東京出身。富豪になりたい中年男。幼稚園から高校まで私立一貫校に通い、大学卒業後、財務系マスコミ事業に従事。霞ヶ関担当記者、編集局長等を経て現在は副社長。適度に偏屈。スタイリッシュより地味で上質を求め、流行より伝統に心が動く。アマノジャクこそ美徳が信条。趣味は酒器集め、水中写真撮影、ひとり旅、葉巻、オヤジバンドではボーカル担当。ブログ更新は祭日以外の月曜、水曜、金曜。 ★★★スマホでご覧頂いている場合には画面下の「ウェブバージョンを表示」をクリックしてウェブ画面に飛ぶと下側右にカテゴリー別の過去掲載記事が表示されますので、そちらもご利用ください。
2015年10月16日金曜日
ファーストクラスの人
スペイン旅行の第二弾です。
ひたすら真摯な?気分で散策したトレドの他に首都・マドリッドにも都合3泊してぷらぷらしてきた。
でも、今日はマドリッド探訪の話ではなく、富豪?らしい飛行機ネタを書いてみたい。
実は、行きの飛行機はファーストクラスに乗ってしまった。我ながらビックリである。
もちろん、有料ではない。そんな資金があったら現地でさんざん靴を買ったほうが嬉しい。あくまで貯まりまくったマイレージのおかげである。
マイレージの無料航空券だからとはいえ、わざわざファーストクラスを選ぶのもバカみたいである。必要となるマイル数もデカい。
しかし、今回は私が希望していた出発日にヨーロッパ行きの無料航空券枠の空席がなかなか見つからず、なぜかルフトハンザ航空のフランクフルト行きに空席を発見。しかし、ビジネスクラスではなくファーストクラスである。
聞くところによると、ファーストの無料枠は直前になってわずかな席数だけ解放されるらしい。狙っていたわけではないが、成り行き上これを押さえちゃたほうが希望の日程がスムーズに組めるから、思い切って予約した。
巣鴨の居酒屋でホッピーを飲む話を書くより「ファーストクラスでキャビアを食べた話」のほうが“富豪”っぽい。このブログもたまにはこういうネタを繰り出さないと名前負けである。
で、キャビアである。もちろん、セコビッチ男爵である私としては、サーブされる時に「もっと盛ってくれ」と図々しくお願いした。
ホントはイクラとかタラコとかカラスミのほうが好きなのだが、そこは「ファーストクラスの人」である。「キャビアなんか毎日のようにオヤツで食ってるもんね」と言いそうな表情を無理やり作ってみた。
運が良いのか悪いのか、ファーストでは日本人乗務員を一度も見かけなかったので、何事もドイツのオバサマが相手だ。
妙齢の日本人女性よりドイツのオバサマのほうがドギマギしないで済む。言葉も通じないからかえって気楽だ。
「こらっ!キャビア、もっと盛らんかい!」という私の要求だって、ごく普通に日本語で言ってみたら普通に通じた。ウッシシである。
座席を横から撮影するとこんな感じである。ぱっと見た感じは一般的なビジネスクラスより少し余裕があるぐらいに見えるだけだ。
しかし、実際には画像では伝わらない「ゆとり」が特筆すべきレベルだった。まずは座席の横幅が格段に広い。そのうえ、フルフラットにした時の圧迫感の無さがさすがだった。
適当なタイミングで乗務員さんがシーツをセットしてくれる。こんな経験は初めてである。ちなみにこの乗務員さん、身長が180㎝ぐらいあったから、実際のシート(ベッド?)はもっと大きく感じる。
そういえば、もう20年以上前の話になるが、当時親しくしていた某航空会社の乗務員の女性がズルしてくれて、格安エコノミーチケットで乗り込んだ私をファーストクラスに移してくれたことがあった。
のどかで良い時代だった。でも、当時、シーツまでセットするようなサービスはなかったし、ファーストと言っても、ただスペース的に余裕があるだけだった印象がある。なによりも今ほど個室的環境を意識したサービスではなかった。
で、エラそうに横になった私の画像である。
寝間着感覚で持ち込んだスウェット着用中である。大柄な私でこんな感じだから横幅のゆとりは相当なものだと思う。
変な話、熱々カップルなら二人でくっついて横になって結構本格的なプレイ?が可能になるぐらいのゆとりがある。
困ったのがモニターの画面サイズである。座っている時ならともかく、ごろんと横になると遠すぎて見えない。これって贅沢な話である。
仕方ないから、映画を見る際は、あぐらをかいて前のほうに座ってみたり、毛布や枕を背中側にたくさん積んで壁を厚くしてモニターを見やすくしたり、変なところで苦労した。
いろいろな映画がズラッと用意されているなか、私が選んだのはこれだ。「Biri Gyaru」である。
はじめはインドの映画かなにかだと思ったが日本語である。こんなタイトルをローマ字表記して何の意味があるのだろう。ドイツ人が「ビリギャル」って読めたところでどうにもならない。
有村架純ちゃん主演の最近の映画である。劣等生が一念発起して慶応大学に合格する話だ。
ファーストクラスでキャビアにシャンパン、そしてビリギャルである。実に自由!である。
ちなみに、ビリギャルを見て結構本気で泣いてしまったことは恥ずかしいから内緒だ。
食事もいうまでもなく、ちゃんとした皿に盛られた本格的なものだった。正直、飛行機のなかで食べるものに期待などしていないが、焼きたてみたいなパンは出てくるし、肉料理だって相当ハイレベルに感じた。
さすがにヨーロッパの親玉・ドイツのエアラインである。
12時間の長時間フライトもこんな快適なスペースで過ごせればあっと言う間である。ちっとも疲れなかったし、不都合なことがまったく無かった。
眠りたくなれば、一輪挿しに向けられたスポットライトだけを灯し、マッタリ気分になっていればストンと眠りに落ちる。
ついでにいえば、この機材である「747-800」は室内の静かさに定評があるらしい。まさに至れり尽くせりだった。
結論としては「知らなきゃ良かった」。この一言に尽きる。
知ってしまったら、またいつかそれを求めたくなってしまう。まさに「知ってしまった悲しみ」である。
ちなみに帰国便はオーストリア航空のビジネスクラスだった。各航空会社のビジネスクラスのなかでも快適性やサービスの良さで定評がある。コーヒーなんか8種類から選ばせてくれるサービスまであった。
充分に快適だったし、文句もない。でも、行きのファーストクラスを思い返すと違いはある。座席はフルフラットになるから素直に喜ぶべきなのに、横幅が狭く寝返りがうてないなどと飛行機という環境を忘れたかのような贅沢な思いが頭をよぎる。
ファーストクラス体験、かつてなく快適だったから、この先ずっと自慢話にしたいところだが、早く記憶から消したほうが賢明かもしれない。忘れちゃったほうが自分のためだ。
でも、頑張ってエラくなって毎度毎度ファーストクラスに乗るのが普通になるように向上心を持つことも大事だ。
う~ん、さすがにそれは厳しい。やっぱり忘れちゃうほうが簡単そうである。
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