東京出身。富豪になりたい中年男。幼稚園から高校まで私立一貫校に通い、大学卒業後、財務系マスコミ事業に従事。霞ヶ関担当記者、編集局長等を経て現在は副社長。適度に偏屈。スタイリッシュより地味で上質を求め、流行より伝統に心が動く。アマノジャクこそ美徳が信条。趣味は酒器集め、水中写真撮影、ひとり旅、葉巻、オヤジバンドではボーカル担当。ブログ更新は祭日以外の月曜、水曜、金曜。 ★★★スマホでご覧頂いている場合には画面下の「ウェブバージョンを表示」をクリックしてウェブ画面に飛ぶと下側右にカテゴリー別の過去掲載記事が表示されますので、そちらもご利用ください。
2014年10月27日月曜日
他人の関係 小指の思い出
12月のオヤジバンドライブに向けて練習も佳境に入ってきた。3年連続ともなると、前回よりも前々回よりも上を目指そうという意識が働く。
いわば、勝手に自分たちの首を絞めているような感じもある。まあ、そういう状況も楽しまないと終わった後の充実感を得られないから頑張らないといけない。
オリジナル曲はまだ無い。どことなく聞き覚えのある昔の名曲が中心だ。じゃないと来場者の皆様も退屈してしまう。
といいながら、オリジナル曲を作る意欲はチョッピリある。ちっとも上達しない私のギターの腕前がそこそこのレベルになったら披露したいと密かに考えている。目標は来年である。
先日、わがオヤジバンドの結成メンバーから嬉しいプレゼントがあった。練習を覗きに来た際にお土産にくれた鯛焼きのことではない。
オリジナル曲の音源である。以前、調子に乗っていくつか詩を書いたことがあるのだが、彼がそれをカッチョ良く曲に仕上げてくれていた。
自分が書いた詩がそれっぽい曲になったわけだから、何となくドキドキした。作曲者の彼が吹き込んだ歌唱付き音源を聴きながら妙に興奮してしまった。
「佐村河内さん」もあんな気分だったのだろうか。全然違うか・・・。
作曲してくれた彼とは高校生の頃、学園祭のために1日だけ即興バンドを組んだことがある。その時も2曲ばかりオリジナル曲を作った。この時も私が作詞、彼が作曲だったのだが、この時はやっつけ的に作った感じだった。
それに比べてこの日聴かせてもらった新曲は完成度が高かった。何かのパクリ風でもなく、メロディーラインも歌詞のイメージに合致している。
手前ミソ、自画自賛の極みだが、いつか自分でも弾き語りできるように頑張ろうと決意した。
♪
甘噛みに肩が染まる
吐息に濡れる夜~
・・・(略)・・・
溺れていたいロータスの花が開くまで
・・・(略)・・・
はじらいも剥き出しのまま熱く
険しく踊り続ける
・・・(略)・・・
狂おしく咲く
スパイダーリリーのように
♪
歌詞の一部である。少し官能的な路線を目指した。といいながら、カッコつけて言葉をつないでいるだけで素人まる出しである。
東南アジアでよく見かける独特の形をした百合科の花がスパイダーリリーである。夜になると怪しく元気に咲いているイメージがあったので、それを素材にしてみた。
作曲してくれた友人からは歌詞の追加を何カ所か求められたので完成まではもう一息である。
ギターのコードは難しくないらしい。まあ、私にとってはどんなコード進行も難解なのだが、必死に練習すれば1年もすれば弾き語りできるんじゃないかと甘い期待を抱いている。
さてさて、作詞の真似事をして感じるのは昭和歌謡の詩の世界の凄さだ。後世に残る名曲ともなれば凡人には思い浮かばないような詩がたくさんある。
今年、不倫ドラマとして話題を集めた「昼顔」のテーマ曲として使われたのが「他人の関係」である。
昭和人なら誰もが知っている一曲だ。原曲は金井克子の怪しげな風貌と独特な振り付けで大ヒットした。私自身、小学生の分際でよく口ずさんでいた記憶がある。
https://www.youtube.com/watch?v=y-33EmJVgnU
♪
逢う時には いつでも 他人の二人
ゆうべはゆうべ そして今夜は今夜
くすぐるような指で ほくろの数も
一から数え直して
そうよ はじめての顔でおたがいに又も燃えるの
愛した後 おたがい 他人の二人
あなたはあなた そして私はわたし
大人同士の恋は 小鳥のように
いつでも自由でいたいわ
そして愛し合う時に何もかも
うばいあうのよ
逢う時には いつでも 他人の二人
気ままと気まま そして大人と大人
逢うたびいつもちがう口づけをして
おどろきあう その気分
そうよ はじめての 顔でおたがいに 又も燃えるの
愛した後 おたがい 他人の二人
男と女 そして一人とひとり
あなたは私のこと 忘れていいわ
迷ってきてもいいのよ
私何度でもきっと引きもどす
もどしてみせる
♪
いやはや官能的である。ホクロの数も一から数え直すわけだ。昭和歌謡の奥深さ極まれりって感じである。
回り道のような言い回しで核心部分はストレートに表現しないのが特徴だと思う。
♪あなたに女の子の一番大切なものをあげるわ~♪
山口百恵だって、そんな路線の歌詞で話題をさらった。聴いている側の想像力を膨らますような狙いがニクい。日本語の面白さでもある。
私ごときの作詞レベルなど鼻くそである。昭和歌謡並みのセンスある歌詞が作れるようになるためには地獄の特訓を積んでも難しそうだ。
「他人の関係」の作詞は有馬三恵子さんである。昭和を代表する作詞家の一人だが、代表曲の一つである「小指の思い出」も実に素敵な歌だと思う。
https://www.youtube.com/watch?v=tS24d0fCFfA
♪
あなたが噛んだ 小指が痛い
きのうの夜の 小指が痛い
そっと唇 おしあてて
あなたのことを しのんでみるの
私をどうぞ ひとりにしてね
きのうの夜の 小指が痛い
あなたが噛んだ 小指がもえる
ひとりでいると 小指がもえる
そんな秘密を 知ったのは
あなたのせいよ いけない人ね
そのくせすぐに 逢いたくなるの
ひとりでいると 小指がもえる
あなたが噛んだ 小指が好きよ
かくしていたい 小指が好きよ
だれでもいいの 何もかも
私の恋を 教えてみたい
ほんとにだけど いえないものね
かくしていたい 小指が好きよ
♪
エロティックなのに可愛いと表現すべきだろうか。メロディーもよかったが、この曲に関しては単純に歌詞の完成度の高さが大ヒットにつながったことは確かだと思う。
抱いた抱かれたといったストレートな表現はない。ただ「ゆうべ、あなたが小指を嚙んだ」という言葉だけで、エロティックな情景が目に浮かぶ。プロの技である。
考えてみれば、これまで結構な時間を生きてきたから、私だって人並みかそれ以上に諸々な経験を重ねてきた。
ムード歌謡とか情念的な演歌みたいなシチュエーションだってたくさん遭遇した。それなのに、いざ、歌詞を書いてみようと意気込んでみても平々凡々な言葉しか浮かんでこない。
センスが根本的にないのか、はたまた感性が腐りかけているのか、大いに問題である。
危険な色恋に没頭しないとダメかもしれない。せいぜい頑張ることにしよう。
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