「君の顔が好きだ」という歌がある。斉藤和義の独特の声や節回しで聴くと説得力があって引き込まれる。
直球一本のラブソングなのだが、実に潔い。四の五の心のヒダを語っていないところがリアルで良い。
サビの歌詞を紹介しよう。
♪ 君の顔が好きだ
君の髪が好きだ
性格なんてものは僕の頭で
勝手に作りあげりゃいい
君の肩が好きだ
君の指が好きだ
形あるものを僕は信じる ♪
好きなものは好き。理屈じゃない。そういうことだ。理由なんてどうでもいい。生理的に惹かれるわけだから、細かな解説は不要だ。
で、今日はコメの話だ。
あまりに強引な結びつけだが、私のコメへの思いは斉藤和義の歌と同じで、本能的に好きで好きでたまらない。理屈抜きにゾッコンという意味では、この歌の歌詞をもじってみたくなる感覚だ。
コメの味が好きだ
コメの香り好きだ
銘柄なんてものは僕の頭で
勝手に作りあげりゃいい
コメの食感が好きだ
コメの満腹感が好きだ
硬めに炊いたコメを僕は信じる
くだらない替え歌もどきで申し訳ない。
やはり農耕民族のDNAに従って大和民族たるものコメをワシワシ食べるのが正しい。
今更だが、子どもの頃の給食にコメが滅多に出なかったことが今でも納得できない。
食べ物の恨みってヤツだ。
物心ついた時からコメばかり頬ばっていた。すき焼きだと言われれば、汁をコメにぶっかけてかっ込む方が肉を頬ばるよりも魅力的だった。
ウナギのタレだけで炊きたての4合飯を全部たいらげたこともある。焼鳥のタレだけバージョンとかチャーシューのタレバージョンとかタレがあれば何杯でもコメを味わえた。
生卵かけご飯だって、大盛りメシで3~4杯食べていたことも珍しくない。当然、生卵も3個4個だ。ロッキーバルボアのようだった。
ケチャップとウスターソースを混ぜた液体を炊きたて飯に塗りたくって食べるとか、マヨネーズと醤油を混ぜてヘドロ状?にしてどんぶり飯にトッピングして食べることもしょっちゅうだった。
寿司飯らしきものを作るために売っている化学の味?がする粉もしょっちゅう使った。変な甘さがあって子どもにとっては最高だった。
そういえば単純に酢だけ白飯にぶっかけて食べていた時もある。
その手の変態コメ食いシリーズは、親が不在の時に密やかに楽しむことが多かった。
子どもの頃、親が作る食事なんてものは、妙に野菜が多かったり、土みたいな味の根菜類が出てきたり、好物以外は迷惑なこともあったから、禁断の味を楽しめるタイミングを見計らっていたわけだ。
親の心子知らずである。
ピラフ、チャーハン、ドリア、パエリア、寿司、釜飯、お茶漬け、炊込みご飯、おにぎり、鶏飯、ビリヤニ、ジャンバラヤ、ナシゴレン、バターライス、ロコモコ、タコライス・・・・。なんだってOK。みんな好きだ。
お粥とか柔らか系はちょっと苦手だ。芯が残っているかのようなコシのある硬めのコメが大好きだ。
麦飯も雑穀米も古代米もなんでもOKだ。きっと前世は、よほどコメを食いたい気持ちのまま飢饉で死んだ人なんだろう。
ということで最近食べたコメ料理でウキウキしたものを紹介しよう。
高田馬場の鮨源でわがままオーダーした逸品だ。
ホッキとホタテを贅沢にもバター炒めにしてもらって焼酎と合わせてグビグビした時のこと。
皿に残ったバター汁。結構な量だ。さてどうしたもんかと思案して、「リゾット風に仕上げてくれ」と相も変わらぬ邪道リクエスト。
すると、バター汁を投入した寿司飯のホイル焼きというスペシャルバージョンに昇華した。
寿司飯として輝いていたご当人は不本意なんだろうが、麗しく油脂をまとって変身したコメ様がやってきた。
いやはや脳天直撃の官能的な味だった。軽く酸味の残った寿司飯が貝のエキスを染みこませたバター汁をまとい、ちょっぴり焦げまであしらわれてホクホク湯気を立てている。
どうしましょっ!ウヒョって感じだった。
ウマいんだから邪道でも許してもらおう。邪道ついでにお子ちゃまのようにツナ軍艦スペシャルも食べた。本マグロを使った贅沢ツナだ。これも一種の裏メニューなのだが、私にとっては常食みたいなものだ。
上等なネタを揃えるお寿司屋さんを相手に実に不見識な行動である。いつものことだが・・・。
そういえば、最近は最後の最後に食べるタマゴもシャリを多めに握ってもらう。個人的にはその方が絶対ウマイと思う。
うーん、ダラダラ書いてきてオチが見つからない。まさに書き殴りだ。
ちなみに実家時代、一人暮らし時代、そして今に至るまで冷蔵庫には、なめたけや岩のりの瓶詰めを切らしたことがない。
それさえあれば今でも2合から3合の炊きたてメシは簡単に食べられる。
福神漬けが浸かっている赤い汁をかけてもガンガンいけるし、韓国海苔をちぎってまぶしてもいい。餃子のタレだけをまぶして食べるコメも素敵だ。
何だかんだ言って一番好きなのはトンカツと一緒に食べるコメかもしれない。
ソースをベタッと付けたトンカツを白飯にヒタヒタとくっつけて、うっすら汚れた?あたりを頬ばる時の喜びは、まさに比類無きものだと思う。
ああトンカツ喰いたい。
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