2008年10月30日木曜日

高額納税者の怒り

世界恐慌うんぬんの影響で総選挙は延期される公算が強まり、いま政界の焦点は減税問題。

減税といえるシロモノではない給付金方式が採用される見込みが強まってきた。

減税と呼べないシロモノと表現した理由は、給付金方式が選ばれそうな理由のひとつに「税金を納めていない人には減税だと効果が及ばないから」ということ。

分かりやすく言えば次のような理屈だ。



政権さん・・「減税してあげます」。

プータロー・・「でも、僕は税金なんか払ってませんから、何を減らしてくれるんですか」。

政権さん・・「税金を減らしたり、戻してあげたかったのに、そもそも納税してないのですか・・・」

プータロー・・「そうです。減税なんてちっとも僕には意味がないのです」

政権さん・・「じゃあ、面倒だからお金あげちゃいます。次の選挙はヨロシクね!」

まあこんな話だろう。

景気対策のため、何でもやる心がけは結構だが、問題は、今回の減税構想に相も変わらず高所得者差別が盛り込まれそうな点だ。

税金すら払っていない階層にまで、減税用の財源から給付金を拠出して、一定収入以上の高所得者は減税の対象外にするのであれば、こんな馬鹿げた話はない。

無収入のお年寄りなど一般的な社会的弱者であれば事情は違うが、近頃の所得税すら納めていない階層には、確信犯的無税主義者も少なくない。

週刊誌なども最近やたらと「無税族」なる言葉とともに様々な手法を紹介している。いわゆるサラリーマン法人を作った形にして経費をバンバン計上して所得を圧縮するとか、妻の趣味を副業として申告させてアレヤコレヤ操作して結果的に夫の税金を圧縮するとか・・。

合法であれば、とりたてて騒ぐ話ではないが、いずれにせよ「無税者」すべてが弱者だと思っていたら大間違いだ。

「無税者」にも減税の効果を与えるため、給付金をくれてやって、必死に高額納税している人間を放ったらかしにするようなら、モラルも秩序もあったものではない。

景気対策というからには、低所得者層に恩典を厚くしたって、消費を刺激しないことは誰にでも分かる話。高額納税者などの高所得者層にお金を使わせる発想が出てこないところが情けない。官僚支配国家の根本的な弊害だ。これに選挙を控えた政権与党の低級なポピュリズムが加わってトンチンカンな話になる。

高額納税者をないがしろにする国の姿勢が続いたら、前述のチンケな無税族どころか、国を支える貴重な法人、個人が当たり前の行動として国を捨てる。すでに人材などの海外流出問題が指摘されて久しい。そりゃそうだと言いたくなる。

高所得者層、高額納税者層のなかにくすぶる不満はいつ限界に達するのだろうか。

落語家の小朝師匠の元嫁みたいに狂ったように吠えまくる人が出てくるのも時間の問題だ。

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