2016年9月2日金曜日

頑張れソース焼きそば


ラーメン、うどん、そば、パスタ等々。麺類の誘惑はデブを悩ませる。食べやすさもあってツルツルズルズル吸い込んでしまう。おかげで胃が脳に満腹指令を発するタイミングを逃してデブが加速する。

おっといけない、今日はデブの話ではなく、麺の話だった。

まさに群雄割拠の麺業界?だが、ちょっと気になるのがソース焼きそばの立ち位置だ。

ラーメンやつけ麺はスター扱いされているのにソース焼きそばは同じような麺なのに厳しい立場に置かれている。

焼きそば業界?においても、威張っているのは中華料理屋で出てくる五目やきそば、海鮮焼きそばなど、お酢をかけたくなるほうである。


画像は銀座・維新號で食べた焼きそばである。具が中にサンドイッチのように挟んである。両面を支えるのはパリッと焼かれた麺だ。こうなるとスター級?の料理になる。

というわけで、焼きそばは焼きそばでもソース焼きそばは誰もが大好きなはずなのに、「麺ヒエラルキー」の底辺にいるような可哀想な立場にいる。

カップ麺、もしくは縁日の出店でガラの悪いアンチャンが作っているイメージのせいなのだろうか。家で食べるものというイメージも影響している。

先日、週刊誌をぱらぱらめくっていたら、「焼きそば専門店」という記事を見かけた。日の当たらない存在?のソース焼きそばにも専門店があるらしい。ちょっと興奮する。

2軒紹介されていたのだが、1軒は職場からさほど遠くない高田馬場である。「真打みかさ」という店だ。さっそく行ってみた。

繁華街から離れた周りには店舗など無い路地でポツンと営業していた。カウンター10席ほどのお店で、メニューはビールと焼きそばだけである。

実に潔い。おまけに大盛りの注文もできないようだ。ただただ「焼きそば 800円」のみ。これで繁盛しているわけだから利益率は凄そうだと余計なことが頭に浮かぶ。


肝心の味は普通に美味しかった。焼きそばが好きなら素直にニコニコする味。際だった特徴があるわけではないが、ウマいラーメンほど奇をてらっていないのと同じ。誠実に作られた正しいソース焼きそばといった印象だ。

少し平べったいような太麺に具はキャベツ、ネギ、もやし、大きめにカットされたパンチェッタのような形の豚肉、そして半熟の目玉焼きが乗っかる。

カウンターの上には紅ショウガと揚げ玉が用意されている。取り放題だからデブにとっては有難い。

日頃、オトナの居ずまいだとか、鮨屋の在り方とか、正当な日本料理のダシの加減はあーだのこーだのと分かったようなことを言いたがる私だが、実態はB級グルメと呼ばれるガッツリ系の食べ物を嬉々としてガッつく「お子ちゃま味覚太郎」である。

本格的なソース焼きそばを半熟目玉焼きをグチュグチュ混ぜながら頬張るのは涙チョチョぎれ(古い)の至福の時間である。

ラーメンが麺の世界における番長だとしたら、ソース焼きそばは“裏番”みたいな存在かもしれない。普段は表に出てこないのだが、いざとなったら誰もがひれ伏す感じだ。

意味不明でスイマセン。

俗にB級グルメと呼ばれる手軽でウマい食べ物の特徴は「潔さ」だと思う。ズバっと直球勝負という感じが魅力である。面倒な理屈抜きに口の中を幸福にしてくれる。

ウンチクをちらつかせながらちょっと気取って高級料理店で過ごす時間もいっぱしのオトナには必要だが、鎧兜を脱いだ時には「気軽にガッツリ」が最高である。



こちらは水道橋の豚丼専門店「丼達」で食べた豚丼と代官山の「ALOHA TABLE」というカフェで食べたロコモコ丼である。

いずれも直球勝負である。ソース焼きそばもそうだが、ガッツリ安ウマ系の食べ物は男心をくすぐる。問題があるとすれば、ほんの数分で食べ終わってしまうことである。

ガツガツあっという間に食べてしまう行為はデブを更なるデブに進化させる。まさに魔力である。実に恨めしい。でも愛さずにはいられない。

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