東京出身。富豪になりたい中年男。幼稚園から高校まで私立一貫校に通い、大学卒業後、財務系マスコミ事業に従事。霞ヶ関担当記者、編集局長等を経て現在は副社長。適度に偏屈。スタイリッシュより地味で上質を求め、流行より伝統に心が動く。アマノジャクこそ美徳が信条。趣味は酒器集め、水中写真撮影、ひとり旅、葉巻、オヤジバンドではボーカル担当。ブログ更新は祭日以外の月曜、水曜、金曜。 ★★★スマホでご覧頂いている場合には画面下の「ウェブバージョンを表示」をクリックしてウェブ画面に飛ぶと下側右にカテゴリー別の過去掲載記事が表示されますので、そちらもご利用ください。
2017年4月21日金曜日
某月某日 銀座にて
とある日のこと。中途半端な時間に有楽町でフリーになる。ふらふらと銀座6丁目の和食屋さんに赴く。時々思い出したように訪ねる店だ。
カウンターは5席のみ。4人連れのお客さんが私と入れ替わるように帰ったので、一人ノンビリと甘鯛やタケノコを肴に燗酒。
同伴客の流れが一段落する夜の9時頃の銀座が結構好きだ。どこかユルユルした雰囲気が漂う。
などと、好々爺みたいな気分でいたら、ちょっと賑やかな4人連れが入ってきて空いたばかりのカウンターに収まる。
ふと顔を合わすと中学高校の後輩である。有名な作家先生や綺麗どころを引率している。
時々この街で顔を合わす後輩なのだが、世の中に知らぬ人のいない会社のトップだ。VIP様である。なのにイケメンだからちょっと腹立たしい。
偶然会ってしまった知り合いの場にワケ知り顔で混ざるのはヤボの極みである。でも、カウンターの造りの関係上そうもいかない。結局、なんとなく混ざってしまいワイワイと飲む。
私の隣には有名な作家先生。たまたま半月ぐらい前に毎晩のようにその人の短編集を読んでいたので、私としては結構ビックリである。
そのことを得意になって話したのだが、タイトルや内容を聞かれても思い出せない。実にウソっぽい話になってしまった。変なミーハー野郎みたいでカッチョ悪いったらありゃしない。
そんなもんである。
でも、なんだかんだと作家先生と高尚な下ネタで盛り上がる。中高年の愛の世界の葛藤を描かせたら天下一品の人だ。つい最近も大きな文学賞を受賞したそうだ。
銀座の夜の話、中年男のアッチの機能における切ない話などを語り合う。後輩VIP社長が女性陣と穏やかに会話しているのをヨソにオッサン的ディープトークに花を咲かせた。
その後、ヤボの上塗りで御一行様に付き従って7丁目の某老舗クラブへ。この日は“文壇バー”として知られるこの店の周年パーティーが帝国ホテルで行われたとか。その流れで店内は大盛況。
見回せば有名な作家センセイ達があちらこちらに座っていた。私が知っているだけでも相当な人数だったから、文学好きの人が見たらオールスター感謝祭状態だったのだろう。
銀座でボケッと飲んでいると有名人を見かけることは多いが、さすがにこの日のその店は独特な眺めだった。国会の食堂で隣の席で「小沢一郎」がカレーを食べていた時のようなプチ衝撃である。
よく分からない例えでスイマセン。
いずれにせよ、ひょんなことでとても面白い時間が過ごせた。やはり家に引きこもっていないでブラブラすることも大事である。
料理屋さんからご一緒した作家先生の話が面白かったので、翌日にはさっそくAmazonで何冊も注文してしまった。割とミーハーかもしれない。
ちなみにその数日後、別な店でのこと。隣の席で我々世代の大人気アイドルが飲んでいた。見る人が見れば大いに興奮するのだろうが、私から見れば眠そうな様子にしか見えなかった。
アイドルよりも作家先生や「小沢一郎」と遭遇する方が何となく気分がアガる私だ。
きっと文化的な人間なんだろう!
そういうことにしておく。
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