2008年11月4日火曜日

ラーメンだとか蕎麦だとか

いつの頃からか、本格的な日本蕎麦専門店がやたらと増えてきたような気がする。

街場の出前中心の蕎麦屋があまりにいい加減なそばを出すせいなのか、地粉、手打ちといった言葉をうたい文句にする店が増えた。

そば好き脱サラ組が始めたような小さな店も増殖中。いい加減だった蕎麦屋が、息子に本格的な修行をさせて変身するケースも多いと聞く。

私はラーメンのウンチクを語る人が苦手なのだが、最近のそば好き達にも、どうもラーメン党と同じような気配を感じる。

「ラーメン命」みたいにアチコチのラーメン屋を食べ歩き、麺がどうなの、スープはナントカ系がどうしたあーしたと真剣に語っている人は結構多い。

若者ならいざ知らず、そこそこの中年にまでそういう類の人がいる。聞いていて、なんかコソバユイ変な気持ちがする。

「要はラーメンだろ?」。
そう切り返したくなる。私にとってラーメンは「たかが」であって、「されど」だとは思わない。普通にウマイかマズイか、麺がのびていないかどうかぐらいがポイントだ。

ラーメンマニアの人、スイマセンです。

先日、普段は行列している池袋の某ラーメン店に入ってみた。列に並ぶことが嫌いな私だが、その時は変な時間だったので、並ばずにさっと座れた。

全然美味しくない。ただギトギト。ひとことで味を表現すると「変な味」。いまどきのラーメンのハヤリは分からないが、わからなくてもいいやと思う。

さて、話がそれた。日本蕎麦だ。こちらも蕎麦好きが、ウンチクを語りやすい世界だが、まだラーメンよりは、ジャンル自体が狭いというか確立されている。

変わりそばは別として、基本のそばについては、色、香り、つゆのどれをとっても一定の土俵で勝負している世界なので、適度なウンチクなら聞いていても素直に頷ける。

それでも、極端に「そば命」みたいに深~い話をとうとうと語られると「要は蕎麦だろ?」と切り返したくなる。

そばマニアの人、スイマセンです。

先日、杉並区某所の「みわ」という本格的蕎麦屋に行った。その道の本などにも良く取り上げられている。

昼時を少しずらした午後の早い時間だったが、待っている人もいる。へんぴな場所なのに人気があるのだからと、かなり期待して「手挽きせいろ」を注文。

見た目もいいし、量的にもまとも。近頃ハヤリの人を小馬鹿にしたような量しか盛りつけない店より好感が持てる。

お味は期待しすぎたせいもあって、「ふむふむ」程度。一般的には充分美味しいのだろうが、いまひとつ香りに欠ける。でも近所にあれば頻繁に行きたい店だ。

杉並区には古くからの有名店「本むら庵」があるが、個人的には「みわ」の蕎麦の方が気に入りそうな気がした。

増殖中の日本蕎麦専門店にひんぱんに行くわけではないが、ここ2,3年で印象的だった店はいくつかある。

千代田区・九段下の「一茶庵」。中野区の「じゆうさん」あたりだろうか。そのほかにもちょこちょこ行ったが、評判ほどには印象に残らなかった。

3年前に島根に行った際に立ち寄った出雲そばの専門店がここ数年では最も美味しかった記憶がある。残念ながら店の名前は忘れてしまった。

そういえば、もう10年近く前、当時交流のあった食通おじさん達と一緒に山梨まで名店「翁」のそばを食べに行った。

先代の御主人が広島に移転してしまう前のことで、酒を呑まない運転手さんも用意して、ワンボックスを仕立てて日帰り蕎麦の旅。

周辺の空気の美味しさが印象的だった。冷酒を片手に、しゃもじに乗せられた焼味噌を堪能。そのあと抜群に香り高い蕎麦を堪能した。いい思い出だ。

なんだか、蕎麦ウンチク野郎みたいになってきたのでこの辺で。。。

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