2016年3月16日水曜日

気持ち悪い話


今日はちょこっと硬い話です。「記者」などと名乗っている以上、1年に一度ぐらいは真面目な話も書いてみよう。

「国連」。子供の頃は何だか凄い組織だと闇雲に思っていた。世界全体を適切にリードする崇高で権威ある存在といったイメージが刷り込まれていた。

日本は小さい国だし、敗戦国だし、何となく西洋社会のほうが立派に見えてしまうという典型的な幼稚な島国根性がそんな「誤解」の原因だったのだと思う。

昨年、史実が曖昧な南京事件関連資料を国連の一機関であるユネスコが世界遺産登録した愚挙は記憶に新しい。

そしてまた、国連の女性差別撤廃委員会とやらが日本にイチャモンをつけている。慰安婦問題に関する日本政府の取組みが不充分だとの最終見解なるものを発表した。

言うまでもなく、慰安婦問題は、昨年暮れに日韓両政府の間で「最終的かつ不可逆的に解決した」ことは周知の事実である。

当事者である主権国家同士が公式に合意して世界に発信している事柄にもかかわらず、よく分からない組織にウケ狙いであざといパフォーマンスをされたような感じだ。

慰安婦問題はさておき、同委員会は、わが国の民法が規定する女性の再婚禁止期間や夫婦別姓などについても見直すように勧告している。

どの国にもそれぞれの伝統に基づく家族制度、家族観があり、世界レベルで画一化する性格のものではない。

それぞれの国に「国柄」がある。国柄とはその国の風俗、習慣、文化などその国を成り立たせている特色である。この部分は、グローバルスタンダートか否かで語る話ではない。

夫婦別姓問題や再婚禁止期間に異論や批判があるのは当然だが、それはそれで自分たちの国の中で、国柄に合わせた議論によって改善すればいい話。国連のナンチャラ委員会にブツブツ言われることではないと思う。

びっくりポンというか、開いた口がふさがらないのが、同委員会が皇室典範にもイチャモンを付けようとしたことだ。

すなわち、男子による皇位継承を定めているのは女性差別であると勧告する予定だったという。いやはや、実に思慮の浅い人々が集まった委員会である。

女性天皇の問題は、神道における各種儀礼が絡むこともあって、国民的議論が避けられない複雑な案件だ。女性差別うんぬんとは次元が違う。

こんなことを短絡的に指摘しようとする連中だから、それ以外の改善要求も、いかに場当たり的で底の浅い発想に基づくものかが分かる。

右翼的なことを言うつもりはないが、日本という国は、世界にも希な貴重な伝統をつないできた特殊な国だ。文化的背景を無視するどころか、国の尊厳を脅かしかねない低レベルの屁理屈には毅然とした姿勢で対峙すべきだろう。

国連は世界各国の分担金で運営されているが、日本の負担金はヨソの国より遙かに高額である。1位の米国がしょっちゅう滞納することを思えば、実質的に日本が支えているといっても過言ではない。

にもかかわらず、第二次大戦の戦勝国によって結成された経緯のせいで、いまだ国連憲章には日本を敵国と位置づける条項が残っている。

この「敵国条項」を平たく言えば、安保理の決議無しに武力攻撃を受けても日本は文句を言えない立場に置かれているということ。ずいぶん一方的な話である。

敵国扱いをやめない組織にせっせとカネを運んでいるスットコドッコイぶりが残念ながら国連と日本をめぐる実態だ。

外務省が何をしているのか詳しくは知らないが、最前線であるはずの国連大使のポストは外交官にとって名誉職なんだとか。いわば一丁上がりのポストだ。

そんな呑気な貴族趣味のような外務省の姿勢も日本がコケにされる一因だとしたら堪ったものではない。

我々の納めた税金が国連を支えるために湯水のごとく使われるのは不愉快だ。国が貶められる結果になるのなら、この上ない税の無駄遣いである。

2 件のコメント:

  1. リヒテンシュタインは男系男子問題について、内政干渉だと突っぱねましたね。
    日本もあれくらいハッキリ言えないもんでしょかねえ。

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  2. コメント有り難うございます!

    まったくですね。
    「遺憾」などというヨソの国では意味不明な言葉でブツブツ言ってるだけではイカンです。

    官邸、外務省のホームページ等でもまったく取り上げられていないですし、対外的にこちらの実情や歴史的経緯を積極的に発信してもらいたいものです。

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