「いいオトナなのに」などというフレーズの“いいオトナ”って何歳ぐらいを指すのだろうか? 25歳とか30歳ぐらいのことだろうか。
「いい年したオッサン」といえばどうだろう。35だろうか、40だろうか。どう逆立ちしても私は「いい年したオッサン」なので「オッサン道」をいかに極めるかを日々考えている。
呑みすぎてもゲロを吐かなかったり、深夜にラーメンを食べないようにしたり、ここ数年ちゃんと正しいオッサンになってきた気がする。
中味が腐ってきている?のだから見た目はキチンとしないとなるまい。その一環で以前にも書いたが、最近はすっかり靴マニアになってしまった。中毒のように新しい靴のコレクションが増加中だ。
ジョンロブまで買ってしまった。どうしよう。カードの請求が心底恐い。
とりあえず英国靴の質実剛健な良さ、イタリア靴のエロティックな味わい双方がよく分かった。
そうはいっても、今だにクラシカルな英国靴に傾倒しきれずにエロティックのほうも気になるようでは若者気分が抜けていない。いや、オッサンだからこそ、そっちにアンテナが反応しちゃうとも言える。
どっちでもいいか。
着々と進行中の「見た目しっかり計画」、正しく言えば“オヤジ扮飾計画”。靴だけちゃんとしてもしょうがない。
先日、コートの仮縫いをした。親切なテーラーさんが会社までやってきてくれた。
10年、20年単位で愛着が湧くような本気コートを作ってみようと思いついてから随分と時間が経ってしまった。もう真冬なのにようやく「着工」だ。
画像は実際に使用する生地。
昔に作ったカシミアコートは仕立てが悪く、どうにもしっくりこなかったので、今回は細かく仮縫いもしてもらうことにした。
スーツではなくコートの場合、イージーオーダーで済ませるケースが多いが、コートだって細かい点をアレコレ調整したほうがいいに決まっている。
と、えらそうに書いたが、コートの仮縫いなど経験したことはない。やってみて分かったのだが、あまり注文する箇所は多くない。
とはいえ、ベルトの長さやベルト穴の位置や数、襟の微妙な広さを仮縫い生地で調整できたから良しとしよう。
問題は裾の長さだ。最近の男性用コートは短めばかりだ。アマノジャクの私としては時代遅れといわれようが長さにこだわってみた。
階段の上り下りの際にけつまずくぐらいの勢いでイメージしてみた。
仮縫い生地を羽織ってみた。妙に長い。魔女だとか、悪の惑星からやって来た司令官みたいだ。
勇気がないのでホンの少し短くしてもらうことにした。それでも膝下20センチぐらいはありそうだ。どんな感じになるのだろうか。少し不安だ。
今回のコンセプトは「カシミアなのにトレンチ」という点。カシミアコートといえばチャスターとかステンカラーばかり。だからわざわざトレンチにしてみた。アマノジャッキーとして必要な心構えだろう。
テーラーによってはカシミアトレンチを受付けてくれないところもある。逆にその点がそそられた。邪道かどうか詳しくは知らないが、せっかくだから普通ではないほうがいい。
トレンチといえでも私は兵隊じゃないので肩章というか肩ベルトは無しにした。背中のヨークや襟周りは通常のトレンチスタイルだ。“ポケット貫通”も本家同様に注文した。
コートのボタンを閉めたままスーツの内ポケットのものが取り出せる仕様だ。ポケットの中にものを入れる袋部分と内側へ手が届く貫通部分で構成されているスタイルだ。
カシミアの生地も頑張って密度の濃い上等な素材を選んでみた。カシミア特有のヌメヌメとしたテカりは黒色が一番強調されるように思うが、そこはアマノジャク協会会員である私だ。濃い目のチャコールグレーにしてみた。
裏地も悩んだが、結局おとなしく?ワインレッドの生地を選んだ。もっと激しくハジけた色を選びたい気もしたが、10年後を考えたうえのコンサバ思考だ。
でも実際に見せてもらった裏地はサンプルで見た時とはサイズが異なるせいか、そこそこ派手。ちょっと不安だ。
要約すると、あまり一般的ではない発注の仕方で、長さも裏地にも不安があるということだ。
不安だらけだ。大丈夫だろうか?
1月中旬の完成まで悶々としていよう。
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