東京出身。富豪になりたい中年男。幼稚園から高校まで私立一貫校に通い、大学卒業後、財務系マスコミ事業に従事。霞ヶ関担当記者、編集局長等を経て現在は副社長。適度に偏屈。スタイリッシュより地味で上質を求め、流行より伝統に心が動く。アマノジャクこそ美徳が信条。趣味は酒器集め、水中写真撮影、ひとり旅、葉巻、オヤジバンドではボーカル担当。ブログ更新は祭日以外の月曜、水曜、金曜。 ★★★スマホでご覧頂いている場合には画面下の「ウェブバージョンを表示」をクリックしてウェブ画面に飛ぶと下側右にカテゴリー別の過去掲載記事が表示されますので、そちらもご利用ください。
2008年12月15日月曜日
懲りずに寿司
今日もまたお寿司屋さんの話。といっても、珍味ばかり食べた日の話。場所は銀座にある「鮨・九谷」。九谷焼と同じ名称ゆえに北陸方面の魚を食べさせる店に思えるが、レアな北海道モノをウリにするお店だ。
以前、イバラガニの内子を出されて大感激したことがある。タラバの内子なら、都内でもたまに出会えるが、オレンジ色の憎いヤツ・イバラの内子は、北海道を旅していても頻繁に遭遇しない。
この日もイバラの内子に期待通りに再会。幸せだ。珍味の日と決めていたので、生ビールのあとは燗酒に切り替える。
サバをつまみに幸せな時間がゆっくり進む。お通しにもタコの卵だろうか、魚卵の塊が用意されている。そしてカワハギへ。醤油皿に投入されたキモが少なかったので、さっそく増量要求。キモ大盛りで味わうカワハギはネットリ爽やかな味わい。
カラスミがやってきた。素直に美味しい。
ボラになれなかったタマゴの冥福を祈る。一粒も落とさずに食べてやることが供養だと思って堪能する。
スジコの粕漬けなるものがやってきた。なんでも八海山の酒粕を入手した店の大将が上質のスジコを漬けてみたものだという。
見るからに旨そうだ。見た目も麗しく、私にとっては宝石に見える。ペンダントヘッドにして首からぶら下げていたい感じだ。
口に含むと、粕漬け特有の香りが一瞬広がり、その間隙を縫ってスジコが弾けてジュンワリと混ざり合う。抜群です。これは旨い。ひと手間加えられたスジコは、立派に“料理”として通用する味わいだった。
毛ガニをつまみで頼む。この店では、カニミソもしっかりトッピングしてくれる。カニ自体の質が良いせいで、ミソの風味も実にしっかり。
お通しに出てきたナゾの魚卵にはじまり、タマゴになる前のカニの内子、カラスミにスジコなど、考えてみればお気の毒だ。それぞれ、せっかく生まれようとしていたのに、生まれる前の段階で私の胃袋に摂取される。
タマゴひとつひとつが成魚になっていた可能性があるわけで、それを考えると恐縮してしまう。せめてムシャムシャ食べてあげようと決意してムシャムシャ食べる。
ショウガ醤油ではなく山ワサビ醤油でイカ刺しが食べられるのも北海道系のお寿司屋さんの特徴だ。日本的な辛味がイカの甘さと絶妙に合う。
ここまでで1時間ぐらい経っただろうか。店の大将は、寿司屋なのにまだワサビを使ってもらっていないとボヤく。確かに刺身でもらったサバはショウガ醤油、カワハギはキモ醤油、イカは山ワサビ。あとは塩っ辛い系の珍味ばかり。
熱めに燗をつけてもらったお酒が、素晴らしい肴を並べたことでいつもより美味しく感じる。
そろそろ握りをもらおうかという頃合いになって、大将が再び、そそられる珍味を見せてくれた。アワビのキモの塩漬け。アワビのキモを3週間ほど寝かした“作品”だとのこと。ためらわずに戴くことにする。
クセというか独特の風味が、燗酒とマッチする。初体験の味だ。「初めて食べるもの」が年齢とともに減ってきてしまった私にとっては、有難い味だった。
珍味攻めで結構満足になり、握りは少ししか食べられなかった。北海道ならではの鮭を2種類、鮭児と大助(おおすけ)を1貫ずつもらう。
そのあと懲りずにイクラを頼んで、コハダを2貫もらって終了。
冒頭の写真は、同行の“キモ同士”に出されたスペシャルな中トロ。ウニとキャビアがトッピングされたバブリーな1貫。
それぞれの味がケンカするんじゃないかと思ったが、食べた本人いわく、それぞれが調和して美味しかったとのこと。
いずれにしても、塩分、プリン体、コレステロールを過剰に摂取した一夜だったように思う。
サラダだけ食べる日とかを意識して作らないといけない・・・。
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