2009年2月4日水曜日

銀座 割烹とんぼ

銀座に数え切れないほど存在する割烹系料理屋さん。雑居ビルの上層階や地下にひっそりたたずむ店だと、やはり一見では入りにくい。

実際に入ってしまえば、そんなに肩の凝らない居心地の良い店も多いのだが、飛び込みで開拓するのはちょっと面倒、結局、美味しく快適に過ごせる店に足は向いてしまう。

8丁目の通称ポルシェビルにある「割烹とんぼ」もそうした「美味しくて快適な店」だ。端的に言って銀座っぽいお店。他の街ではちょっと成り立たない感じかも。ホームページがリニューアルしていたので貼っておこう。

http://www.kappoutonbo.com/ginza/

ママさんはじめ、接客にあたる女性陣は全員が和装で実にしっとりとした風情。店の作り、置いてある花、全体の空気が清々しい。

先日数ヶ月ぶりに訪ねた。いつも一人か二人でのんびりカウンターを止まり木にしていることが多いが、この時は4人で押しかけた。

お座敷には先約があり、テーブル席に陣取った。もうひとつのテーブル席にも3,4人連れのお客さんがいたので、珍しくこの日はグループ客が集合した感じ。やかましい4人組としては逆に安堵する。

だいぶ昔に入れたままのボトルも保存しておいてくれた。恐縮する。おまけにこの日は、中途半端な時間だったこともあり、本来の食事コースとは違うケチな予算で仕切ってもらった。また恐縮する。

結局、4人でかなり騒いでしまった。恐縮する。ついでにいえば、場所柄をわきまえない相当に下品な話で盛り上がった。恐縮する。

まあ私が使う「恐縮する」という言葉は、いつも口先だけみたいなので仕方ない。若気の至りということで許してもらおう。若気・・、言ったもん勝ちだろう。

正直この日は、純粋に飲み屋さん的に使わせてもらったが、適度にタイミングを見て出してもらう食べ物は、相変わらず美味。呑み助相手といえども誠実かつ丁寧に料理された品々を出してもらった。

上品な味わいだが、しっかりとした出汁のおかげでホッコリした気分になったのが、梅干し入り茶碗蒸し。素直に大人の胃袋を癒してくれる。餡がかかった海老芋(だったと思う)饅頭も味付けが乱暴ではなく、実にいい頃合い。

刺身も極めて真っ当。ゴマ豆腐(だったと思う)もその他の酒肴とのバランスがよく、ついついペロペロ食べてしまった。結構酔っていたので、出された食べ物のラインナップが正しいかどうか少し自信がない。ほかにも食べた気がするが、ちょっと覚えていない。

丁寧に誠実に仕事をしているであろう板前さんににとっては、迷惑な客だろう。今度改めてしっかり味わいに行かねばと思う。

酔っぱらいだった私がアレコレ書いても説得力がないが、全体に料理の味付けが優しい。とくに甘みの使い方がバッチグー。砂糖的甘みというより旨味に近い甘みが板前さんのテクニックなんだと思う。

向島芸者出身のママさんも下品全開の我々の席に対して、あきれながらも楽しく相手をしてくれる。

帰り際、ママさんから私の印象が変わったと言われた。

「もっと固い人だと思ってました」。

いままで、この店を一人でふらっと訪ねる時は、きっとエラソーに気取っていたのだろう。

でも固い人に思われるのって、この年齢になると妙に嬉しかったりする。いい大人が石田純一みたいにバリバリ軟派野郎では格好が悪い。

今年はカタブツと思われるぐらいマジメに行動することにしよう。

余計なところを固くするチャンスが無くならない程度に・・。

2 件のコメント:

  1. あの晩に行かれた店ですね!

    早速Webサイト拝見してみます。

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  2. 意外に穴場だと思いますよ。
    機会があればゼヒ!

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