東京出身。富豪になりたい中年男。幼稚園から高校まで私立一貫校に通い、大学卒業後、財務系マスコミ事業に従事。霞ヶ関担当記者、編集局長等を経て現在は副社長。適度に偏屈。スタイリッシュより地味で上質を求め、流行より伝統に心が動く。アマノジャクこそ美徳が信条。趣味は酒器集め、水中写真撮影、ひとり旅、葉巻、オヤジバンドではボーカル担当。ブログ更新は祭日以外の月曜、水曜、金曜。 ★★★スマホでご覧頂いている場合には画面下の「ウェブバージョンを表示」をクリックしてウェブ画面に飛ぶと下側右にカテゴリー別の過去掲載記事が表示されますので、そちらもご利用ください。
2015年9月25日金曜日
飲み屋の会話
酒場で聞こえてくる隣の席の会話に聞き入ってしまうことがある。盗み聞きではないが、聞き耳を立てるという意味では趣味の良い話ではない。でも、聞こえてきちゃうんだから仕方ない。
俗に「人のふり見て~~」と言われるが、まさにその通りである。酒が入った男のクドい話やしつこい話を聞かされる方は堪ったものではない。害悪である。
部下に対してやたらとエバるアホ。小さな話を武勇伝に仕立てて自慢ばかりしているバカ、下品な口説き文句を連発するスケベ・・・等々、巷には恥ずかしい面々があふれている。
そんな書き方をすると、オレはそんなアホバカスケベじゃないぜ!って言っているみたいだが、私だって酔っぱらったら似たようなものである。
だから、一生懸命にそんな男達の会話に聞き耳を立てて反面教師にしようと思っている。
銀座あたりで耳にする綺麗なオネエサンと鼻の下を伸ばしたオッサンの会話などは実に勉強?になる。
少なくとも自分はそんな言動をしないように気を引き締めたくなる。そうは言っても酒は別名が“キチガイ水”である。思い出せない自分の言動のなかには赤面大爆発もあるのだろう。
さてさて、夜の殿方達の会話だった。
「いろんなオンナがオレを誘ってくるんだよ」
先日、ひとりで寿司屋でグダグダ飲んでいた時に聞こえてきた話だ。隣に座っていた金持ちそうなオッサン。連れの女性にグイグイ言い寄っていたのに、いきなりそんなことを言いだした。どうやら「魅力的な自分」をアピールし始めたようだ。
おいおい、それってモテ自慢か?と突っ込みたくなった。でも「中条きよし」のような雰囲気の男の発言ならともかく、その男の風貌は「太った松山千春」である。
おまけに「いろんなオンナの誘い」とは水商売方面からの「営業」のことを言っているらしい。なんともビミョーな自信過剰がイタい感じである。
オネエサン達の営業だろうと、彼にとっては関係ないみたいだ。まさに ♪それでも恋は恋♪ である。でも、なんだかんだ言って誘われない人より彼がモテているのは事実である。一人でシンミリ飲んでいた私のほうがダメである。
次。別な日、某料理屋さんのカウンターで聞こえてきた話。金沢出張の予定がある社長サンらしきオジサマ。同伴出勤相手のオネエサン相手に金沢の良さを解説。そして誘う。「一緒に行こう」としつこく誘う。
「だって平日でしょ。無理ですよ」。オネエサンは残念そうなふりをしながら答える。それに対する社長サンの返事が凄い。
「絶対に変なことしないから大丈夫だよ」。
まれにみる支離滅裂である。オネエサンは平日に休めませんと言っただけなのに、まるで無関係な切り返しである。セックスする、しないという話題ではないはずである。
ただのトンチンカンだ。頭の中が「変なこと」でいっぱいなんだろう。社長サンなりに準備していた回答を違う場面で先走って使ってしまったみたいだ。
でも、フラれるのが怖くて女性を誘わずに一人シンミリ飲んでいた私のほうがダメである。
ほかにも「キミは僕に選ばれたんだ」「キミの人生を変えてみせよう」等々、今までいろんなファンタジスタ?達の会話に聞き耳を立ててきた。
うまくコトが運んだ人はいるのだろうか。いるわけないか。
女性陣もなかなかである。「楽しい」「嬉しい」「幸せ」を連発する女性はキレ者であり策士だと思う。
「楽しい」「嬉しい」「幸せ」。これらのフレーズを笑顔で言われたら男達はウキウキしちゃう。連発されたら舞い上がるヤツだっているだろう。
「そんなこと言ってもらえて凄く幸せ~」、「〇×さんといるととっても楽しい!」。こんなことを潤んだ瞳で言われ続けたらヒヒオヤジ達はウッシシ気分になる。
大いなる勘違いが始まるわけだ。
「あのコ、ワシに気があるんちゃうやろか」
「何とかなるんちゃうやろか」
そうした「ちゃうやろかシンドローム」が日本中の夜のネオン街を覆っているわけだ。
でも、結論としては「そんなんちゃうから」である。残念ながら現実の世界は男達に冷たい。それが現実である。
「嬉しい」「楽しい」「幸せ」。残念ながら、どれも相手に対する好意を表す意味ではない。
「社長サンのこと、気になってます」。これも勘違いしやすいが、「気になる」の意味は好意とは限らない。ゴキブリが出るか出ないかが気になるという使い方だってある。
「社長サンのこと、昨日も考えてたんです」。これも言われたほうは舞い上がりそうだ。でも、社長サンの存在が面倒だと考えていただけだったりする。
こんなことばかり書いていると憂鬱になるから適当にしよう。
とはいえ、宝くじだって買わなければ当たらない。行動することは良いことである。というわけで、世の男たちは夜ごとネオン街でいろんな夢を見る。
富豪記者さま
返信削除はじめまして。かなり以前より貴殿のブログ拝見しております。
初めてコメントいたしますことお許しください。
わたしは、貴殿より若干年齢が上です。今回の記事も楽しく拝見させて頂きました。
意味も無く、昔の自慢話をする点など、自分にも思い当たる点多々有ります。
私は、夜のネオン街には疎く、貴殿の話を毎回楽しく拝見しておりますが、世の中のスケベな
おじさんのお話、これからもよろしくお願いいたします。
コメントありがとうございます。
返信削除中高年になると、若い時とはまた違ったカッチョ悪い言動をしてしまいますよね。。。
威張ったり、すねたり、自慢したり・・・。
気をつけて過ごしたいものです!
今後とも宜しくお願いいたします。