東京出身。富豪になりたい中年男。幼稚園から高校まで私立一貫校に通い、大学卒業後、財務系マスコミ事業に従事。霞ヶ関担当記者、編集局長等を経て現在は副社長。適度に偏屈。スタイリッシュより地味で上質を求め、流行より伝統に心が動く。アマノジャクこそ美徳が信条。趣味は酒器集め、水中写真撮影、ひとり旅、葉巻、オヤジバンドではボーカル担当。ブログ更新は祭日以外の月曜、水曜、金曜。 ★★★スマホでご覧頂いている場合には画面下の「ウェブバージョンを表示」をクリックしてウェブ画面に飛ぶと下側右にカテゴリー別の過去掲載記事が表示されますので、そちらもご利用ください。
2010年7月30日金曜日
キャッチボール
中学生の頃まで野球少年だった。炎天下でヘトヘトになりながら投げたり売ったり。練習後のコーラやジュースが泣きたいほどウマかったことを今でも思い出す。
ポジションはピッチャー。中学の野球部あたりだとピッチャーは自己中心的な鼻持ちならないヤツが多い。私もそんなタイプだった。
味方がエラーすれば、平気でマウンドで怒ったりするような生意気なバカだった。中学生のクセに審判の判定に文句をつけたりもした。恥ずかしい過去だ。
大人になってから草野球を随分とやった。おかげで子ども時代の自分のアホぶりを思い知った。チーム力というか、参加している全員で楽しまなければ勝てないし、面白くない。
ある意味、大人になってからの草野球が野球の奥深さを教えてくれた。綺麗事のようだがそれが野球の真理だ。つくづく独り相撲状態で野球をしていた子どもの頃を後悔した。
我が草野球チームは、「ベースボーズ」という卓越したセンス?のチーム名だった。アトランタ・ブレーブスのユニフォームを基にした洒落たユニフォームを揃えたもののプレー内容はヘロヘロな軍団だった。
中学高校時代の友人達で結成。とはいえ、試合をしたくてもなかなかメンバーの都合が合わない。メンバーの知人、同僚、部下などが助っ人で参加するようになった。
ごった煮状態のチームになっていたのだが、部活で野球経験があるのは私以外に一人か二人。当然、勝ち負けより楽しみ優先だ。
さかんに活動したのは30代の前半から中盤ぐらいだったか。あと10年若ければもっと強かったのだろうが、大人になった分、純粋に野球が楽しめた。6チームから成るリーグ戦に加盟して春と秋は毎週のように試合をこなした。
東京ドームをリーグで借り切って真夜中に試合をしたこともある。まあ正直なところ、試合後の宴会が主目的だったような時もあった。
試合のあと、昼間からガブ飲みする生ビールはどうしてあんなにウマいのだろう。大げさではなく、あれほどウマい生ビールは今後の人生で経験することは無いと思う。
年齢のせいでケガが多くなり、メンバーの転勤なども重なってリーグ戦から脱退。なんとなく活動休止状態になってもう7,8年が経つ。
まだユニフォームは捨てていない。当時のメンバーとはよく飲むのだが、再結成の気配はない。まあ再結成してもケガ人が続出することは間違いない。
急に野球ネタを書き始めたのには理由がある。最近、自宅からクルマで5分ほど行った公園で「ボール投げ」をはじめた。キャッチボールではない。「ボール投げ」だ。テニスの壁打ちならぬ「壁投げ」だ。
いい感じの壁投げポイントを見つけたので、週末の朝、せっせと1時間ほど投げ込んでいる。思った以上に運動量もある。ただ散歩しているより楽しい。
小学生の頃、近所に学校の友達がいなかったせいで、空き地の壁に向かって毎日のようにボール投げをしていた。
壁の一部にチョークで印をつけてコントロールを磨いた。当時、人より少しばかり野球がうまくなったのは間違いなく延々と1人で熱中した壁投げのおかげ。
この歳になって壁投げをはじめるとは思わなかったが、やってみると無性に野球がしたくなる。いまさら知らないオッサンチームに混ざるのも面倒だ。やはりベースボーズ復活を企てたい。
ちなみに壁投げを黙々とこなしているとキャッチボールの尊さに気付く。
野球を少しかじった立場から言うと、キャッチボールは「たかが」であり「されど」の代表のような行為だと思う。
ただボールを投げ合う。面白くも何ともない。とはいえ、あの単調な繰り返しに色々な要素が詰まっている。
相手と呼吸を合わせて、相手が捕りやすい球を投げないといけない。自分が暴投しても拾いに行くのは相手だ。相手が暴投してもこちらが拾いに行く。相互扶助、持ちつ持たれつだ。
迷惑をかけないように丁寧に投げる。相手がちょっと失投しても難なくキャッチする気配りも必要だ。こっちがヘバっても相手がいるから勝手にやめられない。
野球の技術や経験もほんの1分もキャッチボールすれば分かる。大げさに言えば5分程度キャッチボールすれば相手の性格だって想像できる。
当たり前だが、壁投げだと相手が壁だから気遣いの心配はない。その分、通い合うものもない。やはり「ゴメン」とか「すまん、すまん」とか言いながら白球を追っかけたい。
つくづくまた野球がしたい。試合後の生ビールを浴びるように呑みたい。
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