普段、貴賓室と呼ばれるところに行く機会は滅多に無い。「全然無い」と書かないあたりが、「富豪」たるゆえん、いや、強がりだ。
そんな私が先日、伝統ある東京競馬場の貴賓室に行ってきた。「貴賓」だ。気品のカケラもない私の居場所としては場違いだが、さも慣れ親しんでいるような顔をして過ごしてみた。
ギャンブルに縁のないカタブツとして生きている私だ。競馬についてもまったく知識がない。1着、2着を決めるだけだろうと思っていたスーパー無知だったから、場違いも甚だしい。でもJRAの職員が優しく教えてくれたので無事になけなしの小遣いを失うハメになった。
貴賓室がある建物は1階の入口にガードマンが立っていて、ゴージャスかつ排他的な雰囲気。凛とした空気とチリひとつ無い高級なフロアにはバーカウンターがあったり、専用馬券販売所まである。
自動発券機の前にはJRAの女性職員が常時待機し、アホ丸出しの質問にもにこやかに答えてくれる。
テラス席からの眺めがまたいい。それこそ一般のお客さんがいる遙か下の場所が、まさに下界という感じがする。
そうはいっても、芝生の香りや疾走するサラブレッドの躍動感を感じるには貴賓スペースは高層階にありすぎる。この点は、下界のほうが絶対に楽しそうだ。
今回、こんな機会に恵まれたのは、わが社が発行する富裕層向けのフリーペーパーの愛読者企画に便乗させてもらったからだ。
「貴賓室への招待」を謳う媒体広告連動企画をJRAとタイアップした我が社の営業マンは、何を隠そう過去に大穴を当てた経験があるらしい。そういう経験が仕事につながるのならギャンブル好きも悪くない。
で、肝心の私の戦果について書かねばなるまい。燦々たる結果だった。それもそのはずだ。やはり無知な人間の我流など通用するはずもない。
この日は、今回の企画用にわざわざ競馬記者とかが専属でレース解説や予想をしてくれていた。ちゃんと聞いて参考にすればよかったのに、アマノジャッキーな私は滅茶苦茶な買い方に終始した。「まるでだめお」である。
負け惜しみ半分だが、それで良かったと思っている。秋晴れの爽やかな休日に貴賓室なんかにふんぞり返って、大勝ちしてしまったら、アホな私は自分にギャンブラーとしての才能があると勘違いしたはずだ。
負けて勝つ!。今後の人生はギャンブルで傾かないはずだから、競馬の神様に感謝だ。
この日は、全レース終了後、この企画の参加者限定で通常は入れないエリアにも案内してもらった。勝ち馬ジョッキーがインタビューを受ける場所とか、ウィナーズサークルとかパドックの中にも入れてもらった。
ウィナーズサークルあたりから見上げるスタンドの威容に結構感動した。夕暮れ迫る時間、ライトアップされたスタンドの美しさは中々のものだった。
でも、結局は小市民である私としては、一般の観客がノンビリ1日を過ごせる芝生スペースに弁当とゴザを持参してピクニック気分で出かけたいと思った。
想像していた競馬場という雰囲気とは大違いで実に爽やかな雰囲気。売店もたくさんあったし、実際に家族連れがノンビリ公園感覚で過ごしている姿が目立った。
呑気に本なんかも持ち込んで軽く一杯ひっかけながら、気が向いたら馬券を買って、日がな一日過ごすのも良さそうだ。
やかましくて空気も悪いパチンコ屋で不健康にスッカラカンになるのなら、競馬場のほうがやはり文化的だ。老後の趣味に良さそうだ。
それにしても、実際にウン万円もスッてみて良く分かったのだが、あれだけ堂々と楽しくギャンブルを楽しめる場所が日本中にあるのだから、カッコつけたり屁理屈こねたりしないで、国営カジノとかをバンバン作ればいい。
尖閣諸島なんかを一大カジノゾーンとして開発して、中国のお金持ちにわんさか来てもらえばいいと思う。
総理大臣になったら実行してみようと思う。
尖閣諸島、大カジノいいアイディアだ!!
返信削除竹島にもカジノですかね・・・。
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