先日、中学高校の同期会に行ってきた。今回は定年退職する恩師の慰労会という名目があったので結構な人数が集まった。
退職する恩師はフランス語の担当。私は第一外国語が英語だった関係で、この先生に担任をしてもらったことはない。それでも接点はそれなりにある。
停学になったり、学校に親が呼び出される常連だった関係で、担任以外にも学年に関わった先生達には随分お世話になった。
高校を卒業してからも迷惑をかけた。ハタチの頃、同窓会の流れでちょっとした騒動が起きて、逃げ切れなかった先生は某警察署の取調室に連行されてしまった。外との連絡も絶たれ夜明けまでお灸を据えられた。お気の毒。
同期会の席で先生は事件のことを懐かしそうに話す。どうやら私を首謀者の一人だと思い込んでいるらしい。アレコレと相づちを求めてくるのだが、あの晩私はとっとと逃げ帰って家で寝ていた。なんか申し訳ない気持ちだ。
定年退職したとはいえ隠居するわけではなくパリに渡って新たに教鞭をとるらしい。大したエネルギーだと思う。40代半ばで息切れしている場合ではないとつくづく感じる。
この日の集まりでは、高校卒業以来初めて顔を合わせる旧友も多かった。この歳になると、さすがにデブハゲ白髪率も高くなる。
とはいえ大規模ではない一貫校ゆえの濃い付き合いのせいで、激しく変貌を遂げていても誰が誰だかだいたい分かる。
今回の参加者は妙にお医者さん、歯医者さんが多かったように思う。そのほか独立して経営者になっている旧友も多かった。
勤め人稼業の旧友達も年齢的に慌ただしい時期にあるようで独特のエネルギーを感じる。みんな世知辛い社会を何とか泳いでいる。
珍しいところでは、政治の世界で活躍中の人、歌舞伎の第一線で頑張る人、俳優業が絶好調の人もいる。はたまた拘置所で頑張っていた人だっているから面白い。
中学高校だけでなく、なかには幼稚園、小学校から一緒だった旧友も多い。自分の子供より幼かった頃からの知り合いが大勢いる空間って結構不思議だ。
いずれにせよ、40代半ばの男達が集まるとそれぞれの「顔」に趣がある。大げさに言えば「顔」にそれぞれの人生が刻まれ始めている感じ。
いろいろな分野で重責を担っている「ひとかどの人物」も多いのだが、そんな連中の顔からはそれなりに深みも感じる。
今回改めて感じたのだが、やはり、深みのある顔付きをした旧友達は総じて当りが柔らかく腰が低い。とんがっていない。この部分は心底見習いたいものだ。“実るほど~”の格言通りだろう。
結局は人間力というか、人としての素地が問われる年齢なんだろう。ちょっと自分を見つめ直したくなった。
二次会、三次会と呑み続け、ヘロヘロになって帰宅。石川啄木の有名な句が頭に浮かぶ。
~友がみな我より偉く見ゆる日よ 花を買ひきて 妻としたしむ~
そうは言っても、明け方の帰宅だ。花を買うこともなく、妻と親しむはずもなく、ゼロカロリーコーラを一気飲みしてゲップして寝た。
そんなもんだろう。
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