今年ほど春を待ち望んだことはなかった。
昨年の早い時期に心機一転、独身貴族?に舞い戻り、新しい生活を始めた。それ以降なにかとドタバタしていたから、早く年が明けて欲しいと思っていた。
そして今年。新しい年を迎えたら迎えたで、日本人的感覚では「節分」をまたがないことには何となく落ち着かなかった。
運気、運勢の境目は一般的には節分が区切りである。ということで、待ち遠しかった今年の節分を無事に突破したことで、ようやくスッキリした気分だ。おまけに財産分与に伴う税金をこの確定申告でドカンと納めた。スッカラカンになったがスッキリキンである。
今日は極めて個人的な話を書いてみる。自分自身に向けて気持ちを整理する意味合いも込めて、だらだらと書き殴ってしまうので御容赦・・・。
気ままに暮らす一方で、そこは私も人の親である。この1年、子供達との関係性に頭を悩ませてばかりだった。まあ、子供がいるにもかかわらず今の道を選んだこと自体、絶対に認めないと非難する人も大勢いるだろう。その辺はグダグダ言っても始まらない。
この1年、子供との距離感や気持ちのケアみたいな部分ばかり考えて過ごした。たかが1年だが、自分には大きな1年だった。
別々に暮らし始めた当初は、とにかく頻繁に会うことを心がけた。それこそ週末は毎週遊んだ。何を言っても言い訳になるし、四の五の言わずに親子は親子であることに変わりがないことを肌感覚で知ってもらいたかった。
思春期の入口にいる娘は、初めのうちは私がどこか遠いところに行ってしまうと感じて不安だったようだが、次第に新たなパターンに順応してくれた。
今では時々、私が暮らすマンションに遊びに来て母親の愚痴をぶちまけてスッキリした顔で帰っていく。母娘の関係に何も問題はないようだが、時々はぶつかることもあるみたいだから、緩衝材のように父親を使えばいいと思う。
二人だけの内緒事もいくつも出来た。娘にももちろん葛藤はあるだろうが、彼女なりに都合良く親の使い分けを実践している。
嬉しい誤算もある。以前より父親を「マトモな人」だと思い始めた点である。別々に暮らし始める直前の1年ぐらいは、生活時間帯がズレていたせいで顔を合わせるのは週末ぐらいだった。
週末の私はサリーちゃんのパパみたいなボサボサ頭でヒゲも剃らず、小汚いスウェット姿で自分の部屋にこもっていることが多かった。いわば、ボロボロ状態の父親ばかり見ていたわけだ。
今の形になってからは、必然的に私のそんな姿を見られる機会はない。会う時はこっちだって小綺麗な状態である。間違いなく「普通にちゃんとしている人」として認識されるようになった。
娘は私のマンションに来るたびに自分のiPodで聞く音楽を整理したり、新たに調達して都合良く遊んでいる。ドルチェグストの機械を面白がって抹茶ラテとかティーラテを勝手にグビグビ飲むのを常としている。
息抜きの場所みたいに過ごしてくれている娘の姿を見ると、この1年激しく葛藤したり混乱した自分の時間がムダではなかったと少し安堵できる。彼女自身、私に向かって「しょっちゅう会ってるから問題ないんじゃないの」と軽口を叩くようになってきた。
この春、娘は小学校を卒業する。信じがたいことに答辞をスピーチする卒業生代表に選ばれてしまった。アホバカ少年代表みたいだった子供時代の私からすれば、まさにトンビがなんちゃらみたいな話である。
娘がその報告のために電話をかけてきた時、まっ先に言ったのが、スピーチの内容を考えてくれということだった。
正直、総代に選ばれた事実よりも、そんな大事な作業に関して、母親より先に私を頼ってくれたことが嬉しかった。どうでもいいことのようで私にとっては大きな意味があった。
結局、「あまりに大人っぽい感じ」という理由で、私のスピーチ原稿は採用されず担任の先生が適当に作り上げたらしい。それはそれで結構だ。私にとっては娘と共同作業で原案作りをしたこと自体が大いに意味のあることだった。
まあ、卒業式当日、私はアホみたいに泣くだろうから答辞の内容など耳には入らないと思う。
中学生になれば、どんどん自我が強くなり、自分の時間で忙しくなる。父親のことなどウザったい存在に思い始め、邪険に扱い始めるだろう。
それはそれで正しい成長である。放っておけば良い。あくまで父親は適度な距離感で控えているという事実だけを思い知らせるようにしたい。慌てず騒がず考え過ぎずに付き合っていければいい。
最近は会うペースも落ち着いてきて、月に1度ぐらいしか顔を合わせないこともある。それでも、今月末のAKBの国立競技場コンサートにも二人で行くはめになったし、何だかんだと予定は入る。
節目節目で便利屋になってやれればいい。娘とはヨチヨチ歩きの頃から二人だけで遊んだり出かけたりしてきた。勝手ながらアイツとはしっかりとした絆が確立されている感覚がある。心配してもキリがない。何とかなるだろう。
続いては下の子供である。ここで何度か書いてきた通り、ダウン症として生まれた男の子だ。独特な世界観?の中で育ってくれている。
幸か不幸か、親の事情などまだまだ理解できないから、別々に暮らすようになっても半年ぐらいは自宅で私を探すことがあったらしい。
少し切ないが、この1年、アイツともなるべく二人で遊ぶ時間を作るようにしてきた。有り難いことに合併症はなく、とりあえず健康に育っている。
私の顔を見るたびに「散歩!散歩!」と要求するので、アイツに会う時は運動不足解消につながる。キャッチボールみたいな男の子的遊びをこなすには、まだまだ時間がかかりそうなので、こっちも体力維持に励まねばならない。
彼が通う特別支援学校は、たまたま私が暮らすマンションに近い場所にある。いろいろな行事を覗きに行くには便利で助かっている。
多少、手前ミソになるが、彼は周囲の理解者、協力者を和ませる不思議なオーラを持っているみたいで、先日参加していたイベントでも、そんな本領を発揮しまくっていた。
アメリカから来たダンス・ミュージカル集団が日本のアチコチでショーや学校単位でのワークシップを展開していた。
息子もなぜか参加メンバーに選ばれたので、出演させてもらうショーを見に行った。
ショーの内容や構成は、アイツの現在の知能ではハードルが高く、案の定、縦横無尽に好き勝手に動き回っていた。まさにマイペースでハッチャけていた。
でも、アメリカ人スタッフが公演中だろうと愉快そうに終始面倒を見てくれていた。有り難かった。終演後に聞いたのだが、練習中もアイドル状態だったらしく、ヤツが練習を休んだ時には、ショーにも欠場しちゃうのではと他のメンバーが大騒ぎしてくれたらしい。
彼にとっては全ての分野において、まだまだ出来ないことだらけだ。でも出来ないことを嘆いても始まらない。嘆いている暇があったら、ポジティブな部分を見つけたほうが建設的だ。
協力してくれる人、理解してくれる人を上手に増やしていくことは、彼が持つ不思議な能力かもしれない。甘えてばかりではいけないが、そんな能力が彼自身を助けている。
この1年、彼のことでも頭を悩ませてきた。でも、悩むこと自体が一種の偽善みたいなものでしかない。鼻クソみたいなものだろう。
悩んだからって何かが変わるはずもない。少なくとも悪い方向に進んでいるわけではない。その事実を周囲の人達への感謝とともに受け止める他はない。
先日も、街の雑踏でチンピラにぶつかったチビは、「邪魔、どいて!」と発言して、引率の先生が大変な目に遭ったらしい。いやはや、何とも無敵な?人生を歩んでいる。迷惑かけっぱなしだが、なんとか社会性を向上させるために事あるごとに指導していこうと思う。
私としては、子ども達と向き合うことを放棄するつもりは無かったし、今も無いのだが、やはり、一人になる選択をした時には、自分の決断がそういう意味合いなのかと鬱々した。長い間、どんよりした気分が晴れなかった。
でも、今年の春を迎え、気持ちに余裕が出てきたことを実感する。ウジウジしてたって何の意味もないし、今の方向で動き始めた以上、いずれ、自分が選択した道が間違っていなかったと心から納得できるように生きていくしかない。
人様からは理解されない部分もあるだろう。後ろ指をさされることもあるはずだ。それも自分の人生だから淡々と粛々と受け入れるしかない。居直った言い方をすれば、いまさら人様の目を気にするほど自意識過剰になっている余裕はない。
春である。やっぱり春はいい。どこか前向きな気分にしてくれる。カラ威張りして突っ走っていこうという気分になれる。
「僕の前に道はない、僕の後ろに道が出来る」。中学生の頃に習った詩の受け売りだが、せいぜいそんな風にムダにカッコつけて歩いて行くだけである。
これからの人生、毎年毎年、春が来るたびに今日ここに書いたような感覚でいられる自分でありたい。
以前にもコメントさせていただきました。
返信削除富豪記者さんのブログを見ると勇気づけられます。
僕は富豪記者さんの年収のおそらく数分の1にも満たないと思います。
仕事でもプライベートでも色々ありますが小さい事で悩んでる自分が恥ずかしくもなります。
このブログを読んでると羨望もありますが何故か勇気付けられます。おそらく性格的にも似てる?のか親近感が湧くのです。
素敵なブログをいつもありがとうございます。富豪記者さんに頑張ってくださいなんて恐れ多いので、マイペースに書き綴ってください。それを楽しみにしてる方々が沢山居ると思います。僕もその中の一人です。
今日一日頑張れる活力をありがとうございます。感謝の気持ちでいっぱいです。
コメント有り難うございます!
返信削除過分な御言葉、恐縮してしまいます。。。
ウダウダ好き勝手に書いてるだけですが、そう言っていただけると励みになります。
誰もが抱えている厄介ごとを少しでも陽気にやっつけられたらいいですよね!!
今後ともよろしくお願いいたします。