今年の流行語大賞には「団結力」がノミネートされるような気がする。
オリンピックの大舞台で「団結力」が大きな力になったことは間違いない。競泳、アーチェリー、サッカー、卓球、フェンシングなどなど、ニッポンの団結力に随分と感動させてもらった。
旅行するにも酒を飲むにも「おひとりさま」が好きな私としては、自分のそういうエゴな部分をチョット反省したくなった。力を携えてコトにあたる素晴らしさを改めて見直したい。
震災復興だって団結力が不可欠だし、何かにチャレンジしたり、何事をやり遂げるにも団結力は欠かせない。
話は変わるが、造反ドミノが続く民主党の内情などは、団結力のかけらもないお粗末ぶりが際立ってきた。まさに断末魔だ。
オリンピックで感激させられた日本チームの団結力に比べると、あのズッコケぶりはハチャメチャだろう。党内でまったく団結できないクセして、ヨソ様である自民・公明とヘタな団結を画策する。
自民党も実にビミョーだ。消費税増税でヘナチョコ民主と「団結」しちゃって、政権奪取への追い上げムードは一気にしぼんだ。
公然と造反して、表面上はスジを通した格好になった小泉ジュニアの評判だけが上昇する始末。なんだかなあって感じだ。
またまた話が飛ぶ。
団結という話題ついでに、日頃感じていた税金の話を書いておきたい。
「富裕層」とか「高所得者層」という名のマヤカシについてだ。
来年から所得税の給与所得控除に制限が設けられることになった。給与収入に応じて差し引ける、概算の必要経費みたいな制度だが、改正後は、収入1500万円を境に控除額が打ちきりになる。
理由はただ「高所得者だから」という乱暴な話。労働組合が支持基盤の民主党政権らしいコスッカライ政策である。
1500万の給与をもらっている組合員はさすがにいないだろうから、支持母体の顔だけを立てた政策と言えよう。
1500万円が高所得者かどうかといえば、一応「高」の部類に入るだろう。各種統計データから見ても相対的に見ればそういうことになる。
だとしても、1500万円を境に、その上の所得階層を一律同じ扱いにするという考え方が実にバカげている。暴力的発想だろう。
年収5億円、10億円の本当のリッチマンと年収1500万とか2千万の人が同じ土俵で税制上は区分されるわけだ。自分より10倍、100倍稼いでいる人と同じ枠で型にはめられるわけだから、傍若無人と表現しても大げさではない。
年収2~3千万円と言えば、中小企業のオーナー経営者が多く含まれる。ある意味、日本の経済を根っこで支えている階層である。
このクラスをイジメ抜いて意味があるのだろうか。税制上もそうだし、各種の給付についても、たかだか年収800万とか1千万円あたりで足切りされ、たいていの給付金は貰えない。
子ども手当だって、結局、年収900万円前後で線引きされて、導入当初の話とはまるで違う「高所得者イジメ」が当然のように行われるようになった。
つくづく思うのだが、団体の有無がこうした乱暴な政策に影響している。世の中にはありとあらゆる同業者団体、職能団体、思想団体が存在する。
自分達に不利な動きがあった際には、団結して対応して悪影響を最低限に抑えようと機能するわけだ。行政、立法サイドでも当然、然るべき加盟者数を誇る団体からの要望には耳を傾ける。
一個人が正論をブツよりも、エゴ丸出しだろうとも数を背景にした団体による圧力は当然威力を発揮する。
そう考えると中堅高所得者層の団体など世の中に存在しないわけだから、実に弱い立場ということになる。
年収1千万円から5千万円ぐらいの所得階層の人々による団体があったら、少しはハレンチな政策にブレーキがかかるのではないだろうか。
それこそ団結力だろう。
当然、それ以下の所得階層の人々からは金持ちのエゴだのワガママだの、批判されるのだろうが、あくまでも、年収5億、10億クラスの階層と同じ土俵で国の政策ターゲットになることがバカげているという点は声を大にして主張すべき話だと思う。
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