逆流性食道炎がすっかり治まってきた。毎晩飲んでいる錠剤も、たまにサボって様子を見ているのだが、サボっても胸焼け地獄にならずに過ごしている。
これは何を意味するのか?
一体、神様は私に何を伝えているのか?
「揚げ物をドカドカ食べなさい」。
きっとそういうことだろう。
神のお導きによって胸焼けから解放された。神様サンキューベリマッチ!
というわけで、トンカツだ。しょっちゅう食べるわけではない。むしろ滅多に食べない。ということは嫌いな食べ物みたいだが、真相は逆だ。食べたくて仕方ないけどガマンしているのがトンカツだ。
許されるのなら毎日食べてもいい。死ぬ前の最後の食事には選ばないが、死ぬ前の最後の1ヶ月だったら20回ぐらいは食べるような気がする。
思えば、上野のポン多とかナントカ屋、浅草のすぎ田、目黒のとんき等々、有名な店にも随分行った記憶がある。あまり覚えていないから、さほどこだわりはないのだろう。
群馬あたりで食べるご当地名物ソースカツ丼も大好きだし、名古屋に行けばミソカツも必ず食べる。
トンカツに関してはあまり節操がないみたいだ。でも、高田馬場にある「とん太」という店が今までで一番上手かった印象がある。
胸焼けがおさまっているだけでなく、トンカツをガマンしてきたもうひとつの理由である「体重」も最近はあまり気にしていない。
ホントはもっと気にしないといけないのだが、年のせいか、1度や2度の暴飲暴食で体重が増えなくなった。不思議だ。病気なのだろうか。
こういう時にこそ、一気に体重を落として体調を整えればいいのに、そういう努力は面倒くさい。
私の場合、10キロ落とすことには自信があるが、3キロ減とか5キロ減ぐらいだとナゼか無理。Mだからだろう。
まあそれはいい。胸焼けと体重問題をクリアしている以上、トンカツに背を向けるわけにはいかない。じゃんじゃん食べよう。
やたらと長い前振りになったが、先日、トンカツ業界?で唯一、ミシュランの星に輝く店に行く機会があった。
ミシュランの星なんてものを一切信用していないし、気にもしない私だが、いざ行くとなるとチョット期待はする。
で、行ってみました。銀座の「かつぜん」。やたらと高いという悪評はよく聞くが、本当にウマいのなら高値のトンカツだって私は許す。
高い安いというのは何を基準にするかであって、銀座という場所柄、値段だけでは計れない要素もあるだろう。
ゆったりしたカウンターと個室がひとつ。モダンな造りで接待やデートにも普通に使えそうな感じ。
この日は個室を使ったのだが、4人用と言うより2人用サイズ。お籠もりデートなんかにはバッチリなモダン茶室風のしつらえ。
こんな場所でこんな風情の店をやる以上、そこそこの単価設定は仕方ない。この点、私は寛大だ。
単品メニューも結構揃っていたが、夜用のコースメニューをオーダーしてみた。それ以外に店独自の生姜焼きも別注。
さてさて、コース料理は温野菜や魚介類の煮込み系など家庭料理と割烹料理の中間のような品が出てくる。それなりに美味しいが、トンカツに向かっていく高揚感とはちょっと違う。
もっと豚方面創作料理でトンカツへの期待をあおるような演出があったほうが良さそうな気がした。
この画像、個室の照明が暗かったので分かりにくいが別注の生姜焼きだ。蒸し焼きにした上等の豚肉の上に特製ショウガだれがドッサリ盛ってある。
豚肉も美味しい。ショウガだれもウマい。でも両者が合わさると不思議と感動がない。そんな感じ。でも、このショウガだれはつけ合わせのキャベツと一緒に食べると妙にウマかった。
肝心のトンカツ。上がロース、下がヒレ。画像より実物はもっと麗しかった。上等な豚が上手に揚がっている。単純に美味しい。でも飛び上がるほどではない。
ミシュランだの、価格設定とかのせいで、無意識に「物凄く抜群に画期的にウマいんだろう」と想像しちゃっているせいで、ついつい辛口評価になってしまう。
高級店の宿命とはそういうものだろう。その上で客をうならせないとならないのだから大変だ。
アルコール類も豊富、接客態度もキチンとしている。使い方、同行する人、トンカツ依存度、トンカツ以外の料理の好みによっては使い勝手のいい店だと思う。
0 件のコメント:
コメントを投稿