2008年10月28日火曜日

不況と疎外感


先日、銀座で呑んでいて不思議な感覚を味わった。暑くもなく、寒くもない秋のまっさかり。多少空模様が良くなかったものの、大荒れというほどでもない。おまけに週の後半だったのに、妙に人が少ない。

並木通りや新橋寄りの路地路地は、賑やかにザワついていてこそ高揚感があるのだが、通りを歩いている人が少ないし、覗いてみた店もどこも普段より確実に空いている。

世界的な大不況が話題になって久しい。実際、この冬以降、様々な分野でかつてない事態に陥る可能性は強いだろう。

こういう暗い世相はまっさきに夜の世界に影響する。景気動向を端的に示すネオン街から活気が消えはじめている。

私が知っている範囲の狭い世界の話ではあるが、アチコチの繁盛店の繁盛ぶりも、確実に今年の春頃とこの秋では変化の兆しが見える。

冒頭で書いた「不思議な感覚」は、人の少ない銀座の街を歩いていた時にふいに訪れた。

「何やってるんだろう。バカみたいだ」。平たくいえばそんな感覚。普段から、まさにその通りなんだが、ご同類が大勢街に溢れていると、不思議とそういう感覚にはならない。ところが、人気が少ない街にたたずんでいると変な疎外感みたいな気分が強まる。

学生時代に、出勤するサラリーマンを横目に歌舞伎町あたりでヘベレケになってカラスにからかわれていた時の感覚に似ている。

変な疎外感は、当然、その元になった行動への自己反省につながる。

「こんなご時勢に夜ごと飲み歩いていられたら、それはそれでステータスみたいなもんだ」。ある人にそう言われた。なるほど、それも一理あるのだろう。

ただ、たとえ、余裕が人よりあったとしても、人様がおとなしくしているときに相も変わらずの行動をとっていることは、結構格好悪いことのように思えてきた(だいたい最近はビンボーなのに、なんでおとなしくし赤ちょうちんに行かないのだろう・・・)。

人に流されたくない、あくまでアマノジャクを良しとするのが私の基本姿勢だが、不思議と今回感じた感覚は、世間様の動きが妙に気になってのこと。

なんだか、おとなしくしはじめた世間様に置いてけぼりにされたくないような変な感覚だ。これも加齢が原因なのだろうか。それとも本能的にこれから起きるであろう、いろんなヤバさに警戒感を抱いているのであろうか?

思えば、私が感じたこういう心理が世の中の不況風を一層強くするのだと思う。好調な人はもちろん、せっぱ詰まっていない人まで、とにかくおとなしくジッとしていたくなる雰囲気。今の世の中にこの雰囲気が急激に広まっている。

儲かっている会社や人にしても、様子見、動かず、あたりが最近の風潮だ。この悪循環が急激に日本中を支配しているから、これから始まる不況は、相当深刻だと思う。

と、かなり暗いテーマに終始してしまった。ビンボー路線に切り替えてしまったら、「富豪記者ブログ」失格だ。

そこそこ元気を出して、相も変わらない雑文を続けていこうと思う。

でも、最近、確実にこのブログには掲載しない“非富豪的”な店や場所に出没する機会が増えてきた。

もっと頑張らないといけない。。。

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