2013年11月29日金曜日

偽装バンザイ


週が明ければ12月である。カレンダーも残り1枚である。オッタマゲである。

肝臓や胃腸が頑張る季節である。夜の予定もそこそこ埋まってきた。しじみエキスや数々の機能強化サプリのおかげで準備は万端である。

仕事に絡んだ付き合い酒も増える季節だ。エラい人のダジャレをおかしそうに笑ったり、エラくない人からオベンチャラを聞かされたり、アノ手の時間は非生産的である。それも浮き世の努めだ。

気の置けない友人とワイワイ飲んだり、さもなくば一人気ままに酔っ払うほうが楽しい。毎日がそっちだったら寿命も延びると思う。

さて、12月といえば、銀座あたりのクラブ活動が面倒な季節でもある。ワケの分からない「パーティー」とやらの誘いがアチコチから届く。

正直、あれが苦手だ。何のパーティーだか意味不明である。普通は「開店10周年」とか一応の大義名分があるが、あの世界のパーティーにはそんなものはない。まあ、かき入れ時だから理由なんて何でもいいのだろう。

四の五の言わずに付き合うのがイキな客なのかもしれないが、混んでるし、騒々しい。パーティー期間だと知らずに訪ねて、その盛況ぶりにビックリすることもある。

「みんなで世の中を盛り上げまっせ」という空気がわざとらしくて苦手だ。さりげなくないことは嫌いだ。

こういう感覚が私のアマノジャッキー的ダメな部分でもある。

実際、これからの時期はどこの店も繁盛するわけだから、わざわざ行かないでもいい気がする。

もっと暇そうな時にふらっと覗いたほうが店も助かるだろうし、こっちも落ち着く。


そうはいっても、普段いろいろお世話になっているオネエサマがたに少しは貢献しないといけない。そんな呪縛のような感覚で少しは顔を出すことになるのだろう。

あの世界は世の中の潤滑油みたいなものだ。難しく考えずに気が向いたらフラフラ行けばいいのかもしれない。

食品をめぐる偽装や虚偽表示が問題になっているが、夜の世界の偽装は大いに歓迎である。どんどんエスカレートすればいい。

ブラックタイガーちゃんは車エビさんになればいいし、とび子ちゃんもキャビアさんに化ければよろしい。

夜の世界の偽装は、巧妙であればあるほど賞賛に値する。一生懸命さが伝われば魅力的に映る。

「錦糸町のスナックで偽装の努力もしないでダラダラしている美女」よりも「それなりの銀座の店で偽装に努力するヘチャムクレ」のほうが魅力的である。

そんなものだ。

髪型、化粧、衣装、そして、寄せて上げる胸元とか、すべてが客を「オ・モ・テ・ナ・シ」するための虚偽表示みたいなものであり、客も素直にケナゲな偽装に拍手喝采すればいい。

個人的に仲良くなってムフフな事態に進展したときに「違っとるやないけ!」と怒るのはアホである。

偽装されたパーツにホレるのではく、偽装する心意気にホレなければならない。

うん。名言である。


最近は昔と違って、トーテムポールみたいな髪型の女性がいなくなったが、あれはあれで非日常を演出するには効果的だから、ぜひ復権して欲しいと思う。

考えてみれば、客だって偽装しているようなものだ。ひと皮むけば皆さん疲れたオッサンである。家庭に戻れば単なる粗大ゴミだったりする。

家に帰ればヅラを外し、ステテコで転がって屁こきジジイとして過ごしているのに、夜の世界に赴くときはビシッとナイスミドルに化けたりしている。

そういう偽装自体がオッサン達のエネルギー源になっている部分もあるのだろう。夜の止まり木に立ち寄って、ノンビリとくつろぐことも結構だが、時にはキザになってカッコつけることも大事だ。

「まだまだオレだって現役だぜ」と錯覚することは、社会の活性化にとって必要な要素だと真剣に思う。オネエサマがたには大いに世の男性どもを錯覚させて欲しい。

オネエサマがたも一皮むけば淋しい女性が大半である。結構わびしい一人者生活に追われている。

つまるところ、「疲れたオッサン」と「淋しいオネエチャン」が一生懸命に「変身」して浮き世の艶を作りあげているわけだ。

そんな突っ張り合いみたいな世界だから奥深いし、面白いのだと思う。

さて、懲りずに12月も絡め取られに行くとしよう。

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