東京出身。富豪になりたい中年男。幼稚園から高校まで私立一貫校に通い、大学卒業後、財務系マスコミ事業に従事。霞ヶ関担当記者、編集局長等を経て現在は副社長。適度に偏屈。スタイリッシュより地味で上質を求め、流行より伝統に心が動く。アマノジャクこそ美徳が信条。趣味は酒器集め、水中写真撮影、ひとり旅、葉巻、オヤジバンドではボーカル担当。ブログ更新は祭日以外の月曜、水曜、金曜。 ★★★スマホでご覧頂いている場合には画面下の「ウェブバージョンを表示」をクリックしてウェブ画面に飛ぶと下側右にカテゴリー別の過去掲載記事が表示されますので、そちらもご利用ください。
2013年6月5日水曜日
映画の話
今日は映画の話。といっても、映画館にマメに出かけるほどの映画好きではない。BSで放送されていた昔の作品なども交えてアレコレ書いてみたい。
ヒッチコック監督の1958年の作品「めまい」。ストーリーの面白さ、少し怖いようなドキドキする展開、あっと驚くラストのどんでん返し等々。非常に面白かったのだが、そんなことより主演女優キム・ノバックの美貌が衝撃だった。
好みだとかタイプだとか、そういう低次元の発想を超越したビックリ仰天な妖艶美に圧倒された。ドヒャーという感じだ。画像はネット上で勝手にパクってきました。スイマセン。
さて、キム・ノバックだ。「昔の女優」。まさにその一言。単に「魅力的」とか「親しみやすさ」とか、そういうお手軽感の外側に存在する異次元的かつ超絶的な美人だろう。
オードリー・ヘップバーンの妖精のような美しさとは違う独特な雰囲気。寄らば斬られるぐらいのオーラが出ている感じ。
当時は売れっ子だったようだが、私としては、初めて知った存在だし、他の作品を見たことがないのでこの1作だけの印象だ。この映画、その部分だけでも見る価値アリの映画だと思う。
全然、作品と関係ない話でスイマセン。
続いては山田洋次監督の「東京家族」。個人的には期待外れの作品だった。昭和の小津作品へのオマージュだとのことだが、それに縛られ過ぎ。
全体のテンポやセリフ回し自体が不自然にゆるゆるしていた。あの味わいがウリなのだろうが、万人ウケとは違う世界観だと思う。演じる人々も、その雰囲気に縛られてしまった感じで、もったいない印象。
次に行きます。北野武監督の「アウトレイジ」。続編である「アウトレイジ・ビヨンド」を見る前に「1」を見ておこうと、レンタルビデオ屋で借りて見た。「ビヨンド」はイマイチだったが、「1」の面白さに唸った。
公開時には単なる暴力映画だと思って敬遠していたが、改めて観てみると、人間の醜い欲望や業が見事に掘り下げられていてちょっと感動した。
たけし監督は何だかんだいって鬼才なんだろう。改めてそう感じた。でも、監督を誉めるより、私が言いたいのは「三浦友和、萌え~」である。渡辺謙のライバル役として悪辣エリートに扮した「沈まぬ太陽」あたりから大好きな俳優になった。
そろそろ安売り紳士服の広告キャラクターはやめればいいと思う。松方弘樹のシルクのパジャマの広告と並んで、個人的に名優のああいう仕事はあまり好きではない。
これまた全然映画に関係ない話でスイマセン。
続いて「私の奴隷になりなさい」。壇密の主演作である。だいぶ前の話だが、暇に任せて場末の映画館に見に行った。
その後、この映画をこっそり見に行ったことをFacebookには恥ずかしくて書けなかったことを、結局Facebookに書き込んでみたら、大勢の人々から「いいね」を押してもらったから良しとしよう。
感想は特になし。強いて言うなら「壇密よ、有り難みが無くなるから、そんなに脱ぎまくらないでくれ」である。
続いては、久しぶりに映画館まで行って鑑賞した映画の話。
現在公開中の「くちづけ」という邦画だ。主演は竹中直人。監督は堤幸彦。
http://www.kuchizuke-movie.com/
その昔の売れっ子漫画家(竹中)が、妻に先立たれ、知的障害のある娘(貫地谷しほり)と二人で暮らしている。
縁あって知的障害者のグループホームに暮らすことになった親子と周囲の人々とのふれあいを描いた物語である。
あまりアレコレ書くとネタバレになるので遠慮するが、精一杯明るく楽しく描かれてはいるが、見終わった後に爽やかな感覚にはなりにくい。個人的には笑える場面で笑えなかったし、泣ける場面でも泣けなかった。
障害者を家族に持つことというテーマを重々しい角度とは違う視点で取り上げた点では画期的だと思う。ただ、非常に現実的、かつ救いの無い残酷な結末が切ない。こういうテーマをエンターテイメントに昇華させるのはなかなか難しいのだろう。でも、ある意味とてもリアルで、綺麗事で済ませなかった部分がキモだろう。
もう一つ、とても穏やかな気分になった映画について書いてみる。
上記の「くちづけ」を観に行った日の深夜にたまたま数ヶ月前に録画してあった映画を観た。切なくて、少し残酷な点では、奇しくも「くちづけ」と相通じるものがあった。
「きみに読む物語」という10年ほど前のアメリカ映画だ。原題は「THE NOTEBOOK」。邦題のネーミングが実に秀逸だ。
ある療養施設に暮らす高齢の女性。その女性に物語を読み聞かせてあげる同年代の男性。読み聞かせている物語自体が本編となる作品だ。名作「フライド・グリーン・トマト」にも似た世界だ。
物語は1940年代のアメリ南部の町。ひと夏の恋で終わるかと思われた若者の熱い情熱と、その後の人生の変転。そして現在に至る…。
勘の良い人なら割とすぐに年老いた男女の関係は分かるが、たとえストーリー展開が見えちゃっても、一途な愛の尊さに心打たれる素敵な作品だ。
アメリカ人が創るこの手の「永遠の愛情モノ」は、さすがに出来が良い。わざわざレンタルビデオ屋に行く価値はあると思う。
それにしても、死ぬまで仲の良い夫婦関係って実に偉大なことだ。そういう生き方が出来れば、それだけで天国行きの切符を手に入れたようなものだろう。
相手を愛おしいと思ったまま晩年を迎えられたら、それこそ人生でも最大の幸運だと思う。
刹那的に生きている人は、生き方を考え直す良い教材になりそうだからゼヒ観ることをお勧めする。
というか、私自身が何度も観て勉強しないといけないのかもしれない・・・。
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