しょっちゅう北海道まで飛んでいって寿司屋めぐりをしている。北海道に限らず、国内各地、とくに海側への旅だと、いつもいそいそと地元の寿司屋を覗きたくなる。
寿司マニアというほど極端なこだわりがあるわけではないが、やはり私が好きな食べ物のナンバー1は寿司だ。
そんな私が、旅先でいつも痛感するのが「寿司は東京が一番」ということ。
うまい寿司を食べながらそんなことを実感すると旅に出た楽しみが半減するので、なるべく、旅先では、この“絶対的な真理”を忘れるようにしている。
土地土地で地元ならではの美味いものや珍味にありつけるから、やはり「旅寿司」の楽しさは捨てがたい。とはいえ、単純軽快に「美味いかどうか」を基準に考えると東京に軍配が上がる。
日本中の美味いものが、高く買い取ってもらえる東京に集まるのだから、値段をあまり考えずに評価するのなら、どうしたって東京の寿司が一番だ。
先日、この“真理”を今更ながら突きつけられた。高田馬場の鮨源本店にぷらっと出かけたら、美味しいものオンパレード。
丁度この日は、夏バテで疲れ気味だったこともあり、会社や家にほど近い高田馬場を止まり木に選んだ。そんな安直な気分で出かけたのに、「うまいうまい」を連発し、官能の炎に全身が包まれた(かなり大げさだ・・・)。
刺身やつまみ類もうまかったが、この日は握りが特別にバッチグーだった。
まずは新イカ。スミイカの赤ちゃんだ。夏の風物詩。シコシコした食感のスミイカも赤ちゃんだと、ポワーンと柔らかい罪作りな食感。身のほうを握ってもらった後にゲソのほうも握ってもらった。
ゲソなのにゴワついた感じはまったくなく、あくまで優しくなめらかな食感。マシュマロのような、と表現すると寿司の例えとしては気持ち悪いが、そんなふんわりとした感じ。
つづいての写真は、小イワシの握り。脂ののったイワシは、グジャっとした印象を受けることが多く、あまり好きなほうではないが、この小イワシは、身が締まっていて、旨味が凝縮しており、脂ののりも適度で実にバランスがよい味わい。
次は見た目そのまま。生ウニ。ミョウバンのかかってない、純生ウニ。ミルキー!最上級のウニは東京こその味わいなのかもしれない。20個でも30個でも食べられそうなウニだ。先日の私の函館旅行が色あせてしまうようで少し悲しいが、今年一番美味いウニだったのでしょうがない。
つづいて、さばく前の魚をパチリと撮影させてもらったこの魚。先日の函館旅行でも焼き魚として堪能したししゃも。ししゃもを生で握ってもらって食べた経験はない。私にとって初物だ。喜び勇んで握ってもらう。
青魚系の味を想像して口に放り込んでみたら、想像とは違う味。よりまろやかで甘みが強い。何かに似ているようにも思ったが、思い出せない。強引に例えるなら、上質なヒラメのエンガワが持つ甘みと上質な生サンマの食感をミックスしたような感じだろうか。よく分からない例えでスイマセン。
その他にもアレコレ食べたが、次の写真はシンコ。コハダのベイビーだ。だいぶ大きくなってきて、この日はいわゆる2枚づけ。こちらもなめらかな絹のような食感(絹を食べたことはないが、そんな感じ)。素直に美味。
「寿司は東京に限る」。旅先で寿司を食べるのが何より好きな私だが、結局これが真実であろう。でも、旅に行く際には、束の間でもこの真理を忘れて、土地土地の味覚を存分に喜びたい。
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