2010年2月10日水曜日

脳 封印

最近つくづく記憶力が鈍っている。さきほども離席中に電話をもらっていた相手の名前を瞬時に忘れたようで、全然違う人に折り返しの連絡を入れて困惑される始末。

若年性の痴呆症などはこんな風にはじまるらしい。ちょっと調べたほうがいいだろうか?

それ以外にも、人の話を熱心に聞いている最中に突如、頭の中がボーッとすることが少なくない。睡魔のような虚脱感のような微妙な感覚だ。脳がおかしくなっているのだろうか?

そんな深刻な話とは別に、私には記憶にまつわる変な習性がある。都合の悪い記憶を自分の意識から削除する能力?が人並み以上に強いらしい。

久しぶりに会う旧友と昔話をしていると、旧友から指摘される私自身の“若気の至り”の多くを覚えていない。小学校中学校当時より、高校、大学時代の記憶にその傾向が強い。

若気の至りなので、もちろん、ロクな内容ではない。イタズラとか失敗談とかそんな程度のものばかり。聞かされて思い出す話もあれば、まったく思い出せないものもある。

きっと、思い出したくない、忘れてしまいたいという意識が働いているのだろう。恥というほど大げさな内容ではないのだが、やはり無意識に“封印”しているのかもしれない。

先日、20年以上会っていなかった旧友と食事をした際にも、私の脳から削除されていた「恥ずかしい過去」が甦ってしまった。

イタズラというにはちょっとヒドい話で、さすがにその記憶を消し去った私の脳に自分自身で感謝したくなった。

話を聞いても、そんなことするはずない、作り話だろうとタカをくくっていた。そのぐらい「完全消去」に成功していたのに詳しい説明を聞くうちに事情が変わってきた。

話のディテールを想像していたら、不思議なもので、薄ボンヤリとその情景が頭に浮かんできた。そのうち、身体の一部が覚えている触感みたいな記憶が一気に甦った。思い出してしまった。。。。

触感と言っても色っぽい系の話ではない。器物損壊方面のネタだ。さすがにここで書くのはマズい。立派な犯罪だし、さすがに恥ずかしい。

何度もこんな体験をするとちょっと恐い。人に言われてようやく思い出す話が無数に出てきそうな気がする。善行だったら忘れても問題ないが、“恥ずかし系”はマズい。

真面目な顔してマトモな人として過ごしているつもりだが、過去に自分の知らない自分が存在していたみたいで気持ち悪い。

そうは言っても、そんな大げさなものではないし、もったいぶるような話でもない。だいたいの行動パターンや傾向は似たようなもの。

覚えていなくても「そんなことしちゃったかも」という範囲に収まる次元の下らないイタズラレベルの話ばかりである。

下らなすぎる行為への恥が記憶をコントロールしているのだと思う。

一応、女性方面、仕事方面などに関しては「完全消去」しなければならないようなマズい記憶はない。

・・・と思っているのだが、時たまフッと完全に忘れ去っていた人や体験を思い出して、赤面したり、興奮することがある。

あれって脳がどういう指令を出しているのだろう。つくづく不思議だ。

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