2012年6月18日月曜日

飛行機

インターネットに溢れるナマの旅行情報は、ガイドブックでは分からない旅行者目線の話が読めて有難い。マイナーなホテルの情報も簡単に手に入るし、コト細かな現地情報も知ることが出来る。

その手の情報を求めていろいろなサイトを覗いていると、飛行機に関する利用者の批評というか感想が想像以上に多い。分からなくはないが、そんなことはあまり気にしてもしょうがないと思う。

安全に定刻に運航してくれれば他に求めることはない。JALがどうだANAがどうだ、外国のエアラインはこうであーでっていう話は、ネットに溢れるラーメンへの妙に高度な考察のように何となくシックリこない。

機材トラブルの件数や定刻での離発着実績みたいな情報は参考にしたいが、乗務員のサービスだとか機内食の味だとか、そんなものに過剰な期待をしても仕方がない。

私が何度も使っているフィリピン航空を例にとると、サービスは非常に雑だし、ビジネスクラスにスパークリングワインすら置いていないし、備品もちゃちだし、いいところはまったくない。嫌いだ。でも乗る。

セブ島への直行便があるのはフィリピン航空だけだから、実用性、効率性だけのツールとして割り切っている。どんなにサービスが良くても乗り継ぎ便をわざわざ選ぶほどモノ好きではない。

必要な備品とか、食べたいものがあれば自分で持っていけばいい。あとは寝ていれば済む話だろう。

どこのエアラインを使おうが、機内食なんかに期待しても仕方がない。機内に調理場があるわけでもなく、どう頑張っても作り置きを温めるわけだから過度の期待は意味がない。カップラーメンのほうがよっぽどウマかったりする。

10時間以上のフライトタイムの路線であれば、シートが倒れる角度はどのぐらいか、フルフラットになるのか、好きな時間に食事ができるのか、オンデマンドで見られる映画の選択肢はどのぐらいあるのか、などが気になるのは確かだ。

それでもたかだか12~13時間程度の拘束時間だ。睡眠導入剤をガシッと飲めばなんとかなる

短距離、中距離路線なら尚更だ。わずか数時間なんだから、その時提供されるサービスの範囲でやりすごせばいい。

電車に何時間も乗る時はボケーとその時間を我慢している人が、移動手段が飛行機になった途端、あれこれ難しい注文を言いたくなる心理が不思議だ。単なる移動手段だと鷹揚に構えた方が気持ちが楽だと思う。

私の場合、アイマスクや耳栓やその他諸々の機内セットを常時持っているし、自分の好きなツマミ類も持参する。雑誌や本も大量に持ち込む。

成田発なら巻き寿司や好みの弁当まで持参することも多い。そうなればマズそうな機内食は、酒のツマミとして前菜だけもらって残りはパスできる。

一般的に、エアライン側の事情で食べたくもない時間に機内食が提供されるわけだから、付き合いたくなければ付き合わなければいい。無理してブロイラーみたいに食べることはない。堂々とご遠慮しちゃった方が賢明だ。

アッパークラスでさえ、大して広くもない座席空間をテーブルで占拠されるから閉そく感はかなりのもの。足だって組めないようなハメになる。行儀の悪い私にとっては拷問みたいなものだ。

手でつまめるナッツ類とかチーズなど肴にして、食事はこれまた片手で済ませられる笹巻寿司とか豪華カツサンドとかを頬ばっていれば空間の狭さに困ることもない。

乗務員がブスだ、ババアだと文句を言ってる人もいるが、これまたくだらない話だ。変に若くて可愛い乗務員なんかだと、自意識過剰なのが多いし、こっちだってソワソワしてしまう。やはりバアサンとかオッサン乗務員がソツなくサービスしてくれた方が有難い。

ついでに言うと、日系の航空会社の過剰なまでの接遇は正直、前時代的でうっとおしい。こっちは偉人でもVIPでもないんだから、ああまでへりくだられると逆に居心地が悪い。かえって何かを頼むのが億劫になる。

日本の航空会社ならではの慇懃無礼に思える程のへりくだり過ぎのサービスは、後進国特有のものだと聞いたことがある。後進国の場合、飛行機を使う人がお偉いさんばっかりだから必然的にそうなるらしい。

日本のエアラインもサービス業として常識の範囲で応対してくれればいいと思う。ウロウロと人の顔色見ながら巡回するより、ほっといてくれるほうが有難いサービスだろう。

こっちがヨダレ垂らしながら週刊誌のエッチグラビアを楽しんでいる時に、「お飲み物はいかがですか」などと乗務員がヌ~っと登場すると軽い殺意を覚える?ほどだ。

飛行機がまだまだ珍しかった次代の名残りなんだろうけど、いまどき飛行機を特別な人が特別な時に使うものだと思ってる人など皆無だろう。

もっとアッサリとサービスして欲しいし、アッサリと過ごしたい。

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