東京出身。富豪になりたい中年男。幼稚園から高校まで私立一貫校に通い、大学卒業後、財務系マスコミ事業に従事。霞ヶ関担当記者、編集局長等を経て現在は副社長。適度に偏屈。スタイリッシュより地味で上質を求め、流行より伝統に心が動く。アマノジャクこそ美徳が信条。趣味は酒器集め、水中写真撮影、ひとり旅、葉巻、オヤジバンドではボーカル担当。ブログ更新は祭日以外の月曜、水曜、金曜。 ★★★スマホでご覧頂いている場合には画面下の「ウェブバージョンを表示」をクリックしてウェブ画面に飛ぶと下側右にカテゴリー別の過去掲載記事が表示されますので、そちらもご利用ください。
2017年2月27日月曜日
郷愁散歩
慢性的に運動不足だから暇な日はなるべく散歩に出る。家の近所はさんざん歩いて飽きてしまったので、見知らぬ場所まで出向いてウロウロキョロキョロ散歩に励む。
休みの日の繁華街は鬼混みだから避けたい。私にとって休日散歩の定番だった浅草も最近は観光客で凄い人出だ。おまけにディープな路地も再開発されて綺麗になっちゃったから魅力が薄れた。
私が散歩したくなる場所は「昭和っぽい匂いがするところ」である。昭和っぽさの定義は曖昧だが、端的に言うと、地に足が着いた地元密着型の商店街が元気な場所だ。
流行とか洒落っ気に関係の無い街を歩くのが妙に楽しい。ドテラを羽織ったオッチャンが鼻歌を歌いながら錆びた自転車にまたがっているような光景に萌える。
昔懐かしいレトロ看板がありそうな街だとなお嬉しい。この画像、ヤフオクから拝借したのだが、結構な値段で取引されているようで驚いた。全国の過疎地域を回って収集したら小遣い稼ぎになるかもしれない。
昭和っぽい街の代名詞である谷中、千駄木、根津あたりの谷根千エリアも好きだが、最近は小洒落た店も増えてきた。アマノジャク気質の私としては、観光客向けのあざとさというか、媚びたような感じが苦手なので、より「剥き出しの昭和っぽさ」を探したくなる。
先日ふらっと訪ねたのが十条である。その昔、「帝京高校VS朝鮮高校」の血みどろの抗争が繰り広げられたエリアである。高校生の頃に足を踏み入れたら生きて帰れなかったはずだ。
などと書くと住んでいる人に怒られそうだが、住んだら何かと快適そうな街だと思った。商店街は元気があるし、昔ながらの東京らしさが漂っていた。
野菜コロッケが30円、焼鳥1本50円である。食べたいとは思わないが、こういう店がある街は信用したくなる。地に足が着いている感じ。アコギな商売はすぐに淘汰されそうだ。
「鳥獣店」も“いとをかし”だ。昔はどこの街にもこんな店を見かけた。地元の小学生が日参している感じにホッコリする。
昔ながらの個人商店が元気な街は、どこも均一化されてしまった大都会の繁華街よりも面白い。ついついどうでもいい買物をしてしまう。
物凄く暖かい靴下だと言われて買ったのだが、単にウェットスーツ生地で作られた靴下だった。蒸れる。
この日は他にも大きめなラーメンどんぶりやXXLサイズの1000円のスウェットなんかも衝動買い。平和である。
十条の後は板橋区の大山に向かう。ここも地域密着型の商店街が活気に満ちていることで有名だ。
こうした街にはどこも「我が道を行く」みたいな空気が流れているのが良い。流行なんか知りませ~んって感じである。独自の文化圏を作っているかのような雰囲気がある。
外向きの東京の顔が巨大ターミナルタウンやお洒落なエリアだとしたら、古くからのディープな?街は、土着的東京といいたくなるような気配が濃厚だ。
私自身、根っからの東京人だから、子供の頃に目にしていた光景がそのまま残っているような古い街の古い路地を散策すると何とも言えない郷愁にかられるのだと思う。
そんな散歩の後はディープな酒場で決まりである。土地勘のない街で垢抜けない大衆酒場にふらっと入る時の変な緊張感が好きだ。アウェーである。
ウマいマズいとは別次元の魔界っぽさを楽しむ。黒ホッピーにモツ焼きが定番だ。画像のメンチカツ、よく見ると衣がまるっきり剥がれちゃっている。
そんな雑な感じがいい。常連さんからのギロっとした目線を感じるアウェーな店で、ホッピー片手に雑な感じの食べ物を頬張る。
Mな私にとっての憩いの時間だ。
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