クレジットカードを使い始めてウン十年。整理してきたつもりだが、今も結構な枚数を持っている。ポイントや各種特典を考えると、1枚に絞った方がトクだが、そうもいかずに複数のカードホルダーだ。
実際、海外でキャシングする事態になったとき、なぜか使えるカードと使えないカードがあったりするし、口座引き落としの時間差も捨てがたいので、複数持っていたほうが何かと便利だ。
世界中どこでも使えるという意味ではVISAが一番なので、それを複数、その他にダイナースとか、法人カードとか、アメックスも活用している。
アメックスのプラチナカードは10年以上は使っているだろうか。当時、やたらとそそる案内に引っかかってゴールドカードから乗り換えてしまった。
それから数年経って、ブラックカードが登場した。そのせいでプラチナの位置付けはよく分からない感じになってしまった。
ブラックカードへの移行も当然のように勧められた。この時の案内が、これまたイヤらしかった。
名前も番号も刻印された現物の黒光りカードが送られてくる。「さあ、今からすぐに使えます」という趣旨だが、「とっととバカ高い年会費の餌食になりやがれ」という印象があったので、さすがにパスした。その後、二度と案内が来ないから、アメックスのブラックは乱発されずにキチンと運営されているようだ。
でも年会費が30万円ぐらいするはずだから、どう逆立ちしたって元は取れない。まあ、元を取るとか取らないとか言ってるような性質のものではないから仕方が無い。
ヘリとかプライベートジェットもすぐ用意してくれるらしいし、銀座あたりの高級ブティックで貸し切りショッピングもアレンジしてくれる。
私の場合、そんなサービスを必要とするほど時間に追われてないから、アメックスの誘惑にホイホイ乗らずに済んだわけだ。
プラチナだって年会費10万円を超える。自動的に各種の保険が付帯するが、それにしても高額だ。でも何となくやめられないのは24時間電話対応してくれるプラチナデスクのおかげだ。
旅行好きにとっては世界中の航空券や列車、船なんかの手配、ホテルの優待料金のチェックを瞬時にしてもらえるのは有り難い。
それ以外にも、一定のホテルであれば部屋のアップグレードやレイトチェックアウト、無料朝食サービスが受けられる。
シェラトンやウェスティンなどのスターウッドグループ、メリディアンなどのアコーグループ、その他の大手ホテルチェーンでも、プラチナカードを持っているとホテルグループの上級会員に無料で登録できる。
それ以外にも、世界中の空港ラウンジの無料パスとか、プラチナデスク経由で手配した旅行関係については、キャンセルした場合のペナルティー費用を補填する保険なんかも付いている。
とかいいながら、私の場合、潜水行脚のために比較的僻地の宿に泊まることが多いから、なかなか特典を使い切れていない。有名ホテルがあるような場所にしょっちゅう行くなら大いに意味はありそうだ。
そう考えると、年会費に見合う恩恵は全く受けていないことになる。最近は、航空券の手配も旧友が旅行会社にいる関係で、いろいろわがままを聞いてもらえる。ホテルだって、インターネット限定のヤケのヤンパチみたいな投げやり価格を探すのが楽しい。
ここまで書いてきて、今更ながら年会費のムダが気になってきた。その分、老後のために貯金した方が堅実だ。いや、そんなことでは日本経済がダメになるからもう一踏ん張りしようか。
思いは千々に乱れる。どうしたもんか。
というわけで、プラチナカード用のサイトから今現在の期間限定特典を調べてみた。ふむふむ、豪華客船「飛鳥Ⅱ」の世界一周クルーズが紹介されている。全部で100日以上の旅程だ。
一番高い部屋で1名あたり2700万円もする。ドヒャーである。一応、プラチナカードホルダーへの特典もしっかり用意されている。「旅行代金の2%分のクレジット」をくれるそうだ。54万円である。これなら年会費の元が取れそうだ。よし!
いや待てよ。ワイシャツ1枚100円のクリーニング屋を見つけて喜んでいる私にとって、2700万円の船旅はあり得ない…。
さっきもペヤングソース焼きそばを心からウマいと思って頬張っていた私である。豪華クルーズなんてガラではない。屁のカッパである。なんか言葉の使い方が間違っている気がする…。
なんだかアホバカ話になってしまった。
もう四半世紀以上も世話になっているクレジットカードだが、考えてみれば、簡単にローン、すなわち分割払いが可能だし、チャッチャとキャッシングも出来てしまう。
私の場合、若い頃からそういう使い方に頭が回らなかったせいで、今まで支払いに窮したり、ゴタゴタした経験に遭わずに済んでいる。
金利の計算が苦手だとか、分割払いがいくつも重なるのが怖かったという幼稚な頭脳のおかげで無難にカード生活が出来たようなものだ。
賢くないことも時には役に立つ。賢かったら大きな失敗と隣り合わせで生きるようなものだろう。
バカでいいや…。
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