2016年12月28日水曜日

「赤い運命」


ここ2,3年の間にテレビっ子のようになってきた。家でテレビを見ている時間がやたらと増えた。隠居の家相?のせいだろうか。

人生何度目かのシングルライフのおかげで昔に比べると誰にも邪魔されずにマイペースで好きな番組を楽しめる。

以前はあまり興味がなかった連ドラも結構見ている。今年は「真田丸」や「とと姉ちゃん」を夢中になって見たし、娘と話を合わせようとジャニーズの人々のドラマもいくつか見た。

ハマったのはNHKお得意の「中年女性色恋モノ」だ。NHKのドラマは民放に比べると独特の落ち着き感がある。

私が今年見たNHKドラマはそれぞれ主演がハセキョー、石田ゆり子、観月ありさ、原田知世である。さすがに若者向けドラマとは違う。時にフムフムうなずきながら楽しんだ。

そりゃあ確かに有村架純ちゃんやガッキーの可愛い笑顔も貴重だが、ドラマでスッタモンダする人達はもっと大人のほうがシックリくる。

基本的には録画して鑑賞する。そのほうが途中でトイレにも行けるし、民放だったらCMにイラつくこともない。


先週、インフルエンザで家でゴロゴロしていたおかげで昔の名作ドラマに遭遇した。山口百恵の「赤い運命」である。BS-TBSで平日の昼間に放送中だ。

私が小学生の頃に放映されていた大ヒットドラマである。アイドルを主役に据えた安直な作りのドラマかと思っていたのだが全然違った。実に面白い。昭和っぽい濃厚かつ本格的?なドラマだ。

イマドキのドラマは全10回程度の放映回数が普通だが、あの頃はもっと長期間にわたって放送されていた。「赤い運命」は全28話である。今のドラマの2クール分よりも長い。

Wikipediaによると平均視聴率は23.6%、最高視聴率は27.7%だったそうだ。現在では考えられない怪物番組だ。伊勢湾台風のドタバタの中で取り違えられてしまった子供の運命をめぐるドロドロの話である。

主演の山口百恵は当時17歳。薄幸な少女役が抜群なのだが、主演以外の俳優陣がこれまた凄い顔ぶれ。そのせいもあってアイドル作品みたいな匂いが薄いのだろう。

三國連太郎のヤサグレ感が半端ない。釣りバカシリーズの「スーさん」しか知らない人が見たら卒倒しそうなほどオドロオドロしい雰囲気を醸し出している。

カウンターパート的な位置付けの宇津井健は東京地検の中堅検事役。大真面目な人物。三國連太郎のワルっぽさとの対比が素晴らしい。その周りを有馬稲子や前田吟、池部良あたりが固める。


更にいえば岸田今日子が快演し、志村喬まで出ている。まさに名優揃い踏みでお腹いっぱいって感じだ。

昭和元禄などと世の中が浮かれ始める前の「キチンとした昭和」が描かれている。
全体的に丁寧に作り込まれた感じもまた良い。

ストーリーも思ったより複雑で今のドラマのような分かりやすさとは一線を画している。一生懸命見ないと内容が分からなくなっちゃうほどだ。

「赤い運命」が放送されていた頃は、刑事ドラマといえば「太陽にほえろ」だったし、お笑い番組はドリフだった。日曜はみんなが「笑点」や「サザエさん」を見ていた。

ビートたけしを中心とした「ひょうきん族」が一世を風靡する前の時代だ。まだトレンディードラマも生まれてなかったし、“バラエティー番組”という呼称自体が存在しなかった。

アイドルがコント番組に出始めるのはまだまだ先の話で、お笑いの人はあくまでお笑いだけ。ボーダーレスのような今の時代とは異質な線引きがあった。

アドリブ的面白さがウリの現在とはだいぶ様相が違っていた。良し悪しは判断できないが、やはり昔のほうがどこか地に足が付いていたように感じる。

さて「赤い運命」の話である。たまたま見たのが第13話ぐらいだったのでまだまだ中盤戦だ。迷わず自動録画設定のスイッチオンである。

残り15回ぐらいある。前半のストーリーはネットで調べて把握済みだ。これから修羅場がガンガンやってくるみたいだ。ワクワクする。

年末年始の楽しみが出来て妙に嬉しい。ちっぽけな喜びだが・・・。

2 件のコメント:

  1. 来世では知世の夫2016年12月28日 15:18

    富豪記者様もついに知世様の魅力に気付きましたか!
    でもあのドラマは、ちょっとしたどんでん返しはあったものの今一つ深みが足りませんでした。
    昨年谷原章介と共演した「三つの月」のほうが秀作だったと思います。

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  2. 原田知世ドラマ、確かにちょっと食い足りない印象でした。

    オバサン丸出しの雰囲気の主人公が恋をすることでパッと美しく変わるかと期待していましたがオバサン丸出しのまま終わってしまった点が演出面で残念に感じました!

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