東京出身。富豪になりたい中年男。幼稚園から高校まで私立一貫校に通い、大学卒業後、財務系マスコミ事業に従事。霞ヶ関担当記者、編集局長等を経て現在は副社長。適度に偏屈。スタイリッシュより地味で上質を求め、流行より伝統に心が動く。アマノジャクこそ美徳が信条。趣味は酒器集め、水中写真撮影、ひとり旅、葉巻、オヤジバンドではボーカル担当。ブログ更新は祭日以外の月曜、水曜、金曜。 ★★★スマホでご覧頂いている場合には画面下の「ウェブバージョンを表示」をクリックしてウェブ画面に飛ぶと下側右にカテゴリー別の過去掲載記事が表示されますので、そちらもご利用ください。
2016年2月22日月曜日
安ウマ 飲酒文化 水道橋 でん
「富豪記者」という看板を掲げているせいでヘンテコな呪縛から逃れられない。勝手に自称しているだけなのにバカである。
「富豪っぽいかどうか」。何かを書こうと思ってもそんな基準?が頭の隅に浮かぶ。だからコンビニ弁当の寸評みたいなネタはついつい却下することになる。
「いつも美食にふけっている金満ヒヒオヤジ」。そんなイメージが強くなるのは正しくないので、今日はB級グルメみたいな話を書く。
そもそもB級グルメって変な言葉だと思う。BがあるならC、D、E級もあって然るべき。
作り手は一生懸命ウマいものを作っているわけだから、B級などと言わずにせめて「安ウマ」みたいな言い方をしたほうが良い。
とかなんとか、そんなことまでイチャモンつけちゃうのが中高年の悪いクセである。
安ウマの代表格といえば餃子は外せない。ご本家・中国では水餃子が主流だが、日本では焼き餃子こそが王道だ。水餃子はぬるぬるスベって箸で持ちにくいから私も焼き餃子派である。
醬油に酢とラー油を好みの割合で混ぜ合わせる時のあの高揚感?がまた楽しい。
写真は上野の人気店「昇龍」の餃子。かなり大きくタネもぎっしり。ファンが多いのもうなずける。
ガード下の本店は行列が出来ることで有名だが、ほんの目と鼻の先にある2号店は知名度がないみたいでスンナリ入れる。
餃子を並んでまで食べたくない人には有難い。餃子の味の好みは千差万別だし、ここよりウマい店もあるが、ここの餃子はサイズ感、身の詰まり具合が魅力的だ。
ビールと交互に口の中に放り込んで余計なウンチクなど忘れて「上野の味」を堪能するのが正解だ。
B級、いや、安ウマの聖地が上野界隈である。オシャレとかファッショナブルといった要素に潔く背を向けているところがいい。ホンモノの東京って感じである。
こちらは餃子とともに食べた焼きそば。ゴテゴテと野菜が入っていない昭和の大衆食堂的一品。ウマいマズいを超越したビールのための焼きそばである。
お次はモツ焼の話。安ウマ界のヤンキースみたいな名門的存在だ。いまでこそ若い女性でも入りやすいモツ焼き屋が増えたが、本来は疲れたオッサン達が何とか首をくくらずに生きるための止まり木である。
最近見つけた水道橋の「でん」という店がとっても良い店だった。安いしウマいしメニューも豊富。徒歩圏に住んでいたら週に8回ぐらい通っちゃいそうだ。
マカロニサラダがウマい大衆酒場は何を食べてもウマい。これは真理である。煮込み系も揚げ物系も正しくウマい店だ。生卵とセットになっているのはレバトロユッケなる麻薬のような一品。
割りモノの焼酎はシャリキン状態、すなわち金宮焼酎がシャーベット状で出てくる。氷が溶けて薄まらないためのこだわりの提供方法だ。
レモンサワーはジョッキのふちに塩がまぶしてある。日本版ソルティドッグである。オシャレ感はゼロ。実用一辺倒?の塩まぶしである。
こういう店でグヘグヘ飲み食いしていると心の底から「日本のオジサン」で良かったと痛感する。
ミルウォーキーのオッサンとかウラジオストックのオッサン、はたまたジャマイカのオッサンとしてこの世に生まれていたら味わえない世界である。
冗談はさておき、現代ニッポンの幸せは飲酒文化の多様性に象徴されていると思う。
国酒である清酒を例にとっても日本中の杜氏が切磋琢磨して職人技の集大成である逸品を仕上げる。焼酎だって麦、芋、コメ、黒糖などそれぞれに逸品がある。
ウイスキーだって本場のコンクールで優勝しちゃうような極上品を作る。ワインをはじめとする洋酒は世界中からありとあらゆる銘柄の商品が輸入され、選びきれないほど選択肢に溢れている。
ホッピーなど大衆的なジャンルにしても「〇×サワー」とか「△〇ハイ」の種類の多さは算定不能なほどだ。
もっといえば、燗酒する場合の温度にこだわったり、ヒレ酒、骨酒のようなアレンジの仕方、割りモノ焼酎のシャリキンみたいな飲み方など、どんなシチュエーション、どんな嗜好にも合わせられる凄まじいスペクタルな?世界が普通に展開されている。
なんだか話がとっちらかったが、現代ニッポンの酒飲みは世界レベルで幸せな環境にあることは間違いない。
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