今日は食べ物の話。
野菜より魚、魚より肉が好きという人が日本国内で7500万人ぐらい存在すると思うが、基本的に私もそんな一人だ。
肉といっても、馬も羊もワニも食用が存在するし、それぞれがそれぞれの旨味をもっているから、一概に「肉」を語るのは難しい。
一般的に牛、豚、鳥が御三家的位置付けだろう。日本人の感覚だと価格や好みもこの順番で認識されることが多い。
若い時は私自身がそんなパターンを信じて疑わなかったが、近年は鳥、豚、牛が好物の順番になった。正確に言えば、牛の前か、豚と同点で馬が位置するような感じだ。
食にうるさいフランス人が喜ぶジビエは鳥系が主役だし、2本足の生き物なら親以外は食ってしまうという中国でも、高級料理は鳥方面である。
鳥と書くより鶏と書いた方がピンとくるが、今日はあえて鳥の字を使いたい。鴨とかアヒルとかガチョウとかそっちを含む「鳥類」の雰囲気が色濃くなる。
中華料理の中で、ひときわエバっているのが北京ダックだ。私も大好きだ。一度でいいから、紹興酒を片手に北京ダックだけを10本以上延々と食べ続けて幸せに浸りたいのだが、ついつい専門店に行っても、クラゲとか海老とか余計なものを注文してしまう。
鶏もブヨブヨしたブロイラーを除けば、皮のウマさは比類無きものだ。あのジューシーな旨味は鳥の叡智そのもの?だ。
鶏ですらそうなのだから鴨とかガチョウとか、ひと癖ある連中の皮のウマさは悶絶モノである。
先日、北京ダックの専門店である「全聚徳・銀座店」に久しぶりに出かけた。ここの北京ダックは皮だけでなく、肉もしっかり加わっているので食べ応えがある。
お馴染みの北京ダックを巻いてもらう前に、焼きたての皮に砂糖をまぶして食べさせてくれるのが、この店のウリだ。
一見、砂糖ですかあ・・・と少し引きそうになるが、口に入れると顔がフニャフニャになるぐらい美味しい。ジュンワリ広がる皮からにじみ出る油が砂糖と溶け合って身震いしたくなる。
紹興酒と合わせたら、ついつい尖閣問題も忘れそうになる。
皮付き肉を巻かずに、そのまま甜麺醤をつけて酒肴にするのも悪くない。鴨肉の旨味は紹興酒と最高の組み合わせだと思う。
その昔、頻繁に香港に通っていたことがある。日本ではあまり見かけないガチョウのローストを食べることが楽しみだった。
正直、鴨とガチョウの違いなんか分らないが、甘めにローストされたガチョウの皮もまた世界遺産に認定したくなる美味しさだ。尖閣問題を忘れそうになるほどだ。クドいか。
有名店「ヨンキー」には必ず出かけた。旅行者が機内持ち込みでお土産にするほどウマいことから「フライング・グース」という俗称まであるほどだ。ご多分にもれず、私も帰国便にはたいていこの店のローストを持ち込んでいた。
ああ、久しぶりに食べたい。
東京であの手のローストのウマい店があったら是非教えて欲しい。
さて、ダックに話を戻す。
先日、面白い料理に出会った。北京ダックならぬ「四川ダック」だ。そんな料理が存在するとは知らなかったが、また食べに行きたいと思わせるほどウマかった。
神楽坂にある「芝蘭」という店の名物料理だ。取り分けてしまった後の画像なので雰囲気が伝わらないが、しっかり味付けされた皮付き肉が複雑な味わいのスープに浮かんでいる。
せっかくパリッと焼き上がっていたはずの皮がスープでしなびちゃったら意味がないなあと思いながら食べてみた。
予想に反して、スープを吸った皮が絶品だった。似ている料理がないというか、他に例えようのない不思議な味わいだったのだが、物凄く深みのあるスープと鴨肉が絶妙にマッチしていくらでも食べられそうな味だった。
「知らなかった味」、「予想外のウマさ」にこの年になって出会えると無性に嬉しい。おまけに“鳥方面”のスターである鴨を使った料理だったから必然的に私はご機嫌麗しくなった。
憎しみ合っている人同士が、こういう料理を共に食べれば、すぐに仲良しになれそうな味だった。今度、鬼嫁と来てみようか。うーん、、あまりのブラックジョークにわれながらビックリだ。
バカですいません。
この店、本格的四川料理の店だから、麻婆豆腐とかのその他の料理はかなり辛い。仲良しの人が仲たがいしたくなるほど戦闘的な辛さだったりする。仲たがいしている同士で来たら殴り合いになりそうだ。今度、鬼嫁と来てみようか。うーん、惨殺されそうだからやめよう。
アホですいません。
なんか良く分からないオチになってしまった。
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