2013年12月25日水曜日

窮屈コラム


記憶があやふやなとき、意外にもこのブログが役立つことがある。3年前、5年前あたりの出来事を確認したいときに、過去の投稿をたどると正確な日時が分かったりする。

ポリープ取ったのはいつだっけ?、マンタを撮影したのは何月だったか?、寝台特急に乗ったのは何年前だっけ?等々、結構便利である。

ポリープうんぬんの話だと、たとえば医療保険の審査の際の告知事項だから正確な年月が分かると大助かりである。

読み返すついでに、その前後に書いてあるチャラけた話もついつい熟読してしまう。自分で書いてきたのに結構忘れていることも多い。

モノを書き残すことの効用ってなかなか侮れない。今書いていることも将来、記録として役立つかもしれないから、このブログはネタがなくても書き続けようと思う。

ということで、今日はあまりネタがない。無くはないのだが、さすがにここでは書けない話だってある。書きたくてもかけない話もある。オトナの事情はさまざまである。

一時期、内緒のブログを作って、絶対に表で書けないようなアダルティ~ベリーマッチな話を書いていたことがあった。でも、自分で怖くなって?やめてしまった。全削除である。

とか言いながら、このブログも読み返してみると随分オチャラけた話を書いている。睾丸、いや紅顔の至りである。

すいません。「汗顔の至り」が正解です。「紅顔の至り」は誤用です。「睾丸」に引っかけたかっただけです。。。。

さて、そんな私だって普段は真面目なことも書く。専門新聞を複数発行する会社の編集トップである以上、今でもコラムは書いている。

コラムだから難解さを避け、なるべく軽いノリで仕上げたいのだが、題材が制約されているから、どうしても小難しい話に終始してしまう。

文字数も決まっているので、脱線もできないし、さすがに書きながら窮屈な思いをしている。

言ってみれば、そういう窮屈な作業があるから、その裏返しで、このブログを気ままに続けていられるのかもしれない。

ということで、今回は最近、我が社の新聞に載せたコラムをいくつか引用してみる。

引用でお茶を濁しているようでは「ブロガー?」として手抜きである。ダメである。

もっと楽しい話を書けるように、日々楽しいことに邁進しようと思う。


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「またやってらあ~」。そんなセリフしか出てこないのが年末恒例の新党結成だ。いまや「流行語大賞」や「今年の一文字」みたいな風物詩だろう▼今回の主役は「みんなの党」の内輪モメで出て行った議員サン達。ほぼ全員が比例選出の議員。すなわち選挙区で選ばれた個人というより、政党への支持で議席を得た人々だ▼単純に有権者への裏切り行為であり、選挙制度の欠陥を露呈した格好だ。語るに落ちるというか、語りたくもない話だが、このハチャメチャの元凶について考えてみたい▼政党交付金制度が政界の年末ドタバタ劇を招いているのは周知の事実。1月1日現在の国会議員数に応じて政党に税金から助成金が出る仕組みだ。95年から始まり、累計5000億円超の税金が使われている▼制度誕生の条件だったのが政治家への企業・団体献金の廃止である。ところが、政党支部を経由させる方法で事実上、企業・団体献金は存続。まさに詐欺▼国民を騙した二重取りの構図は醜いの一言。選挙の際には莫大な広告予算に化けるから大手メディアもスポンサー?に気兼ねして声高にインチキを糾弾しない。実に嘆かわしい現実だ。

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ヨーロッパを訪ねてきた。イタリアとスペインを回ったが、この2つの国は世界遺産の数では世界1位と2位。貴重な歴史的建造物がそこかしこに見られ、観光都市としての成熟ぶりはさすがだ▼大聖堂や教会群、いにしえの宮殿等々。ヨーロッパとは文化的、宗教的背景が異なる日本人の目線から見るとすべてが新鮮に映る。旅の面白さはこの点に集約されるのだろう▼そんな観点で捉えると、わが国の歴史的な遺産の数々は貴重な存在である。西洋社会で生きる人達にとっては、我々が思う以上に魅力的な存在だと確信する▼少子高齢化、人口減少、疲弊する地方の現状を思えば、外国人観光客の誘致はわが国にとって大事な成長戦略である。わが国では2006年に観光立国推進基本法が制定され、観光庁の設置も5年前のこと。まさに途についたばかり▼日本のポップカルチャーの人気は世界中に浸透中だ。東京オリンピックも追い風になる。五輪効果を単なる短期的特需と捉えるのではなく、真の観光立国への転換点と捉えるべきだ。インフラ整備と同等に重要なのは観光誘致に向けたソフト面の戦略だろう。

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「お医者さんと一緒に禁煙」。テレビCMでもすっかりおなじみになったが、禁煙のために病院に行く人は多い。古い世代の筆者にはピンとこない話▼2006年から健康保険を使った禁煙治療が認められるようになった。CMでは「月に2万円程度」で禁煙治療が可能と宣伝しているが、これは3割負担の部分。残りは健康保険から支出される▼私事で恐縮だが、以前、禁煙に成功したことがある。20数年来の習慣を断ち切るのは大変だったが、個人的な感想は「医師より意思」。ガムとかパッチも使ってみたが、結局は自分の意思が決め手だった▼そもそも国の管理下で販売奨励している商品の愛好者を病気とみなして、それをやめさせる行為に国が金を出す仕組みってヘンテコだ。国の協議でも最後までもめていたのがこの部分だ▼深刻な依存症は別として、自らの努力でやめようとしない人にまで保険で面倒を見る必要があるのだろうか。大いに疑問だ▼過度の喫煙が結果的に医療費を膨らますという理屈も分かるが、不妊治療や介護分野など保険が適用されずに困っている人に救いの手をさしのべる方が先決だと思う。

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「国に莫大なカネを払って商売させてもらっている感じだ」。優良企業の2代目経営者が発した言葉だ。先代が亡くなり、自社株評価が招いた高額な相続税を納めた感想だ▼このところ、相続をめぐる話題が世間を賑わせている。中小企業経営者にとっては、処分すら出来ない自社株が金銭換算されるわけだから負担感は強い▼調整措置はいろいろあるが、税金を納めないと土地を持ち続けられないし、事業も継続できないのが相続税制の基本的な姿だ。冒頭の嘆き節もあながち的外れではない▼律令時代の「班田収授法」では、農民が死んだら農地はお上に返上する仕組みだった。頑張って耕す意欲は必然的に薄くなり、その後の「墾田永年私財法」に大転換するハメになった▼諸外国の多くが相続税の廃止・縮小に向かっている。理由は、生前のさまざまな税金との二重課税に過ぎないという考えだ。至極真っ当である▼わが国の場合、富の再配分という社会主義的な考えが優先して、生前負担してきた税金との重複課税であるという側面が議論されることがない。木を見て森を見ずの典型的な話だと思う。

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