どものような私にとって野菜は天敵。

「野菜はお嫌いですか」とか聞かれると条件反射で「宗教上の理由で食べられない」と応えてしまうほどなので、玄海の水炊きはパーフェクトだ。

運ばれてくる鍋には、白濁したスープと鶏のぶつ切りだけ。このシンプルさが堪らない。野菜なんか入れてスープを薄めてしまう必要はないと確信する。

料亭風の造り、全室個室というやや大げさな構えのため、コース料理を注文するしかこの店の水炊きは食べられない。

コースも4段階ぐらいに分かれているが、いつも一番安いコースを頼んで、水炊きのスープと鶏肉をおかわりするのが私の決まったパターンだ。

この日もそうした。相変わらず前菜は大して美味しくない。こんなものでお腹をふくらませてなるものかとばかりに水炊き登場を待つ。

早めに持ってきてもらった水炊き。肉を食す前にまずはスープだ。旨味成分たっぷりの白濁スープは薬味のネギと漉したニンニクを少し混ぜて味わうと口の中が極楽状態になる。端的に言って「滋味」。身体の中が綺麗になって長生きしそうな感じがする。

正しい素材を長時間煮込んで完成するスープは、さすがに家庭で出せる味ではない。汁モノだが、不思議とこれが酒の友としても楽しめる。スープをズルズル飲んで、アルコールもぐびぐびと進む。

さほどツンツンしていない特性ポン酢ダレで食べる鶏肉も素直に「滋味」にあふれて、いくらでも食べられる。小骨もあって難儀することもあるが、豪快なぶつ切りを堪能するわけだから、それも一興だ。豪快に骨のすき間までしゃぶってこそ美味しい。

サイドオーダーでいつも注文するのが「ロース焼」。美味しい鶏を単純に焼いただけの料理だが、鶏好きの私にとっては欠かせない一品。塩加減も程よく、少しバターの風味もあって、これまたいくらでも食べられる。正しい鶏の味がする。

不満な点も書いておこう。鍋の最後のお楽しみである雑炊が問題。突っつき終わった鍋で即興で作ったものをがっつり食べたいが、この店ではそうはいかない。別に厨房で作ってくるのでなんか損した気がする。だからほとんど頼んだことはない。いつもスープを大量にのみ、肉をワシワシ食べて、ロース焼に延々とかぶりついて終わりにしている。

炭水化物を抜いたからきっと痩せるはずと思いこんで店を後にするのだが、いつも身体が重くなるほど食べてしまっている。

私は元々、肉に苦手なものはないが、あえて好きな順に並べると鶏肉、豚肉、牛肉という順序になる。同様な好みの人だったらこの店の水炊きはきっと気に入ると思う。

2 件のコメント:

  1. 鶏の四十八手…という程に、ロース焼き、野菜を抜いた純粋なる白濁したスープが美味しさを物語っていますね。
    一旦厨房に戻されて出されるお雑炊…私もあまり惹かれません。

    富豪記者さんのブログ、本当にいつも興味深く読ませて頂いている大ファンです。

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  2. 興味を持っていただき有難うございます。今後もあーでもないこーでもないと雑感をつづって生きたいと思います。ハゲ、いや、励みになります!

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