冬の主役だった珍味達は夏の到来とともに主役の座を明け渡す。アンキモや白子が冬の風物詩だけにそんなイメージがある。
昨年秋の尿検査で尿酸値が危険水域ブリブリだったので、ここ半年ぐらい、少しだけ珍味達を控えてきた。控えるといっても、ほんの一口残すようにした程度なのだが、ちょっとでも意識することは大事だ。
おかげで痛風発作はまだない。冬と春を乗り切った以上、もう大丈夫だ。
そんなわけで、夏なのに無性に珍味が恋しくなって、久しぶりに銀座の珍味屋に出かけた。
珍味屋と表現したが、レッキとしたお寿司屋さん。でも私にとっては珍味屋だ。半年ぶりぐらいだろうか。年齢とともに時間の経過に関する感覚がおかしくなっているので、1年ぶりぐらいかもしれない。
7丁目、外堀通り沿いにある「九谷」がその店。北海道に系列店があって、北海道出身の職人さんが北海道直送品を美味しく食べさせる珍味屋さんだ。
鮮度の良い生ものを乗っけただけの北海道寿司屋とは違って、いわゆる江戸前系のネタも取りそろえる。鮮度抜群のものに加えて手の込んだ料理も手がけるのだから良い店だと思う。
もっと頻繁に通いたいが、この店で珍味三昧に過ごしちゃうと健康上非常に危険なので、それを言い訳にたまにしか顔を出さない。
もちろん、珍味抜きでも相当水準の高い食べ物を楽しめるのに私の場合、どうしてもそっちに走ってしまう。
マコガレイの肝とボタンエビの卵だ。
この肝、甘味抜群だった旬のマコガレイの刺身に感激していたら真打ちのように登場。ポン酢に自家製ラー油を少々。モミジおろしの代わりにラー油だ。食べてみると、肝がかなり濃厚なので、結構悪くない取り合わせ。
二日酔いだったが、焼酎ロックでクイクイ。
ボタンエビはこの店の自慢のひとつで、20センチぐらいありそうな最大級のサイズ。緑色のタマゴは軽めの塩漬け状態。このままで堪能できる。
濃厚な時鮭があったのでムシャムシャ食べたのだが、刺身よりも嬉しい一品が、時鮭のスジコ。ウヒョヒョだ。なまめかしい味。
茹でて間もない毛ガニ特有のゴールドカラーのカニミソももらう。ヒョヒョヘ~って感じだ。
どうして肝とかミソとかタマゴの味はあんなにエロティックなんだろうか。
このわたと一緒にイバラガニの内子の登場だ。とことん珍味、珍味。珍味のワールドカップ状態だ。
黒紫色したタラバの内子ですら東京で目にする機会は少ないが、オレンジクリーム色の麗しいイバラガニの内子は北海道でもなかなかお目にかからなくなっている。
東京の中心地・銀座でイバラの内子に出会えること自体、珍味好きには至極幸福だが、この日は偶然にも、塩漬けにする前のまるっきりナマの状態で登場。
やはりナマは一番だ。ナマに勝る快感はない。ほんの少し、醤油をポタポタと垂らし、じゅるじゅると味わう。生卵的エロティックさに打ちのめされる。
ちょろちょろと小皿に盛られた珍味を舐め舐め過ごしていると、画像のようにカウンターの私の居場所は小皿オンパレードになる。こんな感じに皿の並んだ風情は“珍味屋”と呼ぶのにふさわしい。珍味バンザイだ。
相変わらず、握りをもらう頃には酩酊だ。何を握ってもらったかいつも忘れてしまう。寿司のプロに対して不謹慎だと反省するのだが、いつも同じパターンだ。
このお店、内装も明るく洒落ていて、窮屈感もない。接待とかデートにも使いやすい店だと思う。
私の場合、珍味に没頭する悪い癖があるので商談相手とか口説きたい女性を連れて行くのは避けたほうがいいように思う。
魚卵キモ珍会会長様
返信削除なぜ夏の陣に一声掛けて下さらなかったのでしょうか・・・。
キモ珍に負けないくらいのイイ女になって出直してきます!!
返信遅くなりました。。
返信削除「キモ珍会」。いい名前です!
返信遅くなりました。。
返信削除「キモ珍会」。いい名前です!