東京出身。富豪になりたい中年男。幼稚園から高校まで私立一貫校に通い、大学卒業後、財務系マスコミ事業に従事。霞ヶ関担当記者、編集局長等を経て現在は副社長。適度に偏屈。スタイリッシュより地味で上質を求め、流行より伝統に心が動く。アマノジャクこそ美徳が信条。趣味は酒器集め、水中写真撮影、ひとり旅、葉巻、オヤジバンドではボーカル担当。ブログ更新は祭日以外の月曜、水曜、金曜。 ★★★スマホでご覧頂いている場合には画面下の「ウェブバージョンを表示」をクリックしてウェブ画面に飛ぶと下側右にカテゴリー別の過去掲載記事が表示されますので、そちらもご利用ください。
2015年6月10日水曜日
心付け
先週金曜に引っ越しをした。土曜日曜をひたすら荷物整理に費やしたため、すっかり元の暮らしに戻った。
いまどきの引っ越しは「らくらくパック」みたいなサービスを使えば結構らくちんである。
とはいうものの、家具家電以外に段ボール100箱ほどの荷物とともに移動するわけだからバテバテになった。
かなり不要品を処分したのだが、シングルオジサマとしては荷物が多すぎる。こんなんじゃ入居可能な老人ホームは無さそうだから困ったものである。
引っ越し前日に熟練のオバサマ3人組が荷造りにやってきた。ものの3時間ほどで手際よく荷物を箱詰めする。
本棚の中身、ぐい呑みコレクションの飾り棚、キッチン周辺の引き出しの中身に至るまで、記録しながらの作業だ。おかげで引っ越し先で再度収納し直してくれた際も順序や配列がほぼ元通りである。
大助かりだった。
わずかばかりの心付けを事前に渡した効果があったかどうかは分からない。でも、引っ越しは慶事である。ご祝儀によってお互い気持ちよく作業することは大事だろう。
引っ越し当日は若い男子が3人と電気系統の作業係も登場。リーダー格の若者が手下を厳しく指導しながらテキパキ作業する。
始めに少しばかりの心付けをそれぞれに手渡したのだが、リーダー格の若者の働きが突出していたので、昼休みに「ランチをドカ食いしてくれ」と追加の心付けをコッソリ渡す。
お金でどうこうというわけではないのだが、気は心である。潤滑油になるのなら失礼の無い範囲での心付けは意味があると思う。
結局、リーダー格の若者は随分と気を遣ってくれた。当日発生した結構な量の処分品を気前よくタダで持っていってくれた。
デカくて重いチェストなんかも急きょ処分したし、料金表通りだったら結構な追加出費だったはずだから、私の投下した心付けは大いに意味があったと思う。
心付け、すなわちチップの問題は結構やっかいな問題である。海外に行くたびに様々な場面で悩んでしまう。
日本人の場合にはあくまで余録としての収入だが、海外の場合、チップが基本的な労働の報酬であるケースが多い。渡す側としてもそれなりに神経を使う。
ガイドブックには一律10%程度などと書いてあるが、場面によってはそんな単純なものでもないだろう。
素晴らしかったサービス、普通だったサービス、あまり感心しないサービス等によって金額を考えたりする。ちょっと面倒だ。
つくづくチップの習慣のない日本人で良かったと思う。日本での「心付け」は文字通りの意味だから、海外ほどデリケートに考えることはない。というか、基本的にそんなことはしないで済む。
大前提としてチップなど渡さなくても変わらないサービスが提供されるから、渡す際はよほど有難かった場面か、慶事、はたまたこっちが見栄を張りたい時ぐらいである。
もちろん、若い頃には心付けを渡すような場面はほとんど無かった。いつの間にか、サービスしてくれる人が年下の人ばかりになってしまってから仕方なくそんなことを気にするようになった。
中高年の嗜み?みたいな感覚かもしれない。年を重ねることで、いろんな部分に気が向いちゃうようになったことも理由だろう。
まあ、若い頃にそんなことを気にしているのも変だ。大したことない場面で若造が年上の人にチップを渡すのは、場合によっては失礼にあたる。そういうものだ。
金額も難しい。あまり高額だと非常識だし、かといって500円玉とか千円札一枚というわけにもいかない。やはり場合によっては失礼になりかねない。
TPO次第だから一概にいくらとは言えない。自分なりに無い知恵を絞って算段するしかない。
温泉旅館に行く際も、宿のランクや泊まる人数でも違う。高級中華料理店でボーイさんが特別に付きっきりで何枚も何枚も北京ダックを包んでくれたら少しぐらいは包んであげたいし、若い黒服のお兄さんに面倒くさい用事を頼んだら釣り銭程度というわけにもいくまい。
正解のない話だから厄介である。毎回毎回渡すのもそれが当然みたいな空気につながるからチョット違う。
野暮なことはしたくない。年相応にこなれた振る舞いをしたい。そんな自意識過剰?も影響していつも自問自答してしまう。
渡されるほうは単純に高額であればあるほど嬉しいのだろうが、こっちにはこっちの考えがあるわけだ。
余計なことを考えずに気前よく渡しやがれという声が聞こえてきそうだ。
それにしても財布の中身が寂しい時に限って、なにやら包みたくなる場面に遭遇しちゃうことが不思議で仕方ない。
サマージャンボの吉報を待つことにしよう。
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