2011年7月25日月曜日

菅直人と海江田経産大臣

居座りを平然と続けて、世間もそれを仕方がないことのように俯瞰している菅直人問題。

いいのだろうか。あんなインチキが罷り通ることは歴史的な国家の恥だろう。

言葉の軽さ、無責任な言動、平気で国民をあざむく姿勢。こんな印象しかない今の総理大臣は、この国の政治を破壊したのも同然だろう。

あり得ないほどの悪しき前例は、今後、この国のトップが何をしでかしても、一種の免罪符にされかねない危険がある。

最高責任者が、一度口にした進退に関する話を平気で反故にして、屁理屈をこねて居直る。やはり異常だ。

真面目に活動している市民運動家には申し訳ないが、しょせん菅直人という人物は、常識的な社会人経験に乏しい市民運動家の成り上がりでしかないのだろう。

私的感情だけで協調を排除し、言いたいことを言いまくって怪気炎を上げる。相容れない考えや気に入らない相手は徹底して叩く。

あの手の市民運動家の実像ってそんなものだろう。

総理大臣というポジションに就いても、そんな感覚で場当たり的にことにあたる。

脱原発宣言だって、大衆の支持を得られると勢い込んだのだろうが、うまく行きそうにないと見るや、「個人的な見解」だと言い出す始末。

世界中に影響する国家の重要政策に対して、公人中の公人である現職の総理大臣が「個人的見解」だなどと言い出す。喜劇にもならない間抜けぶりだ。

メディアの追求のぬるさも気持ち悪い。ウソツキで、思いつきと場当たりだけで動いていることが歴然としているのに、どこか丸め込まれているかのような空気だ。

原発再稼動に関する、いわゆるストレステストの唐突な話や、脱原発をめぐる出たとこ勝負の思いつきをめぐって、海江田経産大臣との軋轢というか、溝がマスコミで随分取り上げられるようになってきた。

先日は、海江田経産大臣が手のひらに「忍」の文字を書き込んで国会答弁している姿がニュースになった。

経産大臣も「忍」の字を書いて我慢するだけでなく、堂々と「菅おろし」に動けばいい。

当然ながら各大臣は総理大臣が任命権者であり、いわば総理大臣の子分にあたるわけだが、いまの異常事態では、そんな杓子定規なことを言っても始まらない。

肝心の総理大臣がインチキを繰り返して、国中から総スカン。経産大臣が忠義をつくす相手は、菅直人ではなく、国民であるべきで、その基本姿勢で「反菅」を鮮明に打ち出せばいい。

海江田経産大臣は、経済評論家出身ということもあり、昔からわが社の新聞などでもアレコレ付き合ってもらっている。

私自身、昔から個人的に何度も勉強や遊びの場を共にしてきた。それなりに人柄も知っているつもりだが、愚直に菅直人の下で「忍」の姿勢を貫く今の姿には違和感がある。

さっさと「反菅」の旗幟を鮮明にする時期ではなかろうか。

もともと、昨年の党代表選では反菅の側で立ち回っていたが、挙党一致をアピールする意味もあって閣僚入りした経緯がある。

その後、同じ選挙区の敵対相手だった与謝野経済財政大臣が、よもやのぶっ飛び転向によって内閣入りして、ポストを横滑りされ、「人生は不条理」と嘆いて見せたことは記憶に新しい。

最近では、原発行政の所管大臣として対応にあたっているところに、山本モナとチューしたことで有名な細野議員が、原発事故対応大臣に就任。経産大臣の業務範疇も何だかよくわからない状態。

既に海江田大臣は、国会で菅直人へのあてつけ的な辞職ほのめかし答弁をしている。これからの動き方によっては「反菅」のシンボルになりえるポジションにあるのは事実だろう。

権謀術数うずまく永田町では、今さかんに「ポスト菅」をめぐってさまざまなシュミレーションが展開されている。海江田大臣自身もそんなシュミレーションに絡むため、慎重に諸々を計っているのだろう。

ただ、そんな権力闘争、政治力学よりも、「国益」を優先してもらいたい。いま一番「国益」にかなうのは、まず何よりインチキ総理大臣を引きずり下ろすことに尽きる。

菅直人に鈴を付ける役目、現内閣を終わらせるヒキガネを引く役目は、ここに至る経緯や事情、現職ポストを考えた場合、海江田大臣が適任かと思う。

差し違えるぐらいの英断に期待したい。

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