2009年9月4日金曜日

民主党ご祝儀ムードの裏で


60年ぶりとかの政変というわけで、メディアの話題は民主党政権一色。来週、再来週あたりは正式な鳩山首相誕生までの段取りや組閣や主要ポスト人事で持ちきりになる。

ご祝儀ムードにも似た空気はまだまだ続くわけだが、その後も国連総会や金融サミットなどへの出席で話題は途切れない。ファーストレディーも加わったアメリカでのパフォーマンスがワイドショー的に取り上げられる。

片や自民党はというと、オバマさんと力強く握手してフラッシュを浴びる鳩山首相とはうって変わって同じ時期に寂しい総裁選。辛気くさい顔一色で“野党党首”を選ぶ。

あれだけ負ければ誰が新総裁になろうが、政権交代ご祝儀ムードの調味料みたいな話でしかない。

さてさて、何かと期待を集める民主党政権だが、生い立ちや支持基盤を考えれば、トップが大富豪だろうとも、富裕層向け、経営者向けの政策をとることは考えられない。

労働組合が大きな支持基盤であり、日の丸・君が代を断固認めないあの日教組だって大事な支持基盤だ。旧社会党出身のそっち側の色が濃いベテランもゴロゴロいる。

民主党型のバラマキ政策の財源は予算の組み換えや無駄遣いの一掃で捻出するらしいが、そう簡単に千億円規模の冗費倹約など出来るはずもない。

結局は、高所得層に切り込むことになる。金持ちを優遇してお金を使ってもらうことが景気刺激策になるという考え方は出てくるはずもなく、金持ち冷遇政策に舵を取ることは確実。

また、何かと既得権益的なものは毛嫌いされることになるが、これが今現在そこそこのポジションにいる人達にとっては脅威にもなりえる。

かなり漠然とした表現になるが、成功した人、地位のある人というと何かしら既得権益的なものの恩恵を受けているのではないか。

乱暴にいえば、成功した途端に努力しはじめるのが、権益を守るすべてのことだろう。閉鎖的な集団を結成して新規参入に壁を作るのも権益を守るためだし、どんな世界だろうと先行したものは後発を抑えにかかる。

そうした既得権の中で動いている面々まで、もろ手を挙げて民主党バンザイを唱えている人がいる。滑稽というか空恐ろしい。タレントの人気投票ではない。

もちろん、ズブズブでドロドロでブヨブヨになった自民党の退場は必然だと思う。しがらみほど構造転換を邪魔するものはない。
多くの企業が外国人トップを起用するのも、理由はそれだけ。しがらみのない正論で押し通せるからだろう。

まさか政権を外国人に担当してもらうわけにはいかないから民主党政権が誕生したわけだが、やはり民主党の根っこの体質的なものは“富豪記者的目線”では大いに気になる。

わが社が発行する税金の専門紙では、今後、あらゆる角度から新政権がもたらす影響を分析する予定。

一般紙および週刊誌、そしてテレビメディアはあくまで一般大衆向けにニュース報道を行う。わが社の場合、サラリーマンや主婦向きの話題など関係なく、経営者をはじめとする一定の階層に絞って今後の変化を報道する。

取材が進めば進むほど危惧の声や不安、疑問の声が多く集まってくる。税務関連業界への影響も無視できない。業界を問わず古い体質の“守旧派的分野”であれば、激変の波が近づいているといっても過言ではない。

いずれにせよ、議席が300ちょっとと100ちょっとでは二大政党制どころではない。まだまだ途上段階だろう。

既に今の段階から200対200ぐらいになるための数々のシナリオや仕掛け、策略が渦巻いているらしい。ある意味それが健全だろう。現在はあくまでその形に収れんされていく途中段階なのだろうが、そうはいっても政策面の大転換はいよいよ動き出す。

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