また水炊きが食べたくなった。今月10日にこのブログでも書いた新宿「玄海」とは別の店に行こうと、銀座にある「華味鳥」を訪ねた。
福岡に本店があるこのお店、本場の水炊きを堪能させてくれると評判なので期待して出かけた。お店は博品館ビルの上階。気軽な店構え。重厚感はないが、安っぽいほどでもない。
コース料理を注文した。付きだしと一緒に出された「酢モツ」がおいしい。臭みのないサッパリしたモツを淡い味わいの酢の物にアレンジしている。酒飲みには嬉しい一品。
適当な前菜が続いた後、特製の明太子がそのまま登場。味は強すぎず、辛すぎないのにしっかりパンチが効いた上等な明太子だった。明太子を何かにあえたり、中途半端な創作料理のようにするなら、一品としてそのまま出す方が正しいと思う。アルコールが進む。
その後、もも肉の炙り焼きが登場。熱した状態の石皿に乗って出されるため、音も心地よい。健康的に締まった肉質が鳥好きの私には堪らない。実にジューシー。
そして水炊き登場。早速スープを味わう。これについては、新宿「玄海」の方が断然私には美味しく感じた。こちらのお店は、玄海の真っ白スープとは異なり、半濁というのか、多少透明感が残っている。
豚骨ラーメンスープと塩ラーメンスープとの違いのような感じ。もちろん、味はしっかりしており、コラーゲンのヌメッとした感覚もある。まあ好みの問題だろう。
ぶつ切り肉を食べてみる。鍋でぐつぐつされていた割には、締まった肉質がキープされていて、スープが染みている分、旨味が広がる。新宿「玄海」の煮込まれてほろほろほぐれる肉とは大分感じが違う。ぶつ切り肉は、こちらの店の方が私の好みだ。
テーブル横で店の人が器用に丸めて鍋に放り込んでくれるつくねもそれなりに美味しかった。ぶつ切り肉に比べると軽い味とい
うか単調な味で感動するほどではない。
その後、レバやハツが鍋に加えられる。鮮度の良い素材だけに、クセはないが、個人的には、この手の内臓系は鍋の具材にするより焼いて食べた方が美味しいと思う。
お店特製のポン酢は、実に優しい味わいで気に入ったが、鍋で煮た内臓を食べるには役不足に感じた。
結局、ぶつ切り肉の美味しさは印象に残ったが、その他は普通。ちょっとインパクトが足りない。鳥がとくに好きではない人なら魅力に乏しいかも。
ちなみに鍋には、当然のような顔をして野菜が用意される。私は当然のように一切れも入れなかったが、スープが薄まらないように白菜ではなくキャベツを使うのが特徴だそうだ。
そんな配慮をするのなら初めから野菜抜きにしちゃえばいいのにと思った。
新宿「玄海」のファンである私は、あの店の鍋に一切野菜を入れる発想がないところが気に入っている。この「華味鳥」もそうだが、同じく銀座にある水炊きの老舗・「新三浦」もどうして野菜を入れたがるのか、私には不思議だ。
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