東京出身。富豪になりたい中年男。幼稚園から高校まで私立一貫校に通い、大学卒業後、財務系マスコミ事業に従事。霞ヶ関担当記者、編集局長等を経て現在は副社長。適度に偏屈。スタイリッシュより地味で上質を求め、流行より伝統に心が動く。アマノジャクこそ美徳が信条。趣味は酒器集め、水中写真撮影、ひとり旅、葉巻、オヤジバンドではボーカル担当。ブログ更新は祭日以外の月曜、水曜、金曜。 ★★★スマホでご覧頂いている場合には画面下の「ウェブバージョンを表示」をクリックしてウェブ画面に飛ぶと下側右にカテゴリー別の過去掲載記事が表示されますので、そちらもご利用ください。
2014年3月26日水曜日
銀座のクラブ ボトルの話
暇な夜はカルチャーセンターにでも通って漢詩とか源氏物語なんかの教養講座を受けようと考えている。
ちょっとウソです。
でも、人生後半戦、何か習い事をやろうという気持ちはある。
先日も眠れない夜にネットでアレコレ調べ物をして、「初心者向け教則本付きアコースティックギター10点セット」を注文する寸前までいった。
なぜか最後の注文ボタンをクリックしなかったので相変わらずの日々だ。
この前もスポーツクラブのボクササイズ教室のチラシを熟読して申し込もうと思ったが、あと一歩が踏み切れず、停滞する日々である。
根無し草じゃあるまいし、銀座あたりで高い酒に酔いつぶれている暇があったら、何か自分自身に変化を起こしたい。
ということで、何を始めればいいかを相談するために夜の銀座にノコノコ出かけている。
バカである。
最近、銀座8丁目あたりの遅い時間のタクシー乗り場が混雑している。やはり景気が上向いているのだろう。
3年ほど前に比べれば夜の路地を行く人の数も多い。一時期はそこそこ人出があっても、よく見ると呼び込みやスカウト、黒服ばかりだったから確実に空気が変わってきた。
足繁く飲み歩いているわけではないが、アノ街に足を踏み入れてから20年ぐらいになる。そう考えると複雑だ。あの世界を知らずにいれば今頃必死に宝くじを買わなくても済んだかもしれない。
行く店も少しづつ変わってきた。15年以上通っているような店は1件しかない。あとはここ数年で行くようになった店ばかりだ。
馴染みの黒服さんや、親切なオネエサンの異動にともなって行き始めた店がいくつかある。
8丁目、7丁目あたりの夜の銀座。。。虚飾や見栄の世界といってしまえばそれまでだが、良く言えば気張った世界である。だからポツポツと通いたくなる。
生きている上で「気張る」ことは大事である。気張るという言葉の意味は「①息をつめて力を入れる。②気力を奮い起こす。いきごむ」である。もうひとつ「格好をつけて見栄をはる」という意味もある。
こうした感覚が欠如した人間は魅力的ではない。「自然体で力を抜いて生きる」なんてパターンも悪いことではないが、一歩間違えたらフヌケちゃんである。やはり時には力むことも大事だろう。
銀座のクラブの特徴は「係」と呼ばれる担当のホステスさんが全てを取り仕切る仕組みだ。極端な話、係の女性が休んでる日にその店で飲んでも、あくまで「係の売り上げ」になる。
当然、係の女性は、担当する客を飽きさせないようにヘルプと呼ばれるホステスさんをアレコレと席に呼んで、客を盛り上げる。
まあ、その実態は、残り少なくなったボトルを空けさせるためだったりするから、ちと厄介である。ということで酒に強いヘルプの女の子が引っ張りだこだったりする。
私の場合、黒服さんの関係で行くようになったり、係がやめちゃった店では「店客」というポジションで過ごしている。
係がいないというだけで細かな違いは知らないが、おかげで強引な「協力」を要請されることはない。
「今月あとちょっと目標に届かないの。頼むわよ、ウッフン」とか言われて、飲みたくもないワインを出されたり、やたらと大量に生ビールを振舞っているオジサマ達をよく見かける。
係の協力要請によって夜な夜なそんな光景が繰り広げられているわけだが、店客の場合には、ボケっと鼻毛でも抜きながら気ままに飲んでいれば済む。
経験上、係の女性がいるほうが、ボトルが空くペースが早いような気もする。もちろん、そのホステスさんのタイプにもよるが、やはり成績に直結するからそうした傾向はあるだろう。
ちなみに、ボトルが空くスピードは、ある意味、お店のレベルを表わすバロメーターだったりする。
「チャンスボトル」という言葉がある。残り少なくなったお客さんのボトルを、その日のうちに空けてしまって新たなボトルを入れさせようという意味である。
品の無い店は、とにかくヤンヤヤンヤと空けにかかる。女性陣が自分達用に濃いめの水割りを作って、ろくに飲まずに席を移動。別なオネエサンがやってきてそれを繰り返す。ガサツな話だが、そんなパターンも現実としてある。
逆にアノ街でもとくに一流と言われる某老舗クラブでは、こっちが恐縮しちゃうぐらいボトルが空かない。さすがだと思う。あの世界における品格の違いだろう。
聞くところによると、店の方針として「チャンスボトル禁止」が徹底されているらしい。老舗の名門クラブに来るようなお客さんだったら、そのあたりの違いはすぐに察知する。
結局、名門とか一流と言われる店は、そうやって培っきた姿勢を崩さなければ信頼され続けるし、逆に目先だけしか見えない店は決して高い評価を受けない。すなわち、その距離が縮まることはない。
今日は、銀座の夜の話ではなく、自分がどんな習いごとをしようか書こうと思ったのに、完全に本題からずれてしまった。
まあ、いいか。今宵はどこでむしられるのだろう・・・。
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