東京出身。富豪になりたい中年男。幼稚園から高校まで私立一貫校に通い、大学卒業後、財務系マスコミ事業に従事。霞ヶ関担当記者、編集局長等を経て現在は副社長。適度に偏屈。スタイリッシュより地味で上質を求め、流行より伝統に心が動く。アマノジャクこそ美徳が信条。趣味は酒器集め、水中写真撮影、ひとり旅、葉巻、オヤジバンドではボーカル担当。ブログ更新は祭日以外の月曜、水曜、金曜。 ★★★スマホでご覧頂いている場合には画面下の「ウェブバージョンを表示」をクリックしてウェブ画面に飛ぶと下側右にカテゴリー別の過去掲載記事が表示されますので、そちらもご利用ください。
2015年9月18日金曜日
ハマショー師匠とか永ちゃんとか
先日、敬愛するハマショー師匠がNHKの「SONGS」という番組で特集された。テレビの前で正座しながらじっくり見た。
http://news.livedoor.com/article/detail/10533371/
62歳である。もう初老である。そう考えたら充分に若々しいのだが、ファン歴36年の私から見れば、その“熟成”ぶりが妙に感慨深かった。
長渕剛や桑田佳祐もまもなく60歳を迎える。佐野元春なんかも同じ年だったはずだ。
ちなみに矢沢永吉は66歳だとか。もうすぐ70である。いまもCMで「やっちゃいな!」などと挑発的な発言をしている。
あの突っ張った存在感は好き嫌いに関係なく世の中高年にとって一種の「光り」のようなものだろう。
本人にとっては死ぬまで「永ちゃん」でいることは大変そうだが、すべての年下のオジサンのためにもブレずに踏ん張って欲しいものだ。
さて、ハマショー師匠、長渕剛、桑田佳祐が世に出たのは1976~78年である。当時、世の中を席巻していたのはピンクレディーだった。
キャンディースも現役だった。まだ百恵ちゃんが「バカにしないでよ~」って歌ってたし、あの畑中葉子がまだ清純な顔でカナダからの手紙を熱唱していた頃だ。その後は突然、清純派の仮面を脱ぎ捨てて世の中をビックリさせた。
おっと、いけない。畑中葉子物語を書きそうになってしまった。
いずれにせよ大昔である。そんな大昔から一貫してファンを心酔させる音楽を世に送り続けてきたのだからオジサマシンガー達の現役バリバリな感じは凄いことだと思う。
ハマショー師匠の音楽を中学生の頃から聴き込んでいた私だが、長年のファン歴の中で一番印象的だったのが10年前のライブだ。
私自身、CDやDVDは欠かすことなくチェックしていたが、ライブに関してはナゼか20年近くご無沙汰していた。
その20年の年月は私にとって若者から中年に至る期間だった。そのせいもあって、ステージに立つハマショー師匠を見た途端、ふいに20年分の葛藤がグワーっと押し寄せ、おまけに中学生の頃からの自分史みたいなものが走馬燈のように頭の中をよぎった。
オープニングの静かなアカペラが終わり、ノリノリの曲のイントロで会場は総立ち。当然、最前列にいた私も飛び跳ねるように立ち上がり拳をかかげてシャウトしようとしたのだが、なぜか声が出ない。
恥ずかしながら号泣していた。いい歳した大人の男なのに一人でオイオイ泣いてしまった。歌いたくてもまったく声にならず、身体の中から得体の知れない感情が沸き上がってきた。経験したことのない不思議な感覚だった。
音楽が持つ不思議な力をまざまざと実感した瞬間だった。
少年時代には少年の心に刺さる歌があり、大人になってからも、その年代ごとの心理状態に寄り添うような歌がある。
誰もが音楽に助けられたり、勇気づけられたり、慰められたりしている。意識するしないにかかわらず、そんな魔法のような力が音楽にはある。
以前、30過ぎぐらいの若い女性がアムロちゃんのライブで泣いたという話を聞いた。その人にすれば少女の頃から大人になっていく過程で常に流れていた音楽だったのだろう。
「ハマショーで号泣」というちょっと恥ずかしい体験のおかげで「アムロで号泣」という女性の心理が理解できたから良しとしよう。
人間、いくつになってもいろんな葛藤がある。私などは「不惑」といわれる40歳を迎えても惑ってばかりだった。
もうすぐ50歳の大台到達だが、今度は惑っているのか達観しているのか分からない迷走状態の中で生きている。
大人にもいろいろある。立派な大人もいればダメな大人もいる。
歌の世界は有難いもので、ダメな大人をイヤしてくれたり慰めてくれる歌が多い。
すぎもとまさとの「吾亦紅」あたりは、ダメなオッサンにとってはシビれる歌詞である。
http://kashinavi.com/song_view.html?20908
ハマショー師匠の話だったのに「すぎもとまさと」に飛んじゃうあたりがトンチンカンである。。。
さてさて、世に出た当時は若者の代弁者みたいな位置付けだったミュージシャン達も年を重ねることで表現する世界が変わる。どんどん大人向きの歌を作ってもらいたい。
いま世の中の潮流は「幼稚化」である。高齢化が進むなかで昔より若々しい中高年や老人が世の中にあふれている。
初老になると分別顔して引っ込んじゃうのが今までの社会の常識だったが、これからは中高年以降の人間の幼稚化がもっともっと進む。是か非かという次元ではなく時代の必然だ。
前半で書いてきたようなミュージシャン達を第一世代として、第二世代の人気ミュージシャン達だって40代~50代のオッサンがゴロゴロいる。
AKBとかのアイドル商法やアニソンばかりが話題になる日本の音楽シーンはちっとも面白くない。中高年以降の大人向けの音楽がもっともっと世の中を席巻してほしい。
富豪記者殿に感化されて、私もsongsの浜田省吾を見ました。中でもデビューの時、16歳の少年が家を出て行く歌を書いた。35年経って、今度は親として出て行く子供を見送る歌を作ったと言うエピソード、グッときました。仰る通り他の40代以上の方たちも昔の歌だけを歌うのではなく、また自分の若い頃をなぞるような曲を作るのではなく、、今の自然な心情を綴った歌を歌って欲しいですね。
返信削除道草人生さま
削除若い頃をなぞるのではなく、いま現在の心情を綴る。。。まさにその部分がキモですね。そんな楽曲ばかりがヒットチャートを賑わせて欲しいですね‼
道草人生さま
削除若い頃をなぞるのではなく、いま現在の心情を綴る。。。まさにその部分がキモですね。そんな楽曲ばかりがヒットチャートを賑わせて欲しいですね‼