香港には5~6回は来ているが、最後に訪ねたのは12年ほど前。まだ娘がヨチヨチ歩きの頃だった。
その時は、娘が熱々の料理に指を突っ込んでヤケドしてしまい、救急で病院に行った。黒人の哲学者のようなお医者さんに親切に診てもらったのが懐かしい。
あれから10年以上が過ぎて、今回は娘との二人旅だ。料理に指を突っ込むことはなくなったが、親以上にワシワシ料理を食べるようになった。
ということで、美食都市香港を満喫しようと思っていたのだが、ホテルのラウンジサービスのせいで私の計画はことごとく頓挫してしまった。
前半に訪ねたマカオのホテルでもそうだったのだが、香港のホテルでも、いわゆるクラブラウンジ的なサービスが受けられた。
「タダなら食べなきゃ損だ」がモットーの娘は朝も昼も夕方もラウンジで提供されるお菓子や軽食を食べまくる。結局、いつも満腹状態でマトモなレストランに行く機会がなかなか作れなかった。
香港の宿はインターコンチネンタル。昔のリージェントだ。海沿いに建つ夜景を眺めるには最高の立地のホテルである。その昔、ここのロビーでジャッキー・チェンに偶然遭遇した思い出のホテルである。冒頭の画像は部屋からの眺めだ。
ホテルのクラブラウンジは朝食ビュフェ、アフタヌーンティー、カクテルアワーそれぞれで豪華にアレコレとウマいものが並ぶ。無料で食べ放題である。
とくにアフタヌーンティーの時間が魔物?で、女子が狂喜乱舞しそうなスイーツが数多く用意され、チャーシュー饅頭や水餃子といった点心も並んでいる。おまけにそれぞれがやたらとウマい。
毎朝、遅めの朝食を食べて散策に出かけ、疲れていったん戻ってきたタイミングで「スイーツ&点心攻撃」である。午後の遅い時間にそんな過ごし方をするから夕飯のタイミングを逃すわけだ。
それでも、絶対に食べたかった「ガチョウのロースト」だけは死守?しようと、満腹状態の娘を連れて出かけたのが老舗の「鏞記」(ヨンキー)である。
その昔、香港に来るたびに必ず訪れたロースト系料理をウリにする有名店だ。プラムソースにつけて食べるガチョウのローストが名物。
私の舌が肥えたのか劣化したのか、かつてほど感動しなかったが、香港といえばローストである。満腹だったはずの娘にブリブリ食べられてしまい、ドカ食い出来なかったのが少し心残りである。
香港を始めとする中国南部はロースト系の料理の本場だとか。この手の食べ物の代表格といえば「蜜汁叉焼」である。甘い味付けのチャーシューだ。
蜂蜜を塗って焼き上げるのか、焼き上がったものに蜂蜜を塗っているのかは知らないが、私にとって香港といえば「蜜汁叉焼」のイメージだ。
この画像はガチョウの名店「鏞記」で出てきた「蜜汁叉焼」である。味は良かったが、ジューシーな部位よりパサパサの部位が多くてイマイチ。満腹だったはずの娘にジューシーな部位をどんどん食べさせたので、これもまた私としては心残りである。
日々、大したあてもなくブラブラしていたのだが、香港初心者の娘に体験させたいことはいろいろあった。街のラーメン屋的な大衆麺料理屋に連れていくのもその一つだ。
とある日、例のごとく満腹だと言い張る娘をそこら辺の麺屋に連れていった。漢字メニューしかないようなローカルな店である。
汁ナシか汁アリか、具材が肉類なのかワンタンなのか程度しか解読できないので、テキトーに注文する。
牛すじが載った汁ナシ麺とワンタン麺が出てきた。素直にウマかったので満腹だったはずの娘がワシワシ食べる。おかげでガツガツ食べられなかった父親としては少し心残りである。
そして最終日、相変わらずラウンジでマカロンや点心をつまんでしまい、夜になっても空腹にならない娘を連れて遅い時間にホテル内の高級中華料理店に連れて行く。
「欣圖軒」という店だが、ミシュランの二つ星を取ったこともあるらしい。1回ぐらいは高級中華を体験させたいという親心?である。
そうはいっても、二人とも空腹バリバリ状態ではない。注文しすぎないように注意していくつかの料理を味わう。
鴨のローストと「蜜汁叉焼」を半分づつ盛ってもらう。両方とも絶品だった。とくにチャーシューは目ン玉ひんむくほどウマかった。当然、満腹の娘もガツガツ食べる。
こちらは海老のすり身料理と鶏の煮込み料理とチャーハン。チャーハンはサーモンと卵白が主役。パラパラの仕上がりが素晴らしかったが、アスパラがごつごつ入っていたので、野菜嫌いの娘はあまり食べなかった。ようやく私にドカ食いのチャンスがめぐってきたが、私は娘以上に野菜嫌いな
ので結局残してしまった。ちょっと心残りである。
そんなこんなでマカオ・香港6日間の旅が終わったわけだが、スマホケースやドラッグストアで売っている小物だとか、アバクロなどのカジュアルファッションばかりに興味を示す娘のおかげで、高い買物をさせられることがなかったのが助かった。
四六時中べったりだったから父親の買物もほとんど無し。高い靴なんかを衝動買いする機会がなかったことも私の財政運営上はラッキーだった。
なにより毎日いろいろな話が出来たのが幸せだった。父親の考え、娘の思いそれぞれを伝え合うことが出来たのが一番の収穫だ。私の人生の中で最高の6日間だったと言っても過言ではない。普段一緒に暮らしていないせいで、自然とお互いが一生懸命に時間を共有したような感じだ。
旅行のあと家に戻った娘は、楽しい時間が終わったことが悲しくて少し泣いたそうだ。なんともまあ可愛いエピソードだ。こっちまでウルウルしそうになる。
あと1年2年経って、娘が「オヤジ、ウザい!死ね!」などと言い出す日が来てもヘッチャラだと思えるほど良い関係性を確認できた気がする。
いつか自分が死んじゃう時に走馬燈のように脳裏に甦る光景は今回の旅だろうなあと思っている。
これからもお嬢様との素敵な時間を大切にされてくださいね。そのために、たくさん働いてお金も稼いでください(笑) 私はファザコンですが、父は幼いころからいい歳になるまでいつも私のことをかわいいと言ってくれていました。亡くなった今でも父からたくさんの愛情をもらったおかげで、世界中で自分は一番幸せだと思っています。記者様のブログからは、照れと素直な気持ちが感じられて、お嬢様が大人になられたときのかけがえのない宝物になりますよ。素敵な素敵な内容でした。
返信削除コメント有難うございます!
削除お父様からの愛情をいつまでも感じられるのは素敵ですね!それだけでお父様のご立派さが思い浮かびます。
今後もただただ子どもを可愛がります!